お墓参りをして、ふと考えた。伝統はこの先も残っていくのだろうか|ちかよりみちカフェ
久しぶり。夏休みはどうだった?
ドイツで幼稚園の新学期が始まりました。
夏休みが明け、送り迎えの時間帯に顔を合わせる度に、お互いがどのように過ごしたか、挨拶の後にちょっとした会話が交わされます。
そして、登園する親子が行き交う中、ご家族の不幸で戦時中の母国に帰っていた親子の姿を見かけた時は、グッと、胸が熱くなりました。
「おはよう。無事にでよかった。おかえり」
そういって、ハグを交わしました。
出発前の会話のやり取りはこちらです▽
そのママさんとの話を終えた後、所用があったのですが、少し時間があったので、お茶を一杯飲みにカフェへ寄りました。
誰かとおしゃべりを楽しむカフェもあれば
時々そっと静かに考えたくなるカフェ。
今回は、そんなひとり時間の中で考えたことを綴ります。
一時帰国をしてお墓参りへ
今月の頭に、急遽一時帰国をしたのですが、お盆と重なったこともあり、お墓参りへ行ってきました。
夏の日本を体験するのは、移住以来だったので、4年振り。
通年、気温が低く、乾燥しきったドイツの気候に慣れた体には、予想以上に辛いものがあり、熱中症気味になっていました。
でも、滞在は2週間だったので、どうしても決めた日に行っておきたかったのです。
気温は34度くらいだったと思います。太陽が空高く輝き、アスファルトの照り返しも厳しかったその日。
お寺に着くと、誰一人いませんでした。
記憶の中と目の前に広がる景色の違い
子どもの頃は、お盆になると親戚一同が集まって、お経をあげて、その後一緒にお寿司やお菓子を食べた記憶があります。
でも、見渡す限り誰もいない墓地には、雑草が生い茂っていたり、枯れ切ったお供えの花が刺さったままのお墓がズラッと並んでいました。
猛暑の日にわざわざ来る人もいないのかもしれない。
あるいは、子どもや孫が別の地域へ引っ越して、遠方になり、なかなか手入れやお供えをできないのかもしれない。
そういえば、遠方に住むご家族に向け、お墓のお掃除とお花のお供えをしてくれるサービスがあるということも、どこかで読んだ記憶がありました。
故人への想いがあっても、距離であったり、高齢になって自由が利かなくなったりして、来れない人たちもいる。
そうした現実が頭をよぎり、しばし複雑な心境でした。
〈この先、私は何回お墓へお参りできるだろうか…〉
そんなことをふと考えていました。
伝統の前提にあるもの
若い頃にはそれほど考えなかったこと。
年齢を重ねて
海外へ移住をして
幼少からの記憶にある日本の形が少し違って見えるようになりました。
そして、そのことについて、考えるようになりました。
〈この先、この形はずっと続いていくのだろうか〉ということです。
良い悪いの話ではなくて、日本の伝統である
お墓を受け継ぐということ
お盆に帰省すること
家族でお墓参りをすること
これらが、世代が変わるごとに難しくなっているのではないかと思うのです。
私のように海外へ移住するケースはまだ少ないかもしれません。
でも、進学や就職、結婚などをきっかけに、親とは別の地域で暮らす人は珍しくありません。
そう考えると、これまでの「お墓を受け継ぐ」という形は、家族が近くに暮らすことを、どこか前提としてきたようにも思えてきます。
ドイツ在住者と日本の話をする時
若い頃は、将来どうしたいというような希望に満ちた話が多い海外生活ですが、40歳を超えると、終活には早いかもしれませんが、日本の家族の話やお墓の話は話題にのぼる傾向があります。
以前の職場でも、親の介護が必要になり、どうにもならないので、ご主人と娘さんをドイツに残して、しばらくひとりで帰国すると話している日本人の同僚がいました。
そして、お墓をどうするか考えているという人も少なくありません。
私の場合は、一時帰国をしたタイミングでお墓参りをするようにしています。
でも、この先、日本の家族も年齢を重ねますし、私自身もいつまで飛行機に乗れるかわかりません。
そうなると、課題として出てくるのは
どうすれば伝統を守れるのか。
ということです。
伝統は、変わってはいけないものなのだろうか
どうすれば伝統を守れるのか。
そこには想いだけではなく、複数の人の関わりや、物理的な問題も重なってきます。
ただ、伝統を守るということは、「昔と同じ形」を守り続けることなのかと思うのです。
それとも…
時代に合わせて形を変えながら残していくことも、「伝統を守る」ということになるのか。
お墓参りを終えた帰り道、記憶に残るお盆とセミの鳴き声を重ね合わせながら、改めて「伝統の守り方」について、考え続けました。
私自身、その答えはまだ出ていません。
あなたが次世代に残したいものは、何ですか。

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