若手が「小さいこと」で悩んで、動けなくなっている
先日、ある高級商材を扱う店舗スタッフ向けに接遇研修をしました。
2時間の短い研修で質問の時間が取れなかったので、後日アンケートで質問を集めることにしたんです。
そうしたら返ってきた質問を見て、正直かなり驚きました。
みんな、こんなに小さなことで悩んで、動けなくなっているのか、と。
皆さんの職場の若手も、実は言い出せない小さな悩みを抱えているかもしれません。
■ 名刺を渡せないまま、1年が過ぎる
印象的だった質問があります。
「お客様に名刺を渡すタイミングがわかりません」というものでした。
接客業の人は、一般的なビジネスパーソンのように初対面で名刺交換をするわけではありません。
でも会社から名刺を持たされている。
自分を覚えてもらいたいから渡したいが、渡すタイミングがわからない。
「渡したい、でも渡せない」そう思っているうちに、1年が過ぎてしまった、という声もありました。
たったこれだけのことで、1年も動けずにいる。
これは本人の問題というより、気軽に聞ける環境がなかったことの表れだと感じました。
■ 電話対応の「てにをは」に、深く悩む
もう一つ驚いた質問があります。
電話対応のフレーズについてです。
テキストには「こちらからお電話差し上げるようにいたしましょうか」というオーソドックスな返しが載っていました。
それに対して「これはいけないのではないか」という質問が来たんです。
「電話してやってもいいよ」 みたいに聞こえて失礼なのではないか。
「差し上げるようにいたします」と言い切るべきではないか?
という内容でした。
そこまで深く考えているのか、と衝撃を受けました。
正直、どちらでもいいと私は思うのですが、本人にとっては真剣な悩みなのです。
■ なぜ、小さなことで動けなくなるのか
なぜ若手はこんなに小さなことで悩んで動けなくなるのか。理由は2つあると考えています。
①聞ける上司がいない
考えてはいるけれど、聞ける相手がいない。
「こんな質問をしたら変な人と思われるかな」「波風を立てるかな」と考えて、質問できずにいます。
②調べて、内にこもる
今の若い世代は、わからないことをAIやGoogleで調べます。
外に発信せず、うちにこもって、結局何も変わらないまま止まってしまう。
Googleのプロジェクト・アリストテレスが示す通り、心理的安全性が低い場では質問という行動が生まれにくいのです。
■ 「やってみればいい」が、できない
同年代のお客様が来た時に、少しフランクに話した方が距離が縮まるのではないか。
でも周りはみんな丁寧な言葉で話している。
どうしよう、と悩んで、結局いつも通りの対応しかできない。
こういう質問もありました。
「やってみればいいじゃない」と思うのですが、それができない。
考えて、考えて、結局動けない。この状態から抜け出すために必要なのは、正解を教えることではなく、「小さなことでも聞いていいんだよ」「試してみていいんだよ」という空気を作ることだと思っています。
上司や先輩が、その空気を作れるかどうか。若手が動けるかどうかは、そこにかかっています。さらに、「それはどんな意図があるのか?意図を持ってやってみたら、感想を聞かせてほしい」と一言添えられたらバッチリです。 本人が思いを行動に変える後押しをすること。さらに、どんな結果でも、必ず学びに帰させる関わりが重要だからです。
あなたの職場は、小さなことを聞ける空気がありますか?^^
顧客満足度向上トレーナー 秋山美帆子(IQLEAD)
JAL国際線CA出身。自己重要感とホスピタリティを軸に、企業研修・講演を行っています。
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