50代になって恋をするということ。
50代になって、恋をする。
こう書くと、少しだけ照れくさい。
若い頃なら何の迷いもなく口にできた
「好き」という言葉が、年齢を重ねると
なぜだか少し特別なものになる。
恋愛は若い人のもの。
そんな決まりなんて、どこにもないはずなのに。
でも私は今
この年齢になって人を好きになったことで
初めて知ったことがたくさんある。
むしろ若い頃よりも今のほうが
「人を好きになるって、こういうことなのかもしれない」
と、少しずつ分かるようになった気がしている。
若い頃の私は、「好き」という気持ちの中に
たくさんのものを詰め込んでいた。
会いたい。
もっと私を見てほしい。
私を一番にしてほしい。
同じくらい好きでいてほしい。
連絡がなければ不安になり
言葉が少なければ愛されていないような気がして。
相手の気持ちを確かめることで
自分の心を安心させようとしていた。
あの頃の恋も、もちろん嘘ではない。
一生懸命だったし、本当に好きだったのだと思う。
ただ今振り返れば
誰かを好きになる気持ちと一緒に
「私を認めてほしい」
という願いも、ずっと抱えていたのかもしれない。
けれど50代になった今
私の「好き」は少し違う。
燃えるようなものではなくていい。
一日中、その人のことだけを考えていなくてもいい。
言葉で何度も愛情を確認しなくてもいい。
それよりも私は
何気ないやり取りの中に見える誠実さや
忙しい毎日の中でも途切れずに続いていく関わりや
以前話した小さなことを覚えていてくれることに心が動くようになった。
派手な言葉よりも、小さな行動。
一瞬の熱よりも、積み重なっていく時間。
「好き」と言われることだけではなく
その人がどんなふうに私と向き合っているのかを
ゆっくり見つめられるようになった。
それはきっと、年齢を重ねたからこそ持てるようになった視点なのだと思う。
人生の途中で、いろいろなことを経験した。
嬉しかったこともある。
傷ついたこともある。
信じたかったのに信じられなかったことも
自分の気持ちを置き去りにして誰かに合わせてしまったこともある。
だから今はもう
恋をするために、自分を失いたくない。
…そう思う。
私は私の人生を生きながら、その人を好きでいたい。
そして、その人にもその人の人生を大切にしていてほしい。
それぞれが自分の道を歩いていて
時々その道が近づいて
同じ景色を見たり
同じことで笑ったり
疲れた日に「今日もお疲れさま」と言い合えたりする。
ずっと重なっていなくてもいい。
離れている時間まで疑わなくてもいい。
それぞれの日常をちゃんと生きて
また心が交わる。
そんな関係を、今の私はとても素敵だと思う。
だから最近
「会えない時間」や「連絡のない時間」も
その人の人生なのだと思えるようになってきた。
もちろん、寂しい日はある。
不安になることだってある。
50代になったからといって、急に恋愛の達人になるわけではない。
好きな人のちょっとした言葉に嬉しくなったり
少し寂しくなったり。
スマートになんて、できない。
むしろ
いくつになっても心って、こんなに動くんだ。
そのことに私は驚いている。
そして、それが少し嬉しい。
50年以上生きてきた心が
まだ誰かに出会って嬉しくなれる。
その人から届いた言葉に微笑んだり
綺麗な空を見て「見せたいな」と思ったり
美味しいものを食べて「これ、好きかな」と考えたりする。
恋をするということは
人生に誰かを住まわせることではなく
自分の世界に、小さな窓がひとつ増えることなのかもしれない。
その窓の向こうに、その人の世界がある。
私は私の部屋にいながら、ときどきその窓を開ける。
「今日はどんな一日だった?」
そんなふうに。
そして相手もまた、自分の世界からこちらを覗いてくれる。
それくらいの距離が、今は心地いい。
若い頃の恋には、若い頃にしかない美しさがある。
でも、年齢を重ねた恋にも
きっとここまで生きてきた人にしか分からない美しさがある。
相手を変えようとするのではなく、知ろうとすること。
期待を押しつけるのではなく、違いを受け止めること。
相手を大切にすることと同じくらい、自分自身を大切にすること。
そして何より
恋が叶うかどうかだけを、その恋の価値にしないこと。
誰かを好きになれた。
その人の存在によって
自分の中にこんなに優しい気持ちがあることを知った。
それだけでも、人を好きになることには意味があるような気がする。
だから私は
「この先どうなるのだろう」
という未来ばかりを見つめるのではなく
今、自分の中にある「好き」という気持ちそのものも大切にしていたい。
急がなくていい。
誰かと比べなくていい。
年齢なんて、もっと気にしなくていい。
50代の恋は
若い頃の恋の続きではない。
たくさん迷って
傷ついて
立ち止まって
それでも自分なりに人生を歩いてきた私が
今の私として、もう一度誰かに心を開いてみること。
だからきっと
今だからできる恋がある。
今だから分かる優しさがある。
今だから見つけられる愛情がある。
そして今だから
誰かを好きになっている自分自身のことまで
一緒に愛してあげられるのかもしれない。
50代になって、恋をする。
私はそれを、少しずつ恥ずかしいことだとは思わなくなってきた気がする。
むしろ
人生の途中でまた
こんなふうに心が動く人に出会えたことを
静かに喜んでいたい。
今日も私は私の人生を歩く。
そして、その道のどこかで
好きな人の人生とふっと重なる瞬間があったなら
その時間を
大切に両手で掬いながら、
恋をしていたい…そう思う…🤭


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今後も、私らしいnoteを、みなさんにお届けしたいと思います٩(ˊᗜˋ*)و♪