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本屋営業日誌 2026年7月27日〜8月2日

7/27(月)晴れ
九州の書店組合が合同で開催する見本市のようなものが9月に開催されるらしく、封書で案内が届いていた。自分は組合員ではないし(非組合員でもイベントの参加は可能らしい)、最近関係者と顔見知りになったわけでもないのに、こういうのが急に送られてくるのは正直困惑する。良かれと思ってなのは分かるし別に害もないんだけど、せめて何か一言添えるくらいはして欲しい。ついでに書くと数年前から高知県のPR誌が毎回店に届いていて、これも何で送られてきているのか全く覚えがない。


7/28(火)晴れ
いつも通り発注作業をしていた16時半頃、地震が発生。横の揺れがすさまじく、建物ごと潰れてしまうんじゃないかと思うほどだった。揺れがおさまった後、棚から落ちてしまった本を眺めながら、しばし呆然とする。
とりあえず本を拾い集め、自宅にいる母に電話して安否確認。「自転車が倒れた」と言うので外にでもいたのかと思ったら、自分の部屋に保管していた自転車のことだった。とりあえず食器が割れたりなどの被害はなさそう。
さすがにこれから本を買いに来る人はいないだろうし、17時半頃に店を閉めて帰宅する。少し遠回りしながら自転車を走らせ、周囲の状況を確認してみたけど、家屋の倒壊や損壊などは見られなかった。
自宅は特に被害はなさそうだったけど、電気が止まっている。日が明るいうちに夕食を済ませ、暗くなる前に諸々準備。
食料はカップ麺などがあるのでしばらく問題無し。水道は使えるので、浴槽に水をためておく。懐中電灯は自転車用のライトで代用。スマホやモバイルバッテリーもあるし、店に行けば充電もできるので、ひとまず何とかなりそう。
Youtubeのライブ配信で流れているニュースで、イオンモールの事故のことを知る。大きな被害が出ているのは県南なので、嘉島町のイオンモールではなく宇城の方ではないかと最初思ったのだけど、やはり嘉島町で、どうもただの地震の被害ではなさそうだ。
スマホのバッテリーを充電しておこうと思い、21時頃店に戻り、2時間ほど過ごして帰宅すると、妹も仕事を終えて家に戻っていた。
暗い部屋のなか、メールやラインで来た連絡に返信しながら過ごす。0時を過ぎるも電気は戻らず。ひとまず横になってはみるものの、気温は29℃あり、とてもじゃないけど眠れそうにない。パトカーや救急車のサイレンも鳴り止まない。目をつぶっても寝苦しくて目を開き、気を紛らわすためSNSを覗き、を繰り返しているうちに、一睡もできないまま朝に。母や妹は自分のように普段から冷房に依存していなかったようで、そこそこ眠れていたようだ。


7/29(水)晴れ
朝になっても電気は復旧せず。とりあえず店に行けば空調が効いた部屋で過ごせるので、6時頃に自宅を出る。スーパーはおそらく休業。コンビニは開いていたり開いていなかったり。
店に到着し、冷房のスイッチを入れ、床に雑魚寝で仮眠を取る。10時過ぎに目が覚め、県庁内の郵便局にいってみたところ、窓口業務は休止中だった。とりあえず今送らないといけない本はないけど、通販の注文はしばらく経って落ち着いてから受けるようにしたほうが良さそう。
昼食は、店の下の階にある弁当屋さんで。開店時に挨拶はしていたけど、初めて利用させてもらった。
床に落ちた本を片付け、安全のため棚の最上段の本を全て撤去する。余震が来てもできるだけ本が倒れ落ちないように、一部陳列方法も変更する。
とりあえず昨日からの被害状況と営業についての情報を整理して、SNSに投稿し、昨日から来ていたコメント等に返信する。
15時頃、以前イベントに参加した鹿児島のTV局の方から電話があり、地震の取材をしたいとのことなので協力させてもらうことにした。明日オンラインで取材を受け、土曜日の放送に使うとのこと。
その後母に自宅の状況を確認してみるも、停電は復旧しておらず。九州電力のサイトを確認してみると、自分が住んでいる地区の停電は0件になっており、これは停電が起きていること自体を把握されていないのではと思い、チャット機能を使って問い合わせする。案の定停電状況を把握できていなかったようで、調査に来てもらえることになった。とはいえすぐにというわけにはいかないかもしれない。
知人からの連絡で、今年になって久しぶりに訪れた八代の老舗の喫茶店ミックさんが今回の地震で全壊とのこと。マスターやご家族は全員無事だったのは不幸中の幸いだけど、長年続いてきた店を一瞬で失ってしまったというのは本当にショックだと思う。
夕方頃、ある書店さんからSNSを通じて、店頭での募金と売上の一部をうち宛てに寄付したいと申し出があった。報道されている通り、今回の地震の被害は県南が中心で、熊本市内は比較的大きな被害は出ていない。うちの状況もここに書いている通り深刻な被害はなく、SNSでも細かく伝えている。だからといって、「他にもっと支援が必要な場所があるから」という理由で寄付を辞退するのは野暮だなと思った(そんなことは分かった上で申し出てくださっているのだろうし)ので、回りくどいことを色々言わずに素直に受け入れることにした。お互い店を訪れたり直接言葉を交わしたことはないけど、気にかけて頂くだけでなく、直接的な支援までしてくださること、本当にありがたいという気持ちでいっぱいだ。
19時に店を閉めて、いったん帰宅。夕食を食べて、シャワーを浴びて(電気はつかないので水)、妹が帰宅したのを確認してから自分はもう一度店に戻る。途中スーパーに寄ってみたら、営業はしているものの惣菜やカップ麺などはほぼゼロ(例によって辛味系のものだけ残っていた)、パンが大量に届いていて従業員さんが品出しをしているところだった。
昨日は寝苦しくて眠れなかったので、今日は空調の効いた店舗内で過ごすことにした。布団やベッドはないものの、空調が効いていればそれなりに眠れるだろうと思っていたんだけど、ひどい腹痛が襲ってきて全く眠れず。あまりに痛みがひどいので、少しでも気を紛らわそうと独り言をブツブツつぶやいたりしてみる(今考えると本当に謎行動)ものの、全く治まらない。4時頃に家に戻って正露丸と整腸剤を飲んだけど、あまり効果はなし。痛みを堪えながら横になり続けるしかなく、体を休めるどころではなかった。


