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職場見学は、会社を見るためのものではない

若者支援の仕事をしていると、職場見学へ同行することがよくある。

初めて見学へ行く若者は、とても緊張している。

「見学したら応募しないといけないんですか?」

そんな質問を受けることも少なくない。

だから私は最初にこう伝える。

「とりあえず社会科見学やと思って。一緒に見に行くだけやから。」

すると少し表情が和らぐ。

私にとって職場見学は、就職活動というより、まずは「知ること」から始める機会だと思っている。

一社目の見学を終えた若者は、

「思っていたより静かでした。」
「意外と楽しそうでした。」

そんな感想を話してくれる。

ところが、二社目、三社目と見学を重ねると、少しずつ言葉が変わる。

「前の会社より雰囲気が好きです。」
「私は人と話す仕事の方が向いているかもしれません。」

会社を比べ始めるのである。

でも、本当に比べているのは会社ではない。

自分だ。

人は比較することで、自分の価値観に気づいていく。

一社しか知らなければ、「会社とはこういうものなんだ」と思ってしまう。

でも、いくつかの会社を知ることで、

「私はこういう職場が好きなんだ。」

という自分自身が見えてくる。

だから私は思う。

職場見学は、会社を見るためのものではない。

自分を知るためのものなのだ。

若者支援とは、就職先を決める仕事ではない。

その人が、自分で選べるようになるまで、一緒に世界を広げていく仕事なのかもしれない。

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