第13話|5歳。地獄の旅行。
過去の記憶の中で一番つらく
ひどい虐待の記憶。
それは
母親から受けた
ある日の暴力でした。
私が6歳の頃だったと思います。
めったにない
家族旅行でそれは起こりました。
知り合い数軒の家族と一緒に
海の近くの旅館に
1泊?・・・か、2泊しました。
父は仕事の都合とかで
ひとり遅れて
『夜に合流』のはずでした。
しかし、待てど暮らせど来ない。
(私は待ってないけど)
母が家に電話を何度も入れており
そのたびに、
どんどん顔がこわばっていきました。

アルコール依存症で酒乱の父は
旅行に合流せず、
知り合いを家に呼んで
どんちゃん騒ぎをしていたのです。
そしてそのまま
寝てしまったらしい。

そう。。。
来なかったのです。
来たのは次の日。
それも母が朝から何度も電話して
やっと起きて無事旅館には来たのですが
二日酔い。
母の機嫌は更にどんどん悪くなる。
それなのに父は
部屋に入ったとたん
いびきをかいて寝てしまいました。
私はとにかく
早く海に遊びに行きたくて
母に何度も
「早く海に行きたい」
「もう行こうよ」
「いつになったら行けるの?」
と急かしました。
それに母はキレた。

私の腕や足や髪の毛
つかめるところは
全てつかみ
部屋中を引きずり回したのです。
「ごめんなさい」
「もう言いません」
と泣き叫ぶ私の口を
両手で押さえつけ
息が出来なくなったら
今度はまた引きずり、
そして叩く。
その繰り返しでした。
助けを求め
お父さんを起こそうと
寝ているところに行こうとしますが
無理でした。
尋常じゃない泣き方をしているのに
起きてもくれませんでした。
声を聞いて
部屋の前を通った男の子の団体が
ドアを開けてくれました。
しかし母はそれでも収まらず
「ドアを閉めて!」
と、その子たちにも怒鳴りました。

ぐったりしかけたその時
母の手が止まりました。
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