🌱 スラックラインを未来へつなぐために 〜ジェンダー平等と選手の尊厳を守るための要望書〜
※2025年9月5日現在
ホームページでの謝罪文の掲載はありましたが、要望書についての回答は引き続き待っている状態です。
2025年のスラックラインプロリーグ、そしてその先に開催されるワールドカップに関して、大きな疑問と失望の声が寄せられています。
とくに、女子選手がほぼ蚊帳の外に置かれた選考プロセスや、発言の一部に感じられたジェンダーへの偏見は、スラックラインというスポーツの未来にかかわる重要な問題です。
この件についてはいまだに、公式な場での説明や謝罪はありません。
また、指摘されるたびに「女子選手の競技人口が少ない」「レベルが見劣りする」「今後女子選手を増やしていくべき」という説明が繰り返され、そもそも何が問題なのかが理解されていないように感じています。
私たちが求めているのは、女子選手を「ついで」や「盛り上げ要員」として扱うことではなく、最初から同じ目線で存在を認め、扱ってほしいということです。
そして、選手が安心して競技に向き合える安全対策や、選手への敬意ある運営姿勢も、同じくらい大切な課題です。
▶︎最初に声を上げた際の記事です。
✉️ 要望書の提出に向けて
今回の問題に対して、24時間のストーリーズでの募集にもかかわらず、30人以上の関係者から声が集まりました。
これは、歴史の浅いスラックライン界では異例の反応です。
声を上げることすら難しいと言われてきたこの業界で、これだけ多くの人が共鳴したという事実は、決して見過ごすべきではないと思います。
このNoteでは、集まった意見を踏まえて作成した【要望書】を公開します。
スラックラインという素晴らしいスポーツが、誰にとっても「やってよかった」と思える場所であり続けられるように。
アンケートにご協力してくださった皆さん。貴重なご意見ありがとうございました。
スラックラインワールドカップ開催に伴う
男女の選考および発言内容に関する説明要求と要望書
【はじめに】
2025年度スラックラインワールドカップに関わる一連の運営対応および代表選考について、選手、保護者、関係者、観客、配信視聴者より多数の懸念が寄せられています。
特に「ジェンダー平等」に関して、現在の対応は極めて不十分であり、選手の尊厳を守る観点からも看過できません。
本書では、以下の2点を目的に要望を提出します。
【目的】
1. 不適切な対応および発言に関する正式な謝罪と説明の要請
2. 今後の制度的改善の具体的な提示と実行
【1】謝罪と説明を求める理由
ワールドカップ出場選考について、女子が「1名のみ」と代表選手が決定し発表されるまで選考基準は公表されておらず、女子選手たちは「出場できる」と信じて予選に臨んでいました。
日本代表発表の際、MC兼大会チェアマンから以下のような発言がありました:
「男子代表選手以上と言いたいところなんですけども…スラックラインはまだニュースポーツで…女子も1人出します!」
さらに大会後、直接運営側に確認したところ:
「もともと男子しか出すつもりはなかった。でも女子も出した方が盛り上がると思った」
「嫌なら出なくていい」
という旨の発言がありました。これは、女子選手の存在そのものを軽視する発言であり、運営として極めて不適切であると考えます。
【2】補足メールでの釈明とその問題点
第3戦の選手にのみ送られたメールにて、以下のような内容が記載されていました:
「日本人枠は5名、男子4名女子1名と決定」
「選手層や競技レベルから判断」
「ジェンダー平等は今後の課題として取り組む」
しかしこれは、「平等ではなかった」ことを認める一方で、根本的な謝罪や責任の所在明示を行っておらず、また女子選手が「そもそも選考対象外だった」事実を正当化しているようにも受け取れます。
【3】海外女子選手の選出についての不透明さ
海外男子選手は運営からの直接招待で選出されたにもかかわらず、海外女子選手には一切声がかかっていないようです。
世界大会として開催する以上、海外女子選手に出場機会がないのは不自然かつ差別的です。
【4】よくある言い訳への反論
「女子の競技人口が少ないから」
「経済的な事情があるから」
「レベルの差があり見劣る」
といった理由が繰り返されていますが、問題の本質は「平等に向き合う姿勢が欠如していたこと」です。
女子選手の数が少なくとも、初めから男子だけで構成することを前提にした運営、しかもそれを公に説明しなかったこと自体が「差別的構造」と言わざるを得ません。
【5】要望事項
A. 公的な謝罪と経緯説明の発信
MC兼大会チェアマンによる発言、運営側の発言に対する公式HPまたはSNS上での正式な謝罪と経緯の説明。
下記10項目の質問に対し、文書にて公式にご回答ください。
※質問はすべて、当事者や関係者の証言・記録に基づいています。
1.なぜそもそも男子だけにしたかったのか
2.男子だけということを事前に発表しなかったのはなぜか
3.男子しかやらないのなら、なぜ女子も予選を実施したのか?
男女別開催のように見える大会の仕組みであり、実際に多くの女子選手がワールドカップ出場を目指して参加していた。
4.出場枠を事前に発表しなかった理由は?
選手の問い合わせにも回答していない事実があります。
5.出場枠(男子4・女子1)はいつ、誰が、どのように決定したのか?
6.その決定の場には誰が参加していたのか?反対意見は出なかったのか?
7.日本代表発表時「女子も出させます」と述べた意図と感情は何だったのか?
8.「盛り上がると思った」とは誰にとって盛り上がるという意味だったのか?今でもそう思いますか?
9.男子の大会に女子1人だけが出場する形にするなら、そもそも海外の女子選手は招待する予定はなかったのか?
10.世界大会を名乗りながら、今の時代の価値観(ジェンダー平等)から明らかに逸脱しているという意識はなかったのか?
※ドイツのワールドカップでは、男女の人数に差があっても「男女別」で試合が開催され、賞金も同額です。
B. 海外女子選手の招待に関する説明
海外選手の選考・招待基準と、女子に声がかからなかった理由の明示。
C. 今後の制度改善
男女別に出場枠を設けること、およびその選考基準の事前提示。
外部のジェンダー専門機関との連携による職員研修と制度設計。
D. 大会前の説明責任の実施
ワールドカップ前に、選手・保護者・関係者に向けた説明会を開催し、質疑応答を設けること。
【結び】
私たちは「女子枠が1名だったこと」自体を単独で問題視しているのではありません。
この問題は単なる「人数の不公平」ではなく、女子選手の存在が戦略的に排除され、演出として利用された構造的なジェンダー差別の問題です。
このまま大会が進行すれば、世界に対して日本のスラックライン界が時代錯誤であると誤解される危険性もあります。
私たちは対立を望んでいるのではありません。
未来のスラックライン界にとって必要な対話と改善を求めているのです。
いまこのタイミングで、話の本質を理解し、誠実な対応を取らなければ、競技の信頼性・持続可能性は大きく揺らぎます。
公平な競技運営と未来あるスラックライン界のため、誠意ある対応を強く求めます。
本要望書は、アンケートに協力してくださった有志の皆様の声を受け、福田恭巳が取りまとめたものです。
敬具
