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cocorono_iro
せっかちだと思っていたけれど
母と買い物中、喉が渇いたし休憩しようかとカフェに入った。 店に入る前、母は「私はそんなに喉乾いてない」なんて、お淑やかに言っていた。
お店はガラガラで、オーダーしてからすぐにオレンジジュースが運ばれてきた。 私はストローの袋をピッと破き、笑いながら母に話を振っていた、その時。
「ズゴーーーーーーーーー!!!!!カラン」
静かな店内に、もの凄い音が響き渡った。 何事かと慌てて母のグラスに目をやると、綺麗さっぱり、オレンジ色が消えていた。さっきまでそこにあったはずの液体が、一滴残らず無くなっているのだ。
入店してから、まだ五分。運ばれてきてからは、間違いなく三十秒も経っていない。 「喉が渇いてない」と言ったのは、一体どの口だ。こっちは、まだストローを突き刺してすらいないというのに。我が母ながら、もはやマジックの領域である。
そういえば前にも、外出先で一緒にアイスを食べた時、恐ろしいスピードで完食して「頭が痛い」「寒い」とガタガタ震えていたことがあった。あの時は体調を心配したが、どうやら違ったらしい。
母は私の知らないところで、私には見えない何かと戦っている。 最近はそう思い始めている。
