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京都市動物園のおともだち #1 レッサーパンダ/Red Panda (Lesser Panda)

京都の東、岡崎の地は、私にとってただの名所ではない。幼いころより折に触れて足を運んできた、静かな記憶の積み重なる場所である。平安神宮の大鳥居の下をくぐり、南禅寺の佇まいに目を留めながら、琵琶湖疏水の水辺を歩く―そのひとつひとつが、いつしか自分の内側に静かに沈んでいった風景である。

とりわけ、京都市京セラ美術館と京都市動物園は、何度訪れても飽きることのない、幼い日の楽しみの中心であった。季節が巡るたびに動物園へ通い、折々の光や風を、身体に刻み込んできたように思う。

久しぶりにこの地を訪れ、あらためて歩いてみると、風景は大きく変わらぬままに、どこか遠くへ来たような感覚がある。それでも、水の流れとともに残る気配は変わらない。岡崎とは、過ぎた時間と今とが、静かに重なり合う場所である。やがてそこに京都市動物園があらわれた。

疏水まんぽ 
びわ湖疎水船 公式

ひさしぶりに訪れた園内は、記憶と異なっていた。通路は広くなり、展示方法も現代にリニューアルしていた。かつては檻の中に動物を「見る」場所だったが、今は動物の暮らしに人が近づいていくような構造になっている。距離の取り方が変わったのだと思う。

動物園は不思議な空間だ。時間の流れが動物たちの時のように、ゆったりなのだ。子どものころ、何度も訪れた場所であるせいかもしれない。園内を歩いていると、過去の自分と現在の自分が、同じ風景の中に重なるような感覚がある。

この日は春の終わりで人は少なかった。桜はすでに散っていたが、そのあとの名残りと、静けさが漂っていた。

そもそも動物園に足を運んだのは、レッサーパンダがいると聞いてのことだ。京都市動物園は先進的な施設ではないが、歴史を重ねた趣きがあり、それがお気に入りなのだ。そうは言っても動物園には書きたいテーマがいろいろとあり、ゆっくりと動物たちと語りあってみたい。ということで、5回くらいのシリーズ展開を考えている。その栄えある第一回目はレッサーパンダにしたい。動物写真は、むずかしい。つねに動き回り、ひとっところに収まらない。それが魅力でもある。いい表情、いいポーズはお約束できないが、kyotoKらしさを描いてみようと思っている。

レッサーパンダのお昼寝タイム

昼間の動物園では、多くの動物が眠っている。レッサーパンダも、木の上を見立てたベッドで丸くなっていた。体を折りたたむようにして、しっぽを巻きつけている。動かない時間が長い。

お昼寝タイム

レッサーパンダ(Ailurus fulgens)は、食肉目レッサーパンダ科に属する小型の哺乳類である。名前に「パンダ」とあるが、ジャイアントパンダとは系統が異なる。ヒマラヤ山麓や中国南西部の森林に生息し、竹や果実、小動物などを食べる。木の上で過ごすことが多く、体のつくりもそれに適している。

午後のお散歩、レッサーパンダのウーロンちゃん

しばらく見ていると、一頭が急に動き出した。眠りから覚めたというより、何かのきっかけで切り替わったように見えた。体を起こし、ゆっくりと歩きはじめる。

やがて、高い位置に設けられた通路へ移動した。細い足場を、ためらいなく渡っていく。見上げる位置にあるその通路は、人間の目線よりも少し上にあり、観察される側とする側の関係が逆転したようにも感じられる。

レッサーパンダは、そのまま別のスペースへ移った。そこでしばらく遊ぶように動き回る。木の幹に前足をかけ、体をひねり、また歩く。その動きは軽く、無駄がない。

空中通路をわたってやってきたレッサーパンダのウーロンちゃん

ぴんと尻尾をたてて草むらをチェックしているのは、なわばりの確認だろうか。あどけない表情、うつろに見える視線の先に「!」とひらめいているのがファインダーごしに伝わってきた。

くんくん、必要なデータを入手する、ウーロンちゃん
はしごに乗って、まわりの安全確認(?)
あれれれ、と情報収集に余念のない、ウーロンちゃん
やっぱりあの臭い?
ダブルチェックする用心深さ(?)が
生き延びる重要ポイントなのかも…
まだまだ、あちらこちらのチェックに余念のない、ウーロンちゃん
あれ、ここだったんだ、
と目的のエサ入れを引き寄せる

愛らしいと言われることの多い動物だが、近くで見ていると、むしろ静かな緊張感がある。野生の気配が残っている。

お散歩のあとは、通路を通って帰っていく。

Koto of Red Panda is cute. レッサーパンダのコトはカワイイです。 京都市動物園 Kyoto City Zoo #6
Youtube登録:Animal On Air

部屋に帰る。しばらくして、また動きが止まった。座り込み、やがて横になる。再び、眠りに戻っていく。

その姿を見ていると、時間がゆっくりと閉じていくように感じられた。

動物園は、動物を見る場所であると同時に、過去の時間に触れる場所でもあるのかもしれない。

お散歩のあとは、お昼寝
あどけない表情が愛らしい



レッサーパンダ/Red Panda (Lesser Panda)

学名     : Ailurus fulgens
分類     : 食肉目 レッサーパンダ科
分布     : 中国南部,ヒマラヤ南部


京都市動物園「アジアゾウ」のポスター

デザインが最高にすばらしい
京都市動物園のアジアゾウのポスター
京都市動物園エントランス
出典;京都市動物園website
京都市動物園の園内マップ


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