あなたの子が18歳になる頃、「半導体を英語で学ぶ」が当たり前になる!?
人口減少、その一方で爆発的なAI普及により、半導体の人材は今、世界で取り合いになっています!
だから「社会人になる前」の囲い込みが、もう始まりました。
「とにかく人が足りない!」。広島で働く知人の口ぶりが、ここ最近あきらかに変わってきました!
半導体材料に10年以上携わり、営業として3年、現場で人の奪い合いを見てきた立場から、今日はこの話をします。
最初に結論だけ言います。
2026年8月、広島の国立大学のキャンパスに、アメリカの大学がまるごと入ってきます。
半導体を、4年間ぜんぶ英語で学べる学部です。
これは「地方の大学にアメリカの大学が来た」というローカルな話ではありません。 世界で奪い合いになっている半導体の人材を、社会に出る前の「学生のうち」から育てて囲い込む。その最前線が、広島で動き出したという話です。
この記事を読むとわかること

第1章|世界で「150万人」足りない
まず、どれくらい人が足りないのか。数字で話します。
半導体の国際団体SEMIは、2030年までに世界全体で約150万人の新しい働き手が追加で必要になると見ています。150万人!?とんでもない規模ですよね!

日本だけを見ても深刻です。電子情報技術産業協会(JEITA)は、主要な9社だけで、今後10年で約4万人の人材が新たに要ると試算しています。
しかもこの数字には、熊本に来た世界最大の半導体メーカー、TSMC(台湾積体電路製造、台湾の世界最強の製造会社のこと)や、北海道のラピダスは入っていません。実際にはまったく足りていません。
なぜこんなに足りないのか??
それは、人材が長く減り続けてきたからです。
半導体をつくる仕事に就いている人は、1999年に約15万人いました。
それが2023年には約6万人まで減少。
20年あまりで半分以下です!
工場は次々に建っています。お金も国から出ています。でも、それを動かす人がいない。
半導体の復活で一番のボトルネックは、装置でもお金でもなく、人です。これは現場にいると痛いほど分かります。
第2章|「大学に外国の大学が来た」だけじゃない
ここで冒頭のニュースに戻ります。
2026年8月、広島大学のキャンパスの中に「アイダホ大学広島キャンパス」が開きます。アイダホ大学とは、アメリカの研究大学のなかでも最高ランク(カーネギーR1)に格付けされた名門。
ニュースだけ見ると、「ふーん、地方の大学に外国の大学が来たんだ」で終わってしまいます。でも、中身を知ると見え方が変わります。

この学部、かなり本気です。
授業は4年間ぜんぶ英語。前半2年を広島で、後半2年をアメリカのアイダホ本校で学びます。 卒業するとアメリカの大学の学士号(電気工学)がもらえます。 そして授業料は、年に約170万円。これはアイダホ州の地元の学生と同じ金額です。
外国の大学の日本校で、全員の授業料を下げるのは国内で初めてです。 学べる人数は、将来的に1学年で最大100人を目指します。
本気度は、過去の例と比べると分かります。
実は広島大学には、先にアメリカのアリゾナ州立大学のプログラムも来ていました。
でもこちらは授業料が年に約520万円と高く、入った学生は累計で8人どまり。いまはほぼ動いていません。 同じ「外国大学の誘致」でも、お金のハードルを思い切り下げて、テーマを「半導体」に絞った今回は、まるで設計思想が違います。
第3章|囲い込みは「入学前」まで前倒しされた
そして今、新しい流れが来ています。
これまで人材の奪い合いといえば、「すでに働いている人」を会社同士で取り合うものでした。
でも今回は違います。
大学に入る前、つまり「これから育つ人」を、産業のある場所で直接育てて、最初から囲い込む。
育成のスタート地点が、社会人の手前まで一気に前倒しされたのです!

