夜の港の小さなカルテル
街灯が鈍く海を照らす深夜の港
心地よい夜風に誘われ、少し遠回りをした僕は、不用意にも彼らの縄張りの境界線へ足を踏み入れてしまっていた
暗闇の向こう、防波堤の影に潜む4つのシルエット
そこを根城にする、小さなギャングたちだ
しまった!
が、時すでに遅し
一瞬の静寂の後、のこのこと現れた不届きな侵入者を見咎めた彼らのスイッチが入った
いつの間にか背後に回り込み、完璧な隊列で、4対の鋭い眼光がこちらをロックオンする
「タダでは通さないぞ」とでも言いたげに、首をシンクロさせてじっと僕を値踏みしている
そして、次の瞬間
「にゃあぁぁん!」
地を這うような咆哮とともに、4つの影が猛然とこちらへ突進してくる
絶体絶命の襲撃――彼らの狙いは、僕が手にしたコンビニ袋だ
ガサゴソという音に目を輝かせた突撃部隊は、凄まじい勢いで僕の足元に激突
ジグザグに体を擦り付け、ゴロゴロとまとわりついてくる
右足に黒、左足にサバトラ
完全に包囲され、足が絡まって一歩も動けない
すっかり戦意を失った僕は、解放を条件に、酒の当ての特上かまぼこを献上するしかなかった
一仕事を終え、みかじめを得た彼らは、満足そうに颯爽と解散していった
残されたのは、空っぽのビニール袋と
手痛い洗礼を受けながらも、ほっこりとした夜の取引を終え、至福の交渉に微笑む僕だった
見つけてくれてありがとうございました
