#1106 映画論43|龍三と七人の子分たち
本日紹介するのは17作目の北野映画「龍三と七人の子分たち」です。
時期的にはアウトレイジビヨンドと、アウトレイジ最終章の間に北野武監督が2015年に手がけた痛快コメディ作品です。
龍三と七人の子分たちとは?

主人公は引退した元ヤクザの親分・龍三(藤竜也)なんですが、ヤクザを辞めてからやることが無く、家の外で剣道の素振りをするんですが、刺青が見えてしまって近所からは白い目で見られたり、そんな感じで同居している息子夫婦から疎まれたり、なかなか辛い人生を送ります。
そんなある日、たまたま電話を取ると、息子が500万円の小切手を落としてしまったとのことでオレオレ詐欺に引っ掛かりかけるのですが、運よく寸前で回避できたんです、が!
そうした社会悪を退治しようと、ヤクザ時代の子分を集めて、京浜連合という半グレ集団をやっつけようと一龍会を立ちあげます。
平均年齢70歳を超えるベテラン俳優陣が、ユーモアとアクションを交えた“ジジイ大暴れエンタテインメント”を繰り広げます。
龍三と七人の子分たちの魅力

1. ベテラン俳優陣の圧巻の演技
藤竜也をはじめとする平均年齢70歳以上の俳優たちが、個性豊かなキャラクターを熱演。それぞれの得意技や異名を持つキャラクターたちが織りなすチームワークは、観る者を引き込む魅力があります。
老後はこんな感じで気心しれた仲まで集まったら楽しいだろうな・・・と思わせる演技で、こんな老後なら悪くなさそうだなと思わせるのは凄いですね。
2. 社会問題をユーモラスに描くストーリー
高齢化社会や詐欺犯罪といった現代の社会問題を背景に、元ヤクザたちが立ち上がる姿をコミカルに描いています。
笑いの中にも、現代社会への風刺が込められており、介護とか防犯対策とか色々と考えさせられますよね。
3. 北野武監督ならではの演出
この時期はアウトレイジ、アウトレイジビヨンドと、シリアスな作品が続いた後なんですが、ベースとしてはヤクザ映画としながらのコメディ作品として、北野監督の新たな一面が光ります。
アウトレイジ系のエッセンスが3割、「監督・ばんざい!」「みんな~やってるか!」系のエッセンスが5割、オリジナル2割とかそんな感じですかね?
ギャグやドタバタを織り交ぜながらも、物語の骨格はしっかりとしており、安心して楽しめる作品となっています。
龍三と七人の子分たちの印象的なキャラクターBEST10
次点 村上刑事

龍三と過去に色々あったと思われる刑事役をたけしが演じるんですが、たけいである必要性は正直分からなかったです笑
たけしの無駄遣いでしたね笑
10位 龍三の息子・龍平

龍三というヤクザの父親を持ちながら、メチャクチャまともに育った倅・龍平を演じるのは勝村政信で、なんとソナチネぶりの北野映画登場ですね。
ソナチネの頃は暇つぶしにロシアンルーレットをするくらいのパンクスだったんですが、しっかり更生したんですね笑
龍三に迷惑をかけられていて心底嫌がっていながら、それでも最後の龍三との電話のシーンは非常に良かったですね。なんだかんだで息子なんだなと嬉しくなりました。
9位 カミソリのタカ

龍三の7人の子分の1人です。
なぜスケバンの武器の代名詞と言われたカミソリをセレクトしたのかは不明ですが、そんな感じで武器のインパクトも弱く、そんな見せ場が無いですね笑
パイロットから飛行機を奪う時が唯一の見せ場でした。
8位 五寸釘のヒデ

龍三の7人の子分の1人です。
五寸釘というと「??」ですが、五寸釘を手裏剣のように使うので、そこそこ戦闘力は高そうです。
終盤のカチコミで、敵に投げた五寸釘は相手に当たらず、モキチに当たったり、ダーツに当たったりするのは最早ギャグでしたね笑
7位 ステッキのイチゾウ

龍三の7人の子分の1人です。
このステッキは仕込み杖みたいな感じでカッコよかったですね。
まさに座頭市のような感じで、そこそこカッコいい役回りでした。
6位 早撃ちのマック

龍三の7人の子分の1人です。
困ったらヤクザ事務所だろうと、バスの中だろうと、すぐに拳銃をぶっ放す、かなりデンジャラスなジジイです。
あとはカチコミの際に、任侠映画特有の「口上」をするんですが、さっぱり理解されなかったのは流石のたけしの演出でしたね。
5位 京浜連合・西

龍三のような老人たちに詐欺を行おうとする半グレ集団・京浜連合のボスです。下町ロケットに出ていた時と同時期ですかね?
とにかく悪い奴ですが、アウトレイジシリーズでもっと悪いやつらが多く出てくるので、それに比べるとインパクト弱めですね笑
4位 神風のヤス

龍三の7人の子分の1人です。
一番最後に仲間に加わるんですが、右翼の構成員で、更には特攻隊の父親を持つバリバリの軍国主義者だったりします笑
太陽にほえろの「閣下」で有名な人ですね。
僕は世代的に見ていないんですけど、ガキ使の笑ってはいけない警察で、山ちゃんを「チンカス」と呼んでいた人ですね笑
3位 はばかりのモキチ

龍三の7人の子分の1人です。
中尾彬は「アキレスと亀」「アウトレイジビヨンド」に続いての北野映画出演で、これまでの2作では非業の死というか、結構残念な扱いを受けていたんですが、今回の扱いが一番酷いです笑
言ってしまうと今回もあっさり殺されるんですが、死んでも死体を弾除けに使われたり、五寸釘を頭にぶち込まれたり、まぁひどい扱いでしたね笑
2位 若頭のマサ

そして若頭のマサですね。
蕎麦屋で一般客に喧嘩を売るくらい喧嘩っ早くて、元ヤクザなグルーヴを出しまくる老兵でした。
うまく龍三をサポートしていたナイスな番頭ですね。
1位 龍三親分

そして元親分で、新たな一龍会でも親分の龍三です。
龍の刺青と、小指と薬指が無いTHE ヤクザで、実の息子に迷惑をかけまくり、とにかく言動が短絡的で、あまり褒める所が無い主人公でしたね笑
まとめ
実はこの映画を見たことが無かったので今回初めて見たんですけど、まったく頭を使わず楽しむことができました。
最後の最後の龍三とマサの会話は非常に良かったですね。
アウトレイジビヨンドとアウトレイジ最終章の間で、肩の力を抜いてリラックスした感じで本作を作ったのでしょう。
てなわけで現在、「アウトレイジ」と「アウトレイジビヨンド」を見終えて、これから「アウトレイジ最終章」を見ようとしている人がもしいれば、先にこの映画を見てリラックスるのをオススメします笑
