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parosptheend
ぺろりと平らげる
縁日の屋台みたいな、イカを焼いた匂いがする。と
鼻をくんくんさせた姉妹がキッチンへやってきた。
縁日の準備はしていない。
「 まさか夕飯イカなの?」そもそもイカ嫌いな長女と、「イカ丸ごとかな♡」イカになりたいくらいイカ好きの次女は、匂いの元は何なのって、そわそわ。
ならば己の眼でしかと視るがよい。落しフタを取り
甘辛い煮汁に浸かる湯通しされたブリのあらを!
「お、あら煮か 」
落胆しない怒らない二人の納得した顔を拝む。食べ物の好みは真逆の姉妹が揃ってブリのあら煮は好物という謎と再び向き合う。忘れた頃に登場しても、姉妹を黙らせる不動の人気を得ている。
面倒な骨を文句も言わずに掻き分け丁寧に身を拾い黙々と食べ続ける。器用に小骨を摘み出す。次第にゼラチンでテカテカになる口元や指先。その姿に、亡き兄の面影が見事に重なる。
縁日じゃなくて叔父ちゃんの命日。
あなたの大好物を姪っ子たちがぺろりと平らげる。
ごちそうさま。
身よりはるかに多い骨を集めビニール袋に入れる。
袋から突き出た骨が手のひらに刺さった。痛てぇ
兄の命日にて
