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陥没 と 探偵

古い型の白い軽バンのフロントガラスには
横浜駅西口でのパトランプが赤く滲んでいた。


少し開けた窓から、湿った夜風が入ってくる。


探偵Bは煙草を咥えたまま、スマホのニュース画面を眺めていた。


探偵A:「まだ道路塞いでんのか」

探偵B:「そりゃ陥没拡大したらしいからな、復旧未定だそうだ」

探偵A:「怖ぇなぁ……普通に歩いてて地面抜けるとかあるんだな」

探偵B:「地下なんて見えないからな、空洞できても気づかない」


探偵Aはコンビニで買ったカフェオレを両手で持ちながら、規制線の向こうを見た。


探偵A:「なんか、不倫みたいだな」

探偵B:「また雑な例えじゃないか」

探偵A:「いやでもさ、急に壊れたって言う夫婦多いじゃん。でも実際は前からスカスカなんだよ」

探偵B:「……まぁ、わからなくはない」

探偵A:「小さいヒビ放置して、まだ大丈夫ってやってるうちにドーン!!」

探偵B:「道路の話か夫婦の話かわかんなくなってるぞ」煙を細く吐きながら答える。


張り込み開始から既に四時間。
対象者はまだ出てこない。

白い軽バンのエンジンを切っているせいで
車内はやけに静かだった。


探偵A:「なぁ」

探偵B:「ん?」

探偵A:「もし今ここ陥没したらどうする?」

探偵B:「お前を置いて逃げる」

探偵A:「は?」

探偵B:「お前絶対、お菓子が!とか言って降りないだろ」

探偵A:「だってもったいないじゃん」

探偵B:「ほらな」

探偵A:「でもさ、軽バンって軽いし意外と浮くんじゃね?」少し考え込んでから真顔で言った。

探偵B:「何に」

探偵A:「穴」

探偵B:「穴は海じゃねぇよ」


その時だった。


コンコン。

突然、助手席の窓を叩く音。
二人の探偵が同時にビクッとする。
外には警察官が立っていた。


警官:「すみません、この辺危ないので移動お願いできますか」

探偵A:「あ、はい」

探偵Bが煙草を消しながら頭を下げる。

警官は軽バンをちらりと見た。


警官:「それと……通報入ってます」

探偵B:「通報?」

警官:「陥没現場を見ながらニヤニヤしてる不審な男二人がいるって」


「…………」
「…………」


探偵A:「……お前じゃん」

探偵B:「お前だろ」




終わり



現場の安全と、1日も早い復旧を願います


探偵A、探偵Bの人物紹介

彼らのその他エピソード

The Two Detectives - Theme


不倫・浮気、独身偽装
についての真面目なコラム


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