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まだ見つからない



少し前から、ニュースやSNSで「東横界隈」という言葉をよく見る。
若者が路上に集まって、夜を過ごしているらしい。

「最近の若者は……」なんて言う人もいるけど、
私たちの頃にもいた。
SNSがなかったから、見えていなかっただけ。

家庭や学校に居場所がない子どもは、昔からいる。
私も、その一人だった。

13歳。
私は児童自立支援施設に入っていた。
面会の日、母は一冊の本を差し出した。

『不良品』

「これあんたやから読んでみ。」

結局、その本は1ページも読まれないまま、どこかへいってしまった。

あの日、私が渡されたのは一冊の本じゃない。

「お前は不良品だ」

そんなラベルだった。

母に不名誉なレッテルを貼られたことが悲しかった。
でも、自分が産み出したものに不良品というレッテルを貼り、それを捨てられない母も滑稽で。

悲しくなるのも悔しいし私は笑った。

だから、もし私がお話を書くなら
誰かを悲しくさせるようなタイトルにはしたくない。

まだそのタイトルは見つかってないけど。

誰かにラベルを貼るためじゃなく、
誰かが自分のラベルを少しでも外せるような物であれば良いな。

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