ZINEフェス東京出展レポ / 今後の活動について
それは決して簡単ではなかったけれども、わたしは確実に幸せもので、今日という1日をずっと忘れてはいけないと、心から感じた。そんな奇跡のような「ZINEフェス東京の1日」を、わたしなりに、まとめていこうと思う。
初めての出展 ZINEが売れた瞬間
ぽつぽつ雨の降る肌寒い日、10月4日。23:10、名古屋駅から夜行バスに乗り、5:18にバスタ新宿へと到着。
初めてのZINEフェスは東京で、1人で出展することになった。まずは岐阜から東京に出かけねばならず、大きなリュックと手提げには重たい荷物以上に不安と緊張が詰め込まれてるんじゃないか、と錯覚するほどわたしは思い詰めていた。
接客は仕事で経験してきた。でも、人混みが苦手なわたしが初めての出展で5時間も耐えられるだろうか、1冊も売れなかったらどうしよう、そもそも1人も立ち止まってくれなかったらどうしよう、なんて心配ばかりが頭を占める。
10時に会場入りし、4人1組で机を並べていく。さすが出展者の皆様、行動が早い。広々として寂しかった会場が、徐々にその形を帯びてくる。いい緊張感に包まれながら、すぐに会場準備は終わった。
次にブースの設営。なんとドジなことに、事前に想定してきたよりも机の縦幅が広かったらしく、だいぶ計算が狂った。でもなるべくシンプルに、ZINEが際立つようになんとか設営を終えた。

お客さんが入る前に、こっそり他の方たちのブースを視察した。皆さんクオリティが高く、ポップでカラフルで、一目で惹かれるものばかりだった。圧倒された。わたしのブースのシンプルさたるや。言葉で売っているブース、というのはなかなかみられなかった。これが吉と出るか凶と出るか分からず、とりあえず様子を見ることにした。
12:00。ゆるゆると始まった。すこしずつお客さんが入ってくる。わたしのブースはというと、みんなが目線をチラッと向けてどんどん目の前を通り過ぎていく。そのまま30分が経過した。
まずい。文章って、ウケないのか。
そのまま「ゆれるわたしと、うつろう世界」のまえがきを印刷した紙をササッと隠した。ZINEの表紙、おしながき、フリーペーパーで勝負することにした。
そうしたらなんとなく、お客さんたちの目線の動きが変わったような気がした。表紙を見て立ち読みしてくれる人、お品書きをじっくり呼んでくれる人、グッズの写真を見て素敵ですねと声をかけてくれる人。
徐々に声をかけてもらうことが増え、待ちに待った瞬間が訪れた。
ふらっと通り過ぎたらしい男性が、お品書き、ZINE、フリーペーパー、とじっと見つめる。「よかったら試し読みもできますので、どうぞ」と勧めると、ぺこり、と軽く頭を下げ、じっくり、という言葉が似合うくらいに集中して読んでくださった。その空気感に合わせ、それぞれのZINEに込めた想いをぽつりぽつりと話すと、「じゃあ1冊ずつください」と。
う、嬉しい…!!!!!
初めてZINEが売れた瞬間だった。しかも、今この時、文章を読んでくれて、買いたいと思ってくださったことが何より嬉しかった。
そのあとも少しずつ、立ち寄ってくれる人が増えてきた。
「わたしも同じ病気かもしれなくて…」と伝えてくれた女性。「ふらっと立ち寄ったんですけど、最初の一文にすごく共感して!」と立ち読みしてくれた女性。「note見て来ました」というnoteきっかけでいろんなお話ができた男性。インスタから取り置きを依頼してくださったおふたりも、「真っ先に来ました!」と楽しみにしてくれていた様子が伝わってきた。
1人、また1人と立ち寄ってくれ、合計で「ゆれるわたしと、うつろう世界」が9冊、「無題」が4冊も旅立っていった。1冊も売れないかもしれない、という予想を遥かに超え、売れた、という事実がわたしの自信に変わった。

工夫したこと、反省点
自分が予想しているより好成績だった今回だが、工夫してよかった点、反省点もいくつかあるのでここでまとめていこうと思う。
まず工夫した点。ブースに立っている間は、お客さんの目線の動きと体の向きを観察して、声かけの仕方を変えていた。
じっとZINEを見て2秒でも足を止めてくれた人には、フリーペーパーや名刺を配って認知を促す。5秒止まってくれた人には「ZINE立ち読みできます」と声をかける。そして立ち読みしてくれた人には、文章を読む時間をしっかりとっていただきつつ、ZINEの内容、二つの作品の対比、込めた想いなどを話す。ここまでいくと、ふらっと立ち寄ってくれた場合でも買ってくれる割合がかなり増えた。
反省点としては、ブースをもっと工夫した方が良かった、ということ。他の出展者さんのブースを見ると、ちらっと見ただけで目が惹かれるような工夫がされていた。奥行きだけじゃなく、縦の空間もしっかり使って商品が強調されいるブースはやはり立ち止まりたくなる。
わたしは文章勝負だ、と思いシンプルで挑んだけれど、それ以上にブースを工夫し世界観を作り込む方がより届くべき人に届くだろう、と痛感した。
初出展の正直な感想
ここまでオブラートに包んで書いてきたが、ここで正直な感想を書きたい。
ZINEフェスや文学フリマ、その他出展イベントの難しさを心底感じた1日だった。
まずは販売することの難しさ。制作をするフェーズ、と販売をするフェーズ、それぞれが全く違い、それをすべて1人で請け負ってやらなければいけない。特に販売することに慣れていない分、非常に難しく、過酷でもあった。
自分の作ったものに値段をつけ、SNSで宣伝をして、当日の接客で工夫をし、どうやったら1冊でも多く売れるか試行錯誤をする。それは、制作とはまた違う孤独を伴うものだった。特にZINEフェス東京は規模が大きく、魅力的なブースが数多くあり、お客さんはその中から購入するものを選ばなくてはならない。だから、わたしのブースの前もたくさんの人が素通りしていった。