7/30(木)晴れ
最悪な夜が明け、腹痛もある程度収まったところで、10時頃から活動開始。郵便局の営業が再開していたので、窓口で状況を確認する。被害の大きな地域への配送はストップしているものの、他の地域であれば通常通り受け付けてもらえそう。通販の受付はすぐに再開することもできそうではあったけど、週明けの月曜日に状況を改めて確認してから判断することにした。
昼まで少し時間があったので、自宅に戻って身だしなみを整え、店舗の掃除をする。最上段の棚の本を全部撤去していたので、いつもより清掃が捗った。
店を開けてからは、地震で棚から落ちてダメージを受けた本の整理。カバー交換で対応できそうなものもあり、改めて確認すると商品の被害はごくわずかで済みそう。
月末なので支払いなどの事務処理を済ませて、近所の店舗用品店で足りない備品を調達。今日は来客もあり、近況などを直接お話できて嬉しかった。
15時半頃からオンライン取材。1時間ほど話をさせてもらった。取材終了後に母に電話をしてみたところ、停電が復旧したとのこと。これで今日は家に帰って休めるし、明日も定休日なのでゆっくりできる。
8月の予定などをSNSでお知らせして、19時に店を閉めて店舗の現金を入金し、帰宅する。ゆっくり浴槽につかって疲れを取り、冷房の効いたベッドで横になる。たった数日の不自由ではあったけど、いつも通りの生活ができることがいかにありがたいかを改めて思い知らされた。
疲れも溜まっていたのでぐっすり眠れるかと思ったけど、気持ちが落ち着かず深夜まで寝付けなかった。


7/31(金)晴れ
元から予定していた定休日。運動不足解消と気分転換を兼ねて、自転車を走らせる。
爆発事故が起きたイオンモールは自宅から10キロほど。周辺を走ってみたけど、信号機が止まっているところが一箇所あったくらいで、その他は目立った被害はなさそうだった。事故で亡くなられた方はテナントスタッフで、会社からの指示で売上金を回収するために建物に戻ったところ、爆発に巻き込まれてしまったと聞く。爆発が起きるなんて誰にも予測できなかったとはいえ、テナントの対応は「どんなときでも人よりお金が大事」と言っているようなものだ。こういう価値観が、いろいろなかたちで人の命を奪うことに繋がっている。イオンモールは自分もかつてテナントスタッフとして働いていた場所でもあり、思うことは色々とある。
イオンモールから数キロの距離にあるゆめタウンや、普段良く行く銭湯は休業中だった。大きな施設はさすがにすぐに再開とはいかないようだ。
スーパーの様子を覗いてみると、相変わらず米やカップ麺はほぼ在庫無し。帰宅後はゆっくり休養する。明日からは短縮営業も解除し、通常通りの21時までの営業に戻る予定。本はしばらく届かないのでそんなにやれることもないかもしれないけど、ぼちぼちやっていこうと思う。


8/1(土)晴れ
12時から店を開け、とりあえず先月分の帳簿を確認。7月の店舗売上は、ここ数年で最低クラスの数字だった。地震があったとはいえ、影響は平日の数日間のみで、何もなかったとしてもほとんど変わらなかっただろう。とにかく土日の売上が急落していて、まともに売れた日が1日たりともなかった。ここ最近ずっと店舗の売上が悪いのは分かっていた。それでも月トータルでは終わってみればそれなりの数字に落ち着いたりはしていたけど、7月は本当に目も当てられないような結果で(実際恐くてずっと売上が見れていなかった)、ついにここまで落ちてしまったかという感想。地震直後ではあるけど、この数字には向き合わないと、熊本に日常が戻ったとしてもこの先続けていくことはできないだろう。
今日の営業中は、体感できるほどの余震は起きなかった。店舗は車道に面していて、大きい車が通ると少し揺れたりするので、揺れを感じるたびに体がこわばる。
来客は少なく、静かな1日だった。もちろん売上も良くはないのだけど、こういう状況なので反省するというのも違う気がするし、どう受け止めたら分からない。
21時に店を閉めて帰宅。食事を済ませ、入浴している時に大きな揺れが。浴槽内で感じる揺れは独特で、空間がねじ曲がるような感覚だった。


8/2(日)晴れ
夏バテ気味で食欲があまりなく、昼はそうめんを食べて普段通りに出勤。
電気が戻ってからふだんの生活は特に問題なく過ごせているけど、仕事をバリバリ頑張ろうという気持ちにもなれず、作業は全く捗らない。
来客は昨日以上に少なかった。こんな時にも来てくれる人が一人でもいることは本当にありがたいことだし、そもそも地震の被害も少なく、人的被害もなく、こうして店を開けられているだけでも恵まれているというのは分かっている。しかし、地震前から続くこの土日の人の少なさはさすがに不安になる。
地震直後は気が張っていたのもあって精神的な落ち込みはあまりなかった。こうしてネガティブな気持ちが表出化してきたのも、生活が落ち着いてきたことの表れと捉えれば、悪くないことかもしれない。8月はフル稼働で予定を立ててしまったけど、休養期間も少し必要だろうか。

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