戯曲を解剖する【第39回】感情の設計『心の揺れ』『トリガー』|台本読解・キャラクター設計・演技プランニング実践編
前回、光子の「心の動き」①〜⑤を見つけた。
今回は——それぞれが何なのかを見極める。
「感情ビス」なのか。
「小ビス」なのか。
「キャラクター属性上の心の動き」なのか。
その前に「小ビス」と「トリガー」について整理しておきたい。
✅トリガーとは何か
「感情ビス」はキャラクターの心が大きく動く点だ。
ではその心が動いた原因はどこにあるか。
直前に言われた台詞。
直前に取られた行動。
このように、
直前の台詞や行動に脊髄反射で反応することがあるだろう。
しかし「感情ビス」のような「心の動き」
の原因はしっかりと探して欲しい。
☑感情を動かす最初の原因を「トリガー」と呼ぶ。
トリガーは自分の行動からではなく
相手の行動から生まれることが多い。
✅小ビスとは何か
「トリガー(原因)」
から
「感情ビス」までには距離がある。
その間には小さな「心の揺れ(過程)」がいくつもある。
☑この小さな揺れを「小ビス」と呼ぶ。
流れはこうだ。
⚡ トリガー(すべての原因・最初の引き金)
↓
📌 小ビス①(小さな心の揺れ)
↓
📌 小ビス②(さらに揺れる)
↓
📌 小ビス③(もう限界だ……)
↓
🌋 感情ビス(心が大きく動く・決壊)
「感情ビス」は突然訪れるものではない。
「トリガー」があり、「小ビス」が積み重なり、
その先に「感情ビス」がある。
✅なぜ分解するのか
理由は二つだ。
① 感情を「再現可能な技術」にするため
「トリガー」があり、
「小ビス」があり、
「感情ビス」がある
この構造があれば、毎回同じ場所で同じように心を動かせる。
② ここに「俳優の色」が一番出るから
相手の行動によって、
キャラクターの感情をどう表現するか
シュミレーションできる。
ここが俳優の色が最も出る作業になる。
ただし、自分がプランした通りに共演者が演技するとは限らない。
「感情ビス」「トリガー」「小ビス」
の修正は稽古場で必ず行われると言っていい。
それでも、設計しておくことが大事だ。
✅見極めるときの基準
☑物語のゴールに対して、
キャラクターの行動がドラマティックな要素になっているか
この基準はどんな時も忘れてはいけない。
そして
☑「感情ビス」
と
☑「キャラクター属性からの心の動き」
では、物語への影響がまるで違う。
☑『キャラクター属性からの心の動き』
観客はキャラクターの関係性の中で自然に処理できる。
反射的な反応でも受け取りやすい。
☑『感情ビス』
物語をドラマティックにしたいときは『感情ビス』として
「心の動き」を設定する。
そして
⚡「トリガー」
🔽
📌「小ビス(心の揺れ)」
🔽
🌋 「感情ビス」
このプロセスを踏まないと、
観客がドラマティックな展開についてこれなくなる。
では、実際に
「うどんの喉越しをとやかく言う前に餅を焼け」
光子の「心の動き」を見て行こう
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台本読解・キャラクター設計・演技プランニング実践編
短編vol.7「うどんの喉越しをとやかく言う前に餅を焼け」 を題材として、台本読解・キャラクター設計・演技プランニング実践を学ぶ
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