イギリス英語とアメリカ英語の違いとは?どちらを勉強すればいいのか
英語を勉強していると、ある時こんな疑問が出てきます。
「イギリス英語とアメリカ英語は、どのくらい違うのだろう?」
そして、もう一つ。
「日本人は、どちらを勉強した方がいいのだろう?」
結論から言えば、どちらも正しい英語です。
イギリス英語とアメリカ英語は別々の言語ではありません。基本的な文法や単語の大部分は共通しています。
しかし、実際に映画やニュースを聞いてみると、
「ずいぶん発音が違うな」
と感じることがあります。
今回は、イギリス英語とアメリカ英語の違いと、私たち日本人がどのように勉強したらよいのかを考えてみたいと思います。
1.大きな違いは「発音」
最初に気づきやすいのが発音です。
特に有名なのが Rの発音 でしょう。
たとえば、
car
hard
work
teacher
などの単語です。
一般的なアメリカ英語では、語末などの r を比較的はっきり発音します。
一方、イギリス南部の標準的な発音では、母音の後に来る r を発音しない場合が多くなります。
そのため、
car
という簡単な単語でも、アメリカ英語とイギリス英語ではかなり印象が違います。
さらにアメリカ英語では、
water
better
city
などの t が、日本人には「ラ」や「ダ」に近い音に聞こえることがあります。
たとえば、
water → ウォーラー
のように聞こえることがあります。
英語のリスニングでは、このような「実際の音」を知っていることが非常に重要です。
2.同じ物なのに単語が違う
面白いのが語彙の違いです。
同じ物を表しているのに、イギリスとアメリカでは違う単語を使うことがあります。
たとえば、
|イギリス英語 |アメリカ英語 |意味 |
|-----------|--------------|------|
|flat |apartment |アパート |
|lift |elevator |エレベーター|
|holiday |vacation |休暇 |
|lorry |truck |トラック |
|petrol |gas / gasoline|ガソリン |
|biscuit |cookie |クッキー |
|trousers |pants |ズボン |
|queue |line |列 |
|underground|subway |地下鉄 |
|film |movie |映画 |
こうして見ると、私たち日本人が学校で覚えてきた英語には、アメリカ英語がかなり多いことに気づきます。
しかしイギリスの映画やドラマを見るなら、イギリス特有の単語も知っておいた方が理解しやすくなります。
3.スペルも少し違う
文章を書くときには綴りの違いにも気づきます。
代表的なのが、
colour(英) / color(米)
です。
ほかにも、
favourite / favorite
centre / center
theatre / theater
などがあります。
つまり、
-our → -or
-re → -er
という違いがよく見られます。
どちらかが間違っているわけではありません。
重要なのは、学校の試験や正式な文章では、できるだけ一つの方式に統一することです。
4.文法にも微妙な違いがある
文法そのものはほとんど共通していますが、好んで使われる表現には違いがあります。
たとえば「もう食べました」という場面。
イギリス英語では、
I’ve already eaten.
のように現在完了を使う傾向があります。
アメリカ英語では、
I already ate.
のように過去形を使うことも一般的です。
また、
イギリス英語では
at the weekend
アメリカ英語では
on the weekend
という違いもあります。
ただし、このような違いを必要以上に恐れる必要はありません。
基本的な英文法をしっかり身につけることの方が、はるかに重要です。
5.では、日本人はどちらを勉強すればいいのか?
私は、まず自分が一番使う可能性の高い英語を中心にするのが効率的だと思います。
アメリカの映画、YouTube、ビジネス、ニュースなどに興味があるなら、アメリカ英語を軸にする。
イギリスの文化、BBC、イギリス映画、IELTSなどに興味があるなら、イギリス英語を中心に勉強する。
ただし、ここで大切なのは、
「片方しか聞かない」という勉強をしないことです。
自分が話す英語には軸を作っても、リスニングでは両方を聞けるようにしておく。
私はこれが非常に重要だと思います。
6.おすすめは「話す英語は一つ、聞く英語は幅広く」
英語学習では、
Speaking → 一つの英語を軸にする
Listening → いろいろな英語を聞く
という方法がおすすめです。
たとえばアメリカ英語を中心に勉強するなら、自分が話すときにはアメリカ英語の発音や表現をモデルにします。
しかしリスニングでは、
アメリカ英語
イギリス英語
オーストラリア英語
カナダ英語
などにも触れていきます。
実際の国際社会では、さまざまなアクセントの英語を聞くことになるからです。
7.具体的な勉強方法
おすすめしたいのが、次の流れです。
① 自分の「基準となる英語」を決める
まずアメリカ英語かイギリス英語のどちらかを、自分の発音のお手本にします。
② 毎日10〜15分、同じ音源を聞く
ニュース、ドラマ、YouTube、教材など何でも構いません。
重要なのは、毎日少しずつ続けることです。
③ シャドーイングする
聞こえてきた英文を少し遅れて、そのまま真似します。
単語だけではなく、
リズム、強弱、音のつながり、イントネーション
まで真似することがポイントです。
④ 同じ文章をイギリス英語とアメリカ英語で聞き比べる
これはかなり面白い練習です。
辞書の音声機能などを利用して、
water
better
car
can’t
schedule
tomato
などを聞き比べてみます。
「こんなに違うのか」
という発見があります。
そして、この「違いに気づく力」がリスニング力向上につながっていきます。
8.発音は「ネイティブそっくり」でなくてもいい
英語学習を続けていると、
「アメリカ人のように話さなければ」
「イギリス人の発音でなければ」
と思ってしまうことがあります。
しかし、本来の目的はそこではありません。
大切なのは、
相手の英語を理解できること。
そして、
自分の英語が相手に伝わること。
です。
発音を勉強する目的も、ネイティブになりきることではなく、コミュニケーションをより円滑にすることだと思います。
まとめ
イギリス英語とアメリカ英語には、
発音
語彙
スペル
一部の文法や表現
に違いがあります。
しかし、どちらも英語です。
英語学習で大切なのは、
「どちらが正しいのか?」
と考えることではなく、
「自分はどちらを軸にして、どうすれば両方を理解できるようになるのか?」
と考えることではないでしょうか。
私がおすすめしたいのは、
話す英語は一つを軸にする。
聞く英語は幅広くする。
という勉強方法です。
アメリカ英語を話す人がイギリス英語を理解できてもいい。
イギリス英語を話す人がアメリカ英語を理解できてもいい。
むしろ、それこそが実際に使える英語力なのだと思います。
英語の違いを「難しい」と考えるのではなく、
「英語にはこんなにいろいろな音や表現があるんだ」
と楽しみながら学んでいく。
それが長く英語学習を続ける一つのコツなのかもしれません。
