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家が好きな私に図書館がくれたもの

今、思うと、
更年期とキャパオーバーだったのかな。

10年ほど前、パート先でストンと、倒れてしまい、そのまま起き上がれなくなった。
検査の日々の中、ただ寝ているしかなかった。
でも、原因がわからないまま、3か月が過ぎた頃、ひとりで近所を歩けるまでに回復した。

自宅から歩いて15分の距離に市立図書館がある。ゆっくり倍の時間をかけて歩き、図書館で、30分休む。のどがかわいたら、小腹が空いたら、カフェもある。そして、また、30分かけて帰る。

これができた時の喜びといったら!

平日のひるま、図書館は、とてもやさしい場所だった。
ヨロヨロたどり着いても、
ぼーっと座っていても、
ただ本棚の周りをうろうろしても、
だれも気にかけないふうに
そっとしておいてくれる。

座り心地のいい小さな椅子に座ってまわりの人をながめる。
大きなテーブルに新聞を広げて読みふける方は定年を迎えたのかな
いつもあの席に座って勉強している彼は浪人生かな
看護に関する本を山積みにしているあの方は現役かな、これからのためかな

勝手に、目に入るひとの人生を想像する。


ゆっくり本棚をまわりながら、わくわくする。
あ、10代のころ、読んだ本だ
初めて好きになった小説家さんだ
わーきれいな本
え、こんな雑誌あるんだ

結局、体が動かなくなった身体的原因はわからなくて、最終的に、心療内科のお世話になっていた。


天気と体調と相談しながら、
週に2回3回と
図書館に通う日が半年ほど続いた。
図書館に行くたびに、行けるたびに
私の中にチカラが湧く感覚が戻ってきた。

回復への日々、
医師や、友人、家族、いろんなありがたい支えがあった。
そして、実は、図書館がとても大きかった。

今も
天気がいい日は、吹き抜けのあの大きな窓からの陽の光を浴びに行きたいと思う。
新緑の季節には、図書館へ降るようなあの木々に会いたいと思う。
雨の日は、静かなあの角の席に座りたいと思う。

図書館は、家が好きな私の、恩人である。

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