エッセイ  牛の子宮捻転と出産

12月24日は雪が降っていた
その日は牛の出産がありそうだったから気を付けて様子を見ていると 牛が力んで踏ん張り出したが中々子牛の脚が出てこない
牛の膣に手を入れて確かめようとすると手が入って行かない
入口の近くで捻じれてるのだ
至急獣医さんに電話をかける
牛の子宮捻転しきゅうねんてんは母牛を地面に寝かせ 子宮がねじれているのと同じ方向に母牛の体をゴロンと転がすことで 子宮のねじれを戻す ちなみに母牛の体重は約700キロ それを両親二人と自分の3人で回す事になる
獣医さんが到着して診察 やはり母牛を転がす事になり 母牛を転がせる場所まで牛を移動させる
苦しがっている牛を何とか牛舎の外まで歩かして脚をロープで縛って牛を寝転がす
外では雪が降り続いていた
獣医さんが膣に腕を入れ確かめながら指揮をする
母牛のロープで縛った前足と後ろ足に一人ずつ もう一人は首が曲がって折れない様に頭を持って回す
いっせーのーで フンッ
家族で全力を出して回す
母牛がバタつきながら 寝返りを打つように回る
ゼイゼイ息を切らしながら父がどうですかと獣医さんに尋ねるが 駄目だね戻ってないと言われる
同じ事をもう一回やらなゃいけない
トラクターで引っ張って回すのはどうですかと父が提案するが
他の農家さんにも言われた事があるけど
獣医として責任は取れないよと父の提案は却下される
仕方無いのでもう一回
皆んなの鼻が寒さで赤くなっていた
いっせーのーで フンッ
全力で力を入れる 鼻は赤いのに汗が背中を流れる
母牛がまた回る
獣医さんがまだ駄目だねと言う
そして三度目 家族全員がへとへとになりながら回す
母牛が回り僕らは汗だくになった
何とか戻ったと獣医さんが言い 僕らはホッとして次の準備に入る
次は出産だ
獣医さんが膣に腕を入れ子牛を触る
頭が落ちてるねと言う
普通子牛の頭は鼻先から出て来るが鼻が下を向いていると頭が出口で詰まって生まれてこれない
獣医さんが膣の中で子牛の頭を持ち上げてる
前脚が出てきた所でその前脚にロープを縛り家族で綱引きの様に引っ張る
母牛が力んでお腹が膨らむからそれがロープを引っ張る合図
母牛の力みに合わせて綱引きをする
この時は四回ですんなり頭全てが出てきた
頭が全部出たら後はスッと全身が出てくる
出てきたら全身を使い古したタオルでこすり血液を循環させる 次いでに雌雄の確認をしたら雌だった
父は母牛に栄養剤を入れた水を飲ましている
良かったねと親子共に助かって 良いクリスマスプレゼントだねと獣医さんが言い
そうですね ホワイトクリスマスですし こんな雪の日にありがとうございますとお礼を言ったら
まだ良いよこの前は腹の中で死んだ子牛が出なくてバラして出したよ あれはきつかったな なんて言いながら雪の中帰って行った

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