満場一致では?
拾ったばかりの子猫のヤー子は、
「ヤーッ、ヤーッ」と鳴きながら歩き回る。
おしっこもうんちも出てない。
ミルクはお皿からだとまだ飲めないみたい。
ラジオ体操前、
ヤー子が昨夜鳴いてたところまで、
母猫を探しに行ってみた。
母猫も兄弟も居ない。
また連れ帰った。
「ネコプロオススメの動物病院、
夕方もやってるみたい」
「私も行きたい!」
小学生が立候補。
平日の朝は忙しい。
夏休みの中学生とヤー子を残し、仕事や学童へ。
日中は中学生が、ミルクを飲ませたり、
ラインで経過報告。
「ねー、病院で預かってもらえなかったら飼う?」
と中学生。
「🧐うーん。里親探してもらってからかな。当面家にいることになるかもね。」
「見つからなかったら飼う?」
「うーん。病気がないか見てもらわないとね。
ダニとノミもいたらこまるし」
夕方、ようやく動物病院へ向かった。
小学生と中学生の間に、
ダンボール📦に入ったヤー子を座らせて。
「ヤー子寝ちゃった。」
近かったので、
動物病院にはすぐに着いてしまった。
先生は、
「今、ゲージが満員で、預かりができません。
他の病院でも預かりやってくれるとこもあると思いますが、
処置をしてしまうと、
もう他の病院で処置まで受けてるのにとなってしまうので、
考えたほうが良いと思います。」
「お願いします!」
即答。私だった。
「あ、いや、里親見つかるまで家にいる間も、
ノミやダニがいないほうがいいですし。
病気とかもあると心配だし」
「わかりました。チラシを持ってきて貰えば周知することはできます。」
先生が、猫の首にポチャンと2滴垂らすだけで、
ノミとダニと腸内の寄生虫まで駆除できるという薬で処置してくれた。
「いやー。こどもたちはもう、
飼いたくなってしまっていましてね、すっかり」
「ははは、この子は、とても人懐こいです。
飼いやすい子だと思います。
うちのゲージの子たちの中には、
人に慣れていなくて、
シャーシャーいう子もいますから」
(ネコプロも昨夜そんなこと言ってたな。)
「そうなのですねぇ。へぇー。
飼いやすい子だって」
中学生も小学生も、
にっこりしてうんうん!と頷く。
「食欲もチェックします。
歯も生えてますし、ちょうど離乳の頃です。
柔らかい餌は食べれると思います。」
ウェットな猫ミールをお皿に乗せて先生が差し出すと、
カツカツ!と食べる食べる!
脇目も振らず。
ペロリと完食。
「普通にたべれるんかい!
ミルク飲めんのやなかったんかい!」
3人驚いた。
そのままホームセンターへ。
早速子猫用ウェットな猫ミールを買った。
帰りの車内。
「飼う?見つからなかたら、飼う?」
2人から同じ質問。
「オトーが有料のAI使ってるから、
A4サイズのチラシ作ってもらって、
印刷してきてもらえばいいか」
ひとまず、里親を探すことになった。
ところが、帰宅した夫も、
「どうだった?病院は」
と。珍しく開口一番にヤー子のことを聞いてきた。
「健康だって。
怪我してる頬と目も治ると思うって」
ノミとダニが居ないということもわかったし、
安心して、ヤー子の隣にゆっくり座ってみた。
(なんだろう、この、ホワホワする気持ち…)
私は今まで、知らなかったんだ。
なんで世間が「ペットブーム」なのかを。
なんで世間が「猫ブーム」なのかを。
今初めて、本当に理解した。
子どもたちが、お父さんに詰め寄る。
「ねぇ、飼う?」
「飼い主見つからんかってからや。」
「えー」
そう言いつつ2人ともヤー子の様子を見に行った。
「ふふふ。
中学生もすっかり飼いたくなっちゃってね」
「え、マジで?」と、なんか嬉しそうなオトー。
また、ヤー子の近くに座っていたら、
ヤー子が私の足に頭を置いて、丸くなって寝た。
(キャーーー。ちっさーいかわいーい!)
「オカーのこと、お母さんと思ってるんじゃない?」
と小学生。
「そうかなぁー。」
(そうでしょ。そうでしょ。)
ヤー子が、抗生剤を混ぜたご飯をペロリと平らげた。
この分ならほっぺと目の傷も早く良くなるかな。
食べ終わると、
ネコプロが貸してくれた猫トイレに入った。
「おしっこでたーーー!」
「すごーい!!」
(ヤー子、天才では?!)
家族全員大歓声を上げた。
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