【まだ、途中】「なんとかなるでしょ」その呑気さに、電卓を叩いた夜
「なんとかなるよ」と言われて、固まった
夕飯の後片付けをしながら、聞いてみました。
「そういえば、定年後ってどうするの」
夫は箸を置いて、少し考えるふりをしてから言いました。 「まあ…なんとかなるよ」
その一言に、正直、固まりました。
なんとかなる、って。 具体的に何が、どうなるという意味なのか。
実は、何も分かっていないんでしょ?。
そんな気がしたのです。
「退職金、いくらくらいか知ってる?」
そう聞くと、夫は目を泳がせました。
「いや、それは……昔もらったパンフレットに、書いてあった気がする」
気がする。
やっぱりと思いました。
家計を握ってきたのは、私なのに
結婚してからずっと、家計は私が管理してきました。
毎月の引き落とし、教育費の積み立て、パートの収入をどこに回すか。
細かい数字は、いつも私の頭の中にありました。
だから余計に、腹が立ったというより、寂しかったんです。
この十数年、家計をやりくりしてきたのは私なのに。
支えてきたつもりなのに、蚊帳の外に置かれたような気がしました。
定年後のことを考えるとき、夫はまるで自分ひとりの問題であるかのように、 「なんとかなる」の一言で片づけようとしている。
パートの時給では、埋まらない部分がある
私はパートで働いています。
正社員ではないので、厚生年金も夫ほど積み上がっていません。
自分の老後についても、実はそこまで安心できる金額ではないことを、 ねんきん定期便を見るたびに感じていました。
再雇用後、夫の給料が下がるとしたら。
その分を、私のパート収入でどこまで埋められるのか。
時給を上げてもらうことも、勤務時間を増やすことも、 体力的に今のままが精一杯だという自覚もあります。
「なんとかなる」の中に、私の分の不安は入っていなかった。
そのことに、改めて気づきました。
息子の予備校代を、誰が計算しているのか
もう一つ、頭から離れないことがあります。 浪人中の息子の、予備校代です。
「もう1年、必要かもしれない」
そのことを、夫と本当の意味で話し合ったことは、まだありません。
教育費のことは、いつの間にか「お母さんの担当」になっている気がします。
でも、これは私ひとりの家計簿の中で完結する話ではないはずです。
夫の退職金や、再雇用後の給料の見通しと、 息子の予備校代は、同じテーブルの上に並べて考えるべきことです。

二人で電卓を叩く夜を、作ってみる
その夜、私は自分の家計ノートを引っ張り出しました。
パートの月収、児童手当が終わった後の教育費、住宅ローンの残り。
今まで一人で把握してきた数字を、一度、紙に全部書き出してみたんです。
ペンを動かしていると、書斎の方から、紙をめくるような音が聞こえてきました。
夫も、何かを調べているのかもしれません。
でも、声はかけませんでした。
きっと夫も、一人で向き合わなければいけないと思っているんだろう。
そう思うと、声をかけるのも、少し違う気がしたんです。
これを、夫にも見せようと思いました。
「なんとかなる」
の中身を、二人で数字にする。
それは、夫を責めるためではありません。
私がずっと一人で抱えてきた不安を、二人分の問題として置き直す作業。
そんな夜にしたいと思います。
3年後、夫が定年を迎えるとき。
「なんとかなった」のか、
「なんとかした」のか。
その違いは、きっと今夜、電卓を叩くかどうかにかかっています。
明日の夜、もう一度、あの話をしてみようと思います。 今度は、パンフレットの記憶ではなく、数字を持って。
▶こども目線のお話です
【こもれびFPから🌻】
パートの社会保険加入は、これまで「年収106万円」が基準でしたが、2026年10月からこの金額基準がなくなります。
これからは、金額に関係なく「週20時間以上働いているか」で判断されます。(ほかにも基準はありますが)
「年収を抑えておけば大丈夫」という感覚のままだと、実際には時間の方で加入対象になっている、ということが起こり得ます。
ご自身の勤務時間、一度確認してみてください。
https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/index.html
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ここまで読んでくれて、ありがとうございます。🌻
いただいたチップは、佐々木さんの2章に変わります。