アニエス・ヴァルダの「カンフーマスター」
この文章は2018年にFacebookに投稿したものです。
映画でも見てみようと思い、色々探した結果、
アニエス・ヴァルダ監督の「さすらう女」に決めたのだが、
結局レンタルDVDでは見つからず、今の日本では「さすらう女」は、
当面必要とされていないんだなと、理解はしたが納得はできなかった。
それで同じアニエス・ヴァルダ監督の、
「カンフーマスター」という映画について、少し考えていたのだが、
こちらの映画もザッと探したところ、現在レンタル店では入手困難だ。
ほぼ不可能と言ってもいい。あとはBSとかで放送されるのを待つしかない。
ストーリーはジェーン・バーキン演じる主人公の主婦が、
娘の誕生日パーティーに来ていた同級生の男の子に一目惚れし、
彼が夢中になっている、「カンフーマスター」というゲームをきっかけに、
彼に近づいていくというような話である。
作中ではジェーン・バーキンの実の娘、シャルロット・ゲーンズブールも、
ジェーン・バーキンの娘役で出演しているのだが、
「ママ、彼と寝たの?」なんていう、衝撃的なセリフを言ったりしている。
結局ジェーン・バーキンの恋のお相手は、
情事がバレて転校させられてしまい、
転校先で同級生から「彼女はいたの?」と聞かれて、こう答えるのである。
「いたよ。脚の長い、オッパイの貧弱なおカミさんさ。
娘がふたりいた。僕に夢中だった。
僕はひきずられた。色ごとなんかじゃない。
若くないし、怖がっていた。
結局いきつくところにいきつくさ」
現実とはこのようなものである。アニエス・ヴァルダの作品は
厳しい現実を僕に見せつけてくれる。
それが痛くてつらいが、何十年経ってもこうして思い出すことができる。
この映画は1987年の作品、ジェーン・バーキンはこの時40歳。
ラフな服装が逆説的に美しい。
ゲス不倫なんてはるか地平線の彼方に
けしとんでしまうようなインモラルな映画だ。

