時にはシネフィルな夜「虚空門GATE」
いやあ、またとんでもない映画を観ちまった。
本編の前に予告編を観て、森達也が言葉を寄せているのを発見して、それなりに覚悟をしていたつもりが、その予想をはるかに超えられちゃった。
冒頭からして不穏。
「月面の異星人遺体動画を発見した」「それが切欠だった」で始まる。そこから続く上映イベントの取材や自称UFO研究家や遭遇事件の体験者たちの主張。
訛りも交えて朴訥に淡々と語る者、冷めて距離を置く者、熱く語る者。
なるほど、その手の超常現象の検証ドキュメンタリーか、キワモノのフェイク系の映像作品かと身構えるも、何だか次第に様子がおかしくなる。
UFOを呼べると主張する研究家にフォーカスしようとしていたら、その人物と連絡が取れなくなる。
果たして何が起きた?
そこからの怒涛の展開。
オレは何を観せられている?
いろいろ頭での理解が追いついていかない。
個人的には、結局、一組のカップルの生き方における関係性に終着させるドキュメント作品としてオレは受け取りました。
それが一方的な保護欲に見えるか、共依存に見えるか、恋愛の一形態に見えるかは、観る人それぞれでしょう。
努めて社会的に見れば、片や前科者のインチキ野郎だしね。
ただ2時間以上、時間をかけて今作を観終わって、意外と怒りは湧いてこない。
それなりに一生懸命生きているカップルのその姿は楽しそうでもあり、充実しているようでもあり、決して気に入らないけれど、全面的に断罪したり否定することもできない。
聞くところによると、宇宙企画のアダルトビデオ系から出てきた監督さんらしい。
どうもエンドクレジットを見る限り、製作も撮影も監督と奥さんの二人三脚態勢でこなしているみたい。
なるほど。
取材対象に、自分たちの在り様も投影されているのかもね?
異星人や円盤の実在や現象の真相を期待しても何もないけれど、己の信じるものだけにしがみつく人間の生き様だけは見られるかもしれません。
積極的には誰にもススメられない映画だな。
https://eiga.com/movie/91713/
