Google・Apple・Amazonより儲かってる会社、知ってます??──あなたのスマホの"記憶"を作る5社の話
「Google」「Apple」「Amazon」「Meta(Facebook)」「Microsoft」
この5社、みんな知ってますよね??
世界で最も利益を稼ぐビックテック企業群として有名です。でも今、この5社より利益が伸びている業界があるんです。
それが「メモリー半導体」。
スマホやPCの"記憶"を担う部品を作っている会社たちです。私も関わっている、この半導体の企業たち。今日はこの話を、やさしく整理します。

第1章|そもそもメモリー半導体って?

スマホで写真を撮ったら、電源を切ってもスマホ内部に消えずに残りますよね。これを担っているのが「NAND(ナンド)」という種類のメモリー半導体。
いわば、スマホの中にある「本棚」。データを長期保存してくれます。
一方、AIに質問したとき、すぐに答えが返ってくる。あの瞬発力を支えているのが「DRAM(ディーラム)」というメモリーです。
こちらは「作業机」。今まさに使うデータを広げて、高速で処理する場所です。

つまりメモリー半導体とは、スマホやAIの「記憶力」そのもの。
そしてこのメモリーを作れる会社は、世界にたった5社が寡占しています。

韓国のサムスン電子、SKハイニックス、アメリカのマイクロン。この3社がDRAMとNANDの両方を手がけています。
そしてNAND専業で、日本のキオクシアと、アメリカのサンディスク。
この5社が、世界中のスマホ・PC・AIの"記憶"を支えています。

AI時代に特に注目されているのが、DRAMを何層にも積み重ねた「HBM(High Bandwidth Memory)」という超高速メモリーです。AIが大量のデータを一瞬で処理するために必要な、いわば「超大型の作業机」。
エヌビディアのGPU(AIの計算を担うチップ)が「頭脳」だとすれば、HBMは「頭脳が使う超高速メモ帳」のようなもの。
この両方がなければ、AIは性能を発揮できないんです!
第2章|利益が前年比6倍、合計63兆円に
この5社の合計利益が、今期はなんと63兆円になる見通しです!!前の期は11兆円だったので、約6倍。とんでもない伸びと額ですよね!

何が起きたのか。
今世界中でAI向けのデータセンターが猛烈なスピードで建設されています。
マイクロソフト、Google、Amazon、Meta。
これらの企業がAIの性能を上げるために、巨額の投資をデータセンターに投下しています。AIが「賢く」なるほど、学習データの蓄積(NAND)も、処理スピード(DRAM / HBM)も、桁違いに必要になる。
つまり需要が供給を大幅に上回っているんです!だからメモリーの価格が上がり、メーカーの利益が爆発しているという構造。
サムスン電子の半導体部門は、1〜3月期の営業利益が前年同期比49倍。1社の利益だけで、Googleの親会社アルファベットを超える勢いです!!

5社の時価総額も今年だけで約350兆円増えました。これ、東証プライム全体の時価総額増加(約160兆円)を大きく超えています。もはやデカすぎて想像すらつかないw GAFAMの時価総額増加(約210兆円)すら超えている!!

AIブームの主役といえばエヌビディア(GPUを作る会社)が有名ですが、実は「記憶」を作る会社たちも、同じくらい──いやそれ以上に利益を出しているんです!
第3章|日本にも1社ある──キオクシア
「メモリーの大手5社」と聞くと、韓国やアメリカの会社ばかりに見えるかもしれません。でも、日本にも1社います。
キオクシア。

もともとは東芝の半導体メモリー部門で、2018年に分社化され、2024年に東証に上場しました。NANDで世界シェア3位!
工場は三重県四日市と岩手県北上(きたかみ)。どちらも日本のものづくりの底力を支える拠点です。

先日4兆円の利益を叩き出し、トヨタを超えた!という記事を発信しましたのでこちらも是非!👇
日本の半導体メーカーが次々と元気をなくしていった中で、キオクシアはずっと世界と戦い続けてきた存在です!

第4章|スマホの値段に関係ある話です
「メモリー企業が儲かってるのはわかった。でも自分には関係ない話でしょ?」その疑問、ごもっともです。
ですが、関係あります!
スマホやPCの中で、メモリーは原価の大きな割合を占めています。メモリーの需要が供給を上回ると、部品の価格が上がる!部品が上がれば、最終的にスマホやPCの値段にも跳ね返ります。
特にAI機能を搭載した最新のスマホやPCは、従来よりも多くのメモリーを必要とします。
AI時代は、「記憶」の価値がどんどん上がっていく。
それはそのまま、あなたが次に買うスマホの値段に影響するということなんです!

逆に言えば、キオクシアやマイクロンの広島工場が日本で頑張って生産してくれることは、雇用の創出、地域経済の活性化、関連産業への波及効果など、日本経済にとっても大きな意味があります。
メモリーの需給バランスは、あなたのスマホの値段、そして生活へと直結している。
ここだけ覚えておいてください!!
第5章|こーへいの視点──現場で感じる「メモリー需要は本物」
ここからは、私の現場での実感をお伝えします。
私は半導体材料業界に10年以上携わり、営業としては3年のキャリアです。
キオクシアは、日本の半導体材料メーカーにとって非常に重要なお客様の一社です!日本の半導体メーカーが次々と縮小していく中で、キオクシアはずっと主要なお客様として頑張り続けてくれている。その存在感は現場にいると本当に大きい。
今、広島のマイクロン、三重のキオクシアといった日本の拠点が、世界のメモリー供給を支えている姿を間近で見ています。どちらもフル生産で非常に活気づいています。業績が好調なのを肌で感じているんです!
でも正直に言います。
つい2〜3年前まで、ここまでAIでメモリーの需要が爆発するとは全く想像できませんでした。
もちろん「AIによって需要は伸びるだろう」とは言われていました。
でも、メモリー企業の利益がGoogleやAppleに迫るレベルまで上がるなんて。
つい最近まで苦しんでいたのが嘘のような変容です。
当時は本当に、全く想像できませんでした。
半導体業界には「シリコンサイクル」と呼ばれる好不況の波があります。数年おきに需要と供給のバランスが崩れて、好況と不況を繰り返す。
このサイクルを何度も経験してきた立場からすると、今回のAI需要が「過去のブームの繰り返し」なのか、「構造的に質が違う変化」なのかは、正直まだ見極めている最中です。
ただ、一つ確実に言えることがあります。
足りていないのは、メモリーだけではない!
ロジック(演算を担う半導体)も、先端AI向けは圧倒的に不足しています。メモリーもロジックも、先端AI向け半導体が圧倒的に足りていない。

だからこそ、熊本のTSMC(台湾の世界最強の半導体製造メーカー)第2工場でも、当初の計画を変更して、AI向けの3nm(ナノメートル)という最先端の半導体を作るという決定に至ったのだと理解しています。そちらについての記事はこちら👇
日本の半導体エコシステムを俯瞰すると、面白い構図が見えてきます。
熊本のTSMC=「演算」の拠点。
キオクシアの四日市・北上、マイクロンの広島=「記憶」の拠点。
日本は今、AIに必要な2つの柱──「計算する力」と「覚える力」──の両方に製造拠点を持っている。

これは世界的に見ても、非常に恵まれたポジションなんです。
2〜3年前には想像もできなかった景色が、今の日本には広がっています。私が熊本にいる理由も、ここにあります。
ここからが、本当に面白くなる!!

私はそう思っています。
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