身も蓋もない日本文学―令和むかしばなし―
身も蓋もない日本文学
―令和むかしばなし―
第十五話 鶴の副業
恩返し
一枚の布を
織るよりも
令和の鶴は
二足のわらじ
昔々、 罠にかかった鶴を助けた男がいた。
その夜、女が訪ねてきた。
「助けていただいたお礼に、布を織ります。」
男は言った。
「ありがとう。」
ところが令和の鶴は違った。
昼は機織り。
夜は動画配信。
週末はオンラインショップ。
「一つの仕事だけでは、将来が不安なので。」
男は驚いた。
「恩返しは?」
鶴は笑った。
「恩返しもします。でも、副業もします。」
令和の鶴は、 翼を二枚持つように、 仕事も二本持っていた。
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