なぜそこまでするのか?
半導体人材は、すぐには育たないからです。
一人前になるまで何年もかかる。だから「足りなくなってから探す」では間に合わない。「足りなくなる前に、自分たちで育てて確保する」しかない。 この発想の転換が、今回の広島の動きの本質です。
そして、ここに一社のメモリメーカーがいます。
アメリカのマイクロン・テクノロジーです。
スマホやパソコンに入っている記憶用の半導体(メモリ)をつくる世界大手で、アイダホ州に本社があり、東広島市にも主要な工場を持っています。
広島になんと約5千億円を投じて新たな設備投資を絶賛実施中です!
アイダホと広島。マイクロンの2つの拠点を、大学が橋渡しする形になっている。学んだ人が、そのまま地域の産業に流れ込む設計です。
ちなみに、工学分野でアメリカの大学が日本校をつくるのは国内で初めて。全員の授業料を下げるのも国内初。
「初めて」が二つ重なる、それくらい新しい動きです。
第4章|現場から見えていること

この「人の奪い合い」、ニュースで読むのと現場で感じるのは、まるで違います。!
私がいる熊本では、TSMCが来てから本当に争奪戦になりました。
引き抜き合いで給料がどんどん上がる。それでも人が足りず、人手が回らずに店じまいをした飲食店もあります。
半導体とは関係なさそうなお店まで、人手不足の波をかぶっている!?
そのなかでTSMCは、ほかとは桁違いの待遇と報酬で人を集めていきます。次元が違う、というのが現場の実感です。
広島も同じ、いや、もっと難しいかもしれません。
広島のマイクロンの工場は、ただモノをつくるだけの場所ではなく、研究開発もやっています。
つまり、より高度で専門的な人が要る。なのに、その人が足りない。「研究開発をやれる人がとにかく足りない」という知人の声は、そのまま広島の現実です。
高度な人ほど、世界中で取り合っている!
日本国内だけで探していたら、もう追いつかない。
だからこそ「英語で、世界水準で、半導体を学んだ人」を最初から育てにいく。今回の話は、その答えの一つなのだと思います。
これまでは「足りた人を取り合う」競争でした。
今回は「足りる前に育てて囲う」競争です。
ステージが、一段上がったんです!
第5章|これは、あなたの「選択肢」の話
ここまで業界の話をしてきましたが、これ、遠い話ではありません。
まず値段の話。人が足りないと、工場がフルに回りません。つくれる量が増えなければ、スマホもパソコンも、AIのサービスも、コストは下がりにくくなります。
人材不足は、めぐりめぐって私たちの財布にも効いてくるのです。
でも、今日いちばん伝えたいのはここです。
これは、あなた自身や、お子さんの「選択肢」が増えるという話。
半導体材料の現場に10年以上いて、私が思うのはこういうことです。

半導体の業界に、ずっといる必要はない。
入れ替わりが激しく、変化の大きい世界的な産業で、英語を使って働いた経験は、どこに行っても通用する武器に絶対なる。
その経験を念頭に置いて、大学のうちから逆算して学べたら、スタート地点で大きなアドバンテージになる!
業界に骨を埋めるかどうかは、関係ありません。
「英語 × 半導体 × グローバルな現場経験」。
この掛け算は、たとえ途中で別の道に進んでも、一生モノの力になります。 そんな選択肢が、東京でも海外でもなく、半導体産業がある地方から生まれ始めている。
これは、子を持つ人にとっても、自分のキャリアを考える人にとっても、見逃せない変化だと私は思います。
第6章|ここだけ分かればOK
ただ、「だから全員が半導体を学べ」と言いたいわけではありません。
焦って何かを始める必要はありません。大事なのは、世界がどう動いているかを知ったうえで、自分やお子さんの進路を考えられることです。
今日、ここだけ分かればOKです。

半導体の人材は、世界で奪い合いになっている。だから「英語 × 半導体 × グローバル経験」は、業界に骨を埋めなくても一生モノの武器になる。そして、その入口になる選択肢が、地方から生まれ始めている。
これだけ頭の片隅にあれば、これからのニュースの見え方が変わります。
知っていれば、選べます。知らなければ、選択肢があったことにすら気づけません。
地方から世界とつながる入口が、また一つ増えました。私はこの流れを、心から面白いと思っています。
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