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ポニーテールの『転校生』







大阪から来た
その女の子は、『転校生』でした。



天然パーマで髪は長く、


ポニーテールのリボンは、
キラキラしたピンク色で、
とてもきれいでした。


性格も明るくて、

すぐにクラスでも、
友達ができていました。



ただ、お父さんの仕事の関係で、
転校することが多いようでした。







その子は新体操を習っていたらしく、
運動もバツグンでした。




学校の部活には、
新体操はなかったので、

私と同じ体操部に
入部してきました。



体育館で先生から紹介されると、
いきなりバク転して、

笑顔で、

『よろしくお願いします』と。



……初めて天使を見た気がしました。



みんなも、
目が釘付けでした。








当時の私は、

恥ずかしくて学校でも女の子とは、
あまり話せませんでした。



クラスでは、

私の斜め前の席になった
その女の子。



授業中も、
そのポニーテールの長いリボンが、
私の目に入っていました。



隣の席の友達と楽しそうに笑ったり、
真面目に授業を聞いている後ろ姿が、


私は気になって、
しかたがありませんでした。






ある日、
部活が終わった帰り道──



大会も近づいていて、

その日は遅くなったため、
女の子たちと一緒に帰ることに。



みんなで、
大会の話をしていると──





その子は寂しそうに、



『また転校するから、
わたし出れなくなっちゃった』
と。



『えーなんで? 急に?』
『いつ? どこに?』



──みんな驚いていました。




ある子は泣き出し、

『ヤダヤダ』と首を振りながら、
その子に抱きついていました。




泣き出しそうな声で、
その子も、


『うち、いつもなんだよね。
やだけど。しかたないから』



そう言いながら、
あきらめた様子でした。






それから、
しばらくして──



その子の『お別れ会』が、
クラスで開かれました。



私は、

その日のために練習した
ヒゲダンスやアントニオ猪木の
モノマネをして、

一生懸命に
そのお別れ会を盛り上げました。



──それを見て、


涙を流しながら、
その子は大笑いしてくれました。




そして、次の日には、
引っ越していきました。







私の斜め前の席は、



それからも、
しばらく空いたままでした。










ポニーテールの『転校生』 【完】









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