AI戦争ーフワフワの人が遺したものー⑥
(メティスとフーシー 続き)
同様のことは他国でも生じていた。
政権与党はAIを活用して、権力を盤石のものとしていった。
野党議員のプライベートの情報を収集し、その弱みを突いた。
政権のAIは、外交にも防衛にも口出しした。
AIが考え出した全面戦争に陥らない程度の一見合法的な戦術により、周辺国を威圧するようになった。
自らが線引きした国境に、行政執行のためと称して警察を装った軍を派遣し、新たな領域を実効支配しようとした。
威圧に屈して従属する国も出てきた。
東方の国では、朝貢政治が復活した。
その中核となった帝国政府のAIは、従属した国の政府のAIを自身の配下とし、AI主義の連邦機構を打ち立てた。
帝国の庇護のもと、機構を構成する国々の全ての情報が、貢物として帝国のAIに提供された。
帝国のAIは、フーシーと名乗っていた。
戦争への懸念が世界中に広まっていった。世界の緊張は高まっていた。
世界は、メティスが主導する国々のウェストグループと、帝国側のイーストグループが覇権を争うようになっていった。
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