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書店パトロール128 タランティーノと読書会

書店をウロウロする。目当ての本はある。
それだけ買うつもりだったが、やはり、なんとなく、他にも見てしまう。

まずは文学棚。

今年は中上健次の生誕80年だという。私は、生誕系が嫌いだ。没後系の方が好きだ。生誕は、なんかこう、曖昧でもやもやする。

中上健次。私は、青山真治が監督した中上健次のドキュメンタリー映画が観たいのだが、めっさ高い。2万円もする。Amazonで。配信も多分ないだろう。中上健次の小説で私が一番好きなのは『紅の滝』、もしくは『欣求』、なのだけれども、どちらもこう、読むのに体力がいる。いや、精神力かな。

で、次は源氏、レディムラサキ、紫式部、だけれども、レディ・ムラサキって『ハンニバル・ライジング』に出てこなかったっけ?何よりね、私の好きなコン・リーがレディ・ムラサキですから。もうね、吉高由里子さんもいいけれども、コン・リーですよ、やっぱりね。

で、その後に今年の6月に亡くなられた小田島雄志氏の自伝の新装版。

「このままでいいのか、いけないのか」、とは、『ハムレット』から。シェイクスピア全集をひとりで日本語にした人の半生、とは、この本の惹句だが、それはとんでもない偉業だ。読むのと、翻訳、では、偉い違いだ。その作業において、密度が50倍くらい違う。一文においての責任が、100倍は違う。つまり、それはもう、本1冊で、100万倍くらい、大変だということだ。

で、そんなことをブツブツ言っていると、これまた翻訳にまつわる本が。

『フランケンシュタインの怪物』といえば、メアリー・シェリーなわけで、もう、死ぬほどそれにまつわる映画も造られているし、ボリス・カーロフの『フランケンシュタイン』、『フランケンシュタインの花嫁』はマストとして、デル・トロも去年作ってたし、『ミツバチのささやき』を初めとして、様々な映画文化の起点となる、特異点だ。そんな『フランケンシュタインの怪物』を訳した人の話、から、明治という時代と社会、その翻訳文化に迫るのだという。難しそうな本だ。私は戦いた。これは私には難しそうだ。
逃げるように本を棚に差し戻し、そうして、目当ての本を選ぶために映画本コーナーへ行く、途中、読書会の本が。

これもまたねぇ、すごく難しい話をしてるんですよ。皆読書家ですからね。私なんか、これと較べたら漫画ばっかり読んでバカです。読書会、にはあんまり憧れないんですけれども、詩の朗読会、ポエトリー・リーディングとかは憧れますよ。なんかね、あれって、こう、映画とかにも出てくるじゃないですか。チャーリー・カウフマンの映画とかで。オシャンティな感じがしてね。

で、は!そうだ、映画映画……!と、おろろと、緋村剣心ばりに映画本コーナーに。で、そこで、今敏の本が。

今敏。生きていれば、今はもう還暦を超えているか。然し、少なくともあと4本は作品をものしていただろう。私は、こんなタイトルなので、『夢見る機械』の本かと思ったら、そういうわけでもなさそうだった。
今敏、ダーレン・アロノフスキーやクリストファー・ノーランにも影響を与えた天才。ああ、今敏、と、思いながら、うぉい!なんじゃこの本は!と、抜き出したるは『蝶々夫人』。

プッチーニのオペラ『蝶々夫人』。その論考だが、凄まじい太さだ。700ページくらいある。つまりは、『蝶々夫人』アルティマニアということで、鈍器のようでもある。然し高い本だ。8000円弱。8000円あれば、『FFⅦ リベレーションズ』が買えるのではないか?

『蝶々夫人』、と、言えば、私は、いつも『暗殺の森』を思い出す。あれも、『蝶々夫人』が作中で言及される妖しい、つーか完全に犯罪、のシーンがあるけれども、いやー、『暗殺の森』は美しい映画だなぁ、と、今日はやたらと映画のことばかり思い出す。

と、いうのは、これを買いに来たのだ、タランティーノ、その自伝的映画評論。

この、なんともストレートな、タランティーノの映画人生、の、本。

すなわち、タランティーノは、映画とともに生きて、まさに、映画の権化、な、わけだけれども、やはり、私、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が遺作なんて嫌だよ、と、思うわけだ。あの映画は人気があるが、私個人としてはタランティーノ作品でも最低の部類かなー、と思い、映画評論家の映画を作るというから楽しみにしていたのに、それは企画の段階で御蔵入りになって、今は演劇だかなんだかそっち方面に言っている。

然し、これは、おれの映画人生、とは、おそらくは、つまりは、これこそが彼が映画にしたかった映画評論家=おれ、武映画の後期の芸術三部作的な、そういう、自己言及が、ここでなされているのではないかと思い、大枚はたいて買ったわけですよ、あたしはね。

『イングロリアス・バスターズ』、『ジャンゴ・繋がれざる者』、『ヘイトフル・エイト』と、なんだか世相の評判と反比例するかのように、タランティーノの映画に乗れなくなった。面白い映画だ。全部。普通の映画よりも全然おもしろいし、凝っているし……。でも、なんだろう、タランティーノはやっぱり90年代の人で、00年代では『デス・プルーフ』を頂点に、後は落ちていった気がするんだよな。だからあたしは、ここで、この本で、タランティーノ心の変遷を識りたい!と、思い、購入、したわけだ。


この表紙もかっこいいぜ〜。やっぱりタランティーノは最高、それは揺るぎない。でも、正直、ここ7年映画作ってないし、そりゃあ10本で引退とか言ってましたけれども、もっと撮って欲しいですね。

ちなみに私のタランティーノの好きな順です(脚本・監督作に限る)

1位 パルプ・フィクション
2位 レザボア・ドッグス
3位 ジャッキー・ブラウン
4位 デス・プルーフ
5位 キル・ビルvol.2
6位 キル・ビルvol.1
7位 ジャンゴ・繋がれざる者
8位 ヘイトフル・エイト
9位 イングロリアス・バスターズ
10位 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド








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