ふじこ社長~日本株~260622
退院明けの月曜日。
病院の白い壁から解放され、久しぶりに見る日常の景色は、いつもより少しだけ鮮やかに見えた。
とはいえ、世の中は私の退院を待ってくれていたわけではない。
月曜日の東京市場は、いつものように淡々と開き、そして日経平均は最高値を更新した。
景気の良いニュースというものは、不思議なものである。 自分が直接何かを成し遂げたわけではないのに、少しだけ背中を押してもらったような気持ちになる。
「おかえりなさい」と、株式市場に言われているような気分……と言ったら、少々都合が良すぎるだろうか。
私は先週から、こっそり仕込んでいた子たちの様子を確認する。
アドバンテスト。 三菱重工業。 ゆうちょ銀行。 トヨタ自動車。 アシックス。 三菱UFJフィナンシャル・グループ。 オリックス。
画面の中に並ぶ赤い数字たち。
大金持ちになるような派手な利益ではない。 でも、この「ちょろり」がいい。
高級ランチを誰かにご馳走してもらえるくらいの金額。 ちょっと良いお寿司を食べても、お釣りがくるくらいの金額。
人生というものは、案外こういう小さな喜びの積み重ねでできている。
病院帰りの体で、まだ少し慎重に歩く月曜日。 そんな日に、自分の代わりに働いてくれていた株たちから、小さなプレゼントをもらった。
「ありがとう」と画面に向かってつぶやく。
もちろん、誰にも言わない。
株でいくら儲かったかなんて、財布の中身を見せるくらい言いにくい話だから。
でも心の中では、少しだけ自慢している。
退院祝いに、ケーキではなく利益確定。
私らしい月曜日の始まりである。❤


