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【自炊放棄】コンビニ飯を貪る夜。渋谷の単館映画館と、松田優作という怪物


はじめに:自炊を捨てた男の独り言

いやー、やめられませんね。 何がって、コンビニ飯が。

自炊を引退して、はや数ヶ月。 ぜんぜん飽きへんのですよ。しかも毎日、ほとんどおんなじメニューやのに。どういうことなんやろ?

身体には良くないのは百も承知。それでも、一口食べた瞬間に脳からドバドバと快楽物質が出てるんやろね。ほんま、不思議なもんです。

少し前の動画を観てくれた人は分かると思うけど、一時期セイロ蒸し料理を作ってたんですよ。健康的な野菜や肉を蒸してね。……でも、あれ正味シンドいだけやった。 食材の買い出しも、油と蒸気で汚れやすく面倒な後片付けも、おいらにとってはただの「地獄」。作って食べてみても、特に楽しいなんて感覚はなかった。

なら、その嫌で苦痛な時間を丸ごと削ったら良くない? そう思って行き着いたのが、今のこのジャンクな食生活。

おいら、「清貧」な生き方にはなれへんわ。情けない話やけど。 いまの季節は暑いから体調自体はええんやけど、毎日毎日ジャンク飯を貪ってる。 まあ、人生の中にこんな時代が数年あってもええんちゃうか? 知らんけど。



ジャンク飯人生

あ、ちなみに生卵3個飲みは今も続けてます。 人に話すと「それ、体に悪いから気をつけた方が良くない?」とか言われるけど、知らんがな。箕輪さんの真似をしてるだけや。

身体に毒なものほど美味い――渋谷の単館映画館と秘密の場所

「身体に悪そうなモノほど美味い」というのは、変な話ドラッグとかもそうなんやろね。

昔、『トレインスポッティング』っていうヘロイン中毒の若者たちを描いた映画があった。作中に「身体に毒を注射するなんて馬鹿げてる」みたいなセリフがあって、ジャンク飯を喰いながらふとその言葉を思い出したりする。

あの映画は渋谷の単館映画館で観たなぁ。 あの時代(80年代末〜90年代)は、なぜか妙にドラッグやヴァイオレンスを扱った映画が流行っとった。クエンティン・タランティーノ監督や、世界の北野武監督をはじめ、新作の封切りがとにかく楽しみで仕方なかった。

映画館には、必ず「1人」で行く。それが楽しみで楽しみで。 あの劇場の暗闇の中でひっそりと息をひそめていると、なんか悪いことをしているような、コソッとした背徳感がたまらなく好きやった。

間違っても彼女や友人なんかとは行かへんかったな。 古い考えかもしれんけど、「映画一緒に行かない?」って誘ってくるヤツはあほやと思ってた。こんな秘密で愛おしい時間を、隣にいるヤツに邪魔されたくないねん。

暗闇の後方シートに深く身を埋めたら、たとえそこが少々トイレの匂いのする劇場であっても、おいらにとっては最高の特等席やった。

映画の楽しみ方と、オールナイト上映の記憶

これは人によって好みが大きく分かれるところやと思うけど、おいらはおんなじ映画やドラマを何度も繰り返し観てしまうタイプなんや。

人によってはそれが嫌らしい。「そんな同じもん何度も観て、何が楽しいん?」ってよく聞かれる。 でも、楽しいもんは何度観ても楽しいねん。

あと、これも意見が分かれるところやけど、映画を観始めて「こりゃあかん(つまらん)」と思ったら、おいらは途中で劇場を出る。 昔はみんなそうするもんやと思ってたけど、どうやら違うらしい。「せっかくお金を払って来たんやから」と我慢して最後まで観る人が大半なんやとか。

おいらにはそれは無理。苦痛でしかない。拷問やん。

高校生の時はバブル全盛期やったから、毎週土日はどこの映画館もオールナイト上映をやっていて、しかも完全入れ替え無し。 夜遊びして疲れたら、映画館に入って暗闇の中で休憩する――そんなノリやった。今の若い子でいうカラオケボックスみたいな感覚なんかな。

17歳で観た『ブラック・レイン』と、松田優作という怪物

松田優作さんの遺作になった映画『ブラック・レイン』も、17歳の時に歌舞伎町のオールナイトで観た。 あの映画の優作さんの演技は、凄まじかった。「ゾクっとする」なんて生ぬるい表現やない。「ゾッとする」存在感やった。

あの映画の封切り前のこと。高校の通学途中、同級生が駅のキヨスクで買ったスポーツニッポン(スポニチ)を読んでいた。 折りたたまれた紙面の大見出しに『松田優作、ガン〜』という文字がチラッと見えた。

当時、ニューヨークロケの報道とかを聞いていたおいらは、「撮影の打ち上げで現地スタッフと盛り上がって、アメリカのスタッフと拳銃で射撃でも楽しんでガン(Gun)でも構えたんかな?」と本気で勘違いした。

同級生からスポニチをもぎ取って記事を読むと――そこに書いてあったのは「膀胱ガン」の文字。絶句した。

今、『ブラック・レイン』を見返すと、当時は「近未来のネオヤクザ役を作るための徹底した役作りなんか」と思っていたあの痩せ細った体躯が、実は病魔に侵されていた姿だったと知る。

でも、その病すらもあの人は鬼気迫る狂気の演技へと昇華させた。 やっぱあの人は普通の人間やない。どっか別の星から落ちてきた表現者や。顔が画面に映っていなくても、シルエットだけで生物として美しい。

本能のままに生きる夜

ビッグサイズのペヤングを平らげたら、いつもの映画の時間。 至福のひとときや。食後のデザートにきな粉餅も食べる。

こうして、おいらの一日が終わっていく。

世間的な正解や「丁寧な暮らし」からは程遠いかもしれんけど、本能のままに生きるこんな時期があってもいい。

もしよかったら、またこの本能のまま生きる独身男の日常を覗きに来てください。


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