わたしの場合、自分が苦しんできた双極性障害という病気を通して感じてきたことを、ありのまま綴った文章をZINEにした。それは、「自分自身の経験」を売るのと同等だ。自分にとっては、重要なこと。でも、目の前の人たちには、さほど重要ではないこと、もしくは届かずに散っていくこと。その事実にリアルタイムで直面していくことに、耐えられない時間帯があった。
それでも最後の最後まで、興味を持って名刺を持ち帰ってくれたり、実際に手に取って読んでくれたり、その場で購入してくれる方がいた。相対的に見れば多くはないかもしれない。でも、わたしにとっては、それらのひとりひとりの想いの方が重要だった。
「ゆれるわたしと、うつろう世界」で目指してきた、ゆれる感情の波のなかに潜む孤独を綴った言葉で、社会と繋がっていくこと。それが、このZINEフェスを通して、体現できたような気がしたからだ。
何より嬉しかったのは、立ち寄ってくれた方が、ZINEを読んで、わたしの思いを聞いて、涙を流してくれたこと。それも、2人も。ともに流した涙が、わたしがZINEを作った意味に代わった気がした。
だから、ZINEフェスは楽しいばかりではなかったけれど、得たものの方が多く、そしてわたしが体現したい世界、言葉を通して繋がりを生むことを、このブースの中で体現できたことが一番の収穫だった。
ZINEの購入をしたい方へ
ZINEフェスで知ってくれた方、気になったけれど購入できなかった方に向けて、郵送での販売を開始します。購入希望は、InstagramのDM、またはメールにて承ります。
その理由を、ひとつ。
わたしがネット販売を行わないのは、わたしが作っているZINEが個人的な人生を詰め込んだ文章なもので、「言葉で世界と繋がる」というテーマがあるからだ。そのため、1対1の繋がりを通して届けていきたい、という想いのもと、ZINEを販売していきたいと思っている。ZINEを通して、人と出会い繋がるのが、わたしの目標。
本当は、購入希望してくださったかたのために直接、目と目を合わせて届けたいくらいだ。それが叶わないのでせめて、メッセージのやりとりをさせていただきたい、そのやりとりを通して届けたい、というのがわたしの想いです。
購入希望の方は下記のインスタグラムのDM、もしくはメールにて「ZINE購入希望します」とメッセージをください。確認次第、ご返信させていただきます。
⇩メール
azu.writing@gmail.com
⇩ ZINEの詳細
これまでのことと、今後の活動について
ブースに立ち寄ってくれた方、ZINEを購入してくれた方の多くが「活動応援しています」と言ってくださった。本当にありがたい話である。わたしは21歳の頃から言葉を綴り続けているので、この活動も7年になる。やっと去年から外の世界に飛び出して、個展、ZINEフェスと出展してきた。
今後の活動については、10月26日に名古屋駅近くにて「SIGNALS issue #3」というイベントに参加します。
こちらは、人生で初めて書いた短歌3篇を展示していただきます。今まではエッセイ、詩を書いてきましたが、短歌も極めてみたい…!と思い始めるきっかけになりそうです。短歌は初心者であり、これがはじめの一歩となるイベント参加なので、暖かく見守っていただけると幸いです。またZINEも少し持っていくので、こちらでも購入いただけます。
※ ZINE販促イベントではないため、ZINE購入のみの方は郵送にて販売いたします。SIGNALSでは短歌の展示とともに、お楽しみください。
SIGMALS issue #3 「TANKA 短歌 impossible」
日々シグナルを発している、様々なクリエイター達にスポットを当てる展示 SIGNALS。
「TANKA 短歌 impossible」
25.10.26(日)12:00~17:00
愛知県名古屋市中村区羽衣町30−4 3F 3RDYARD
@soiro_living
Presented by : @hashibami_yue
Coffee : @pietas_coffee
⇩SIGNALS 詳細
⇩ 主催のハシバミユエさんのnote
そして、これ以降のイベント出展はまだ未定です。できればZINEフェス名古屋も出展したいのだけど…奇跡的に出せることになったらまた告知します。
今後の主な活動はこのnoteでの言葉の執筆、そして新作ZINEの制作になります。またひっそりと孤独な制作期間に入ります。地味に続けているメンバーシップも、有料記事も月に3記事くらい書けたらいいなあなんて。せっかくZINEを作ったのだから、ZINEの裏話なんかもここで公開していこうかな。
イベントの準備期間はどうしてもインプットもアウトプットも足りなくなるので、ここからはもくもくと書いたり読んだりしたい。
最後に
夢中で書いて2時間、気づいたら約4600文字になっていた。ここまで読んでくださっていたら、本当にありがとうございます。
総じて、ZINEフェスに出て本当に良かった。これからも機会があったらこういうイベントに参加していたいなあ。そんな人生を選んでいたいなあ、と思う出来事だった。
言葉を通して、あなたと繋がることを諦めず、これからも活動を続けられるように、わたしは力強く生きていきたいです。これからもどうぞよろしくお願いします。
2025.10.6
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