地球温暖化時代を生き抜く Ⅳ(改訂版) 混沌の世界、脱炭素をどう進めるか
黒豹コメント:
これまで、愚見『地球温暖化時代を生き抜く Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ』を投稿してきました。しかし温暖化が収まる兆しは見えず、さらに国家間の戦争が勃発したことと、国際情勢が激変したことにより、脱炭素を推進するパリ協定(国連気候変動枠組み条約締約国会議)そのものの低迷化が予想されます。この状況を無視して突っ走ると、国益を損なうことにもなりかねないことから、バージョンⅣを改訂しました。
※ 温暖化には脅威論と懐疑論があります。ここでは世界の潮流である脅威論に基づき話を進めますが、懐疑論を否定するものではありません。また、温暖化と二酸化炭素の関係性についても様々な意見がありますが、立場上日本政府の方針に従い話を進めます。但し、『地球温暖化時代を生き抜く Ⅴ』でも述べましたが、世界の「脱炭素」へと向かう大きなうねりの背後には、世界的低成長から抜け出すために世界中の投資資金を「脱炭素」に集中させようとする欧米金融パワーの戦略が存在していることも忘れてはいけないと思います。いずれにしても、気候変動の未来は断定することは不可能で、神のみぞ知る世界かと思います。
※ 記事内の数値は全て、参考値として捉えていただければ幸いです。
<バックグラウンド 1>
温暖化が避けられない近代文明の原動力:テクノロジープッシュ


人類の宿命である「テクノロジープッシュ」の代表とも言えるAIの飛躍的な発展に伴うサーバーの増設と、気温上昇による世界のエアコン利用の拡大による今後長期にわたる電力消費量の増大は避けられないと思われる。
(世界のエアコンの需要は2050年には現在の3倍となり、二酸化炭素排出量が200億トン増加するとの試算もある)
COP1(1995年ベルリン)以来、世界は実に30年間に渡り必死に温暖化防止に取り組んできました。筆者も微力ながら40年にわたり業務として脱炭素に取り組んできましたが、コロナパンデミックで僅かに減少した時期を除き、世界の二酸化炭素排出量は現在も増加し続けております。
※COP:国連気候変動枠組条約締約国会議
<バックグラウンド 2>
排出量をゼロにしても、すぐに気温上昇は止まらないという予測

現在の温暖化はすでに蓄積された二酸化炭素により起きていると言われ、二酸化炭素は非常に安定した物質であるということ。
(大気中の二酸化炭素の半減期は120年説、500年説などがあるが、一度排出されると少なくとも100年以上は居座ると考えたほうがいいでしょう)
以上を前提とした上で、
脱炭素活動は、自国の経済と市民生活の足枷にならないよう、「適応」対策と並行し、長期戦も視野に入れた方がいいかもしれません。
今、国際社会が最優先で取り組むべきことは、あらゆる叡智を絞り現実に起きている人類最大の愚行である戦争を止め、再び起こらないようにする国際安全保障体制の確立ではないかと思います。
戦争はお互いのエネルギー施設(石油やガスタンク)の破壊・爆発・燃焼を伴い、さらに、戦争で破壊しつくされた町や都市の復興には莫大なセメント(セメント工業は世界の二酸化炭素排出量の8%を占める)を使用することになり、爪に火を点すような脱炭素活動の成果は一瞬のうちに消え去ることになります。
最後に:
混沌とした時代、人間が人間であることの原点に帰る必要性について。
数億年単位の地球の歴史を見ると、気候変動も戦争も今始まったことではない。生物絶滅に至る温暖化は何億年も前からあり、全球凍結という超寒冷化も起こっている。戦争に至っては、人類始まって以来、無数に勃発しており、殺戮と異文明の破壊は数えきれない。温暖化も戦争も、人類が築き上げてきた文明の表裏一体を成す自然の姿かもしれない。
だからこそ、悲観的な側面に捉われることなく、芸術、音楽、文学、スポーツ、友だちや仲間との交流など、人間が人間であることの所以を大切に、一瞬、一瞬を希望を持って生きて行くことが重要なのだと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
