注意喚起のつもりが加害者に?SNSでの大人な振る舞いを考える

今朝ふとThreadsを開いたら、いわゆる「半田のルーミー」って話題が流れてきたんですよ。
とある地域で危険運転をしている車がいる、という話らしいです。で、その語感のせいで話題になっちゃってるという。
まあ、気になっても別に検索しなくていいと思います。

でね、言いたいのはここから。

大の大人が寄ってたかって、その人のことを
「なんてひどいやつだ!」
「許せない!」
みたいに言ってるんですよ。正直、ちょっと見てられなかった。

もちろん、危険運転そのものは良くないっすよ。
「近くで運転する人は気をつけてね」くらいまでなら、注意喚起として分かる。そこは全然いい。

でも、だんだん見ているうちに、
「あ、これもう注意喚起じゃなくなってきてない?」
っていうラインを、普通に越えてる気がしてきたんですよね。

・・・ここまでは、割とよくあるSNSリテラシーガーみたいな話。
ただ、「じゃあ、どこまでならセーフなの?ギリギリいって大丈夫な線はどこまでなの」っていうギリギリの線をちゃんと考える話は、意外と少ない気がする。
なので今日は、そこを掘ってみようと思います。


まず前提として

この手の話題になると、だいたい決まって湧いてくる人たちがいる。

「見つけたら通報します」
「尾行して確認します」
「写真撮りました」

……いや、それ、あなたがやる理由ある?って思うんですよ。

たぶんここで働いてるのが、いわゆる「義憤」なんだと思う。
義憤って、ざっくり言うと
「正義として悪は許せないんだもん!!アンパンマン!!」
っていう感情のことね。

「悪いことをしてるやつは許せない」
「正さなきゃいけない」
この気持ち自体は、まあ分かる。

でも、その怒りや正義感の行き着く先が、
個人による制裁――いわゆる「私刑」になってしまうと、話は別になる。

日本では、誰かを裁いたり罰したりする権限は、警察や裁判所の仕事。
他の人が勝手にやっちゃダメ、って一応ちゃんと決まってる。

危険運転を取り締まるのは警察の役目で、
僕たちにできるのは、せいぜい
「危ない目に遭ったら通報する」
「自分が巻き込まれないように気をつける」
ここまでなんですよね。


もう一つ大事な観点

ここでごちゃっとなりがちなのが、

「ムカつく」
「倫理的にどうなの」
「好き嫌い」
「違法かどうか」

この辺が全部ひとまとめに語られちゃうところ。

不快かどうかと、許されるかどうかは別。
倫理的に嫌だな、と思うことと、法的にアウトかどうかも別。

感情として腹が立つのは自然だけど、
それを理由に何をしてもいい、って話にはならない。

この線引きを意識しないまま正義感だけで動くと、
気づいたら「注意喚起してる側」が、別の意味で危ない立場に立ってしまうこともある。
この怖さは、ちゃんと考えておいたほうがいい気がするんですよね。


で、「注意喚起です」と見せかけた「晒し」なんですけど、危ないですよ

ここが一番ややこしいところ。

「ヒヤッとした」
「怖かった」
「気をつけよう」

ここまでの投稿なら、ただの感想。基本的に問題になりにくい。

でも、

  • ナンバーを出す

  • 顔や車内の写真を出す

  • 「危険」「ヤバい」と評価を付ける

このあたりが揃ってくると、投稿そのものが法的に問題視される可能性が出てくる。
もちろん、「DQN」みたいな蔑称も、リスクは高い。


何がダメになりやすいか(超ざっくり)

難しい話をすれば「名誉毀損」とか色々あるけど、
超ざっくり言うと、だいたい次の3点。

  • 誰のことか分かる(ナンバー、顔、行動時間など)

  • 社会的評価が下がる言い方をしている(「危ない」「ヤバい」など)

  • 不特定多数に向けて発信している(SNSならほぼ確実)

この3つが揃うと、アウト寄りになりやすい。

「こいつ危ない」だけでもダメなのは、
言われた側が「危ない人」というネガティブな評価を受けるから、らしい。


逆に、ギリギリセーフ寄りなのは

  • 誰の話か分からない

  • あくまで自分の体験や感情に留める

  • 一般論としての注意喚起にする

この辺に収まっていれば、トラブルにはなりにくい、という感じ。


じゃあ、どこまでならセーフっぽいの?

アウト寄りなのは例えばこんなの。

「今日、東京◯◯◯X〇〇ー〇〇の黒いルーミーに乗った人のせいで事故るところだった!
マジ危なかった!免許返納すべき!
この辺走る人は、この車に気をつけて!」

個人が特定できて、ネガティブ評価をして、SNSで公開。
まあ、さっきのアウトの条件コンプしちゃってますねスリーアウトチェンジです。

では、お待ちかねです。「これならセーフかも」はこんな例。

「今日、東京ナンバーの黒いルーミーにちょっとヒヤッとしたわ。
この辺走るときは、みんなも変な運転する人に巻き込まれないよう気をつけてくだし」

「東京ナンバーの黒いルーミーなんて山ほどいる」くらいまで特定性を落として、
ネガティブな感情は他人への評価ではなくあくまで自分の感想に留めて、
注意喚起も特定個人ではなく「変な運転する人」に一般化する。

これなら、余計なトラブルにはなりにくい。なりにくいだけで絶対セーフとまで入ってないですよ。ギリギリを狙うならここまでってことです。

逆に、

「このナンバーの女、危険」
(モザイク付きの顔写真と車の写真)

これはもう説明不要。
ちなみに、顔写真はモザイクしててもダメなケースが多いらしい。
服装や髪型で特定される可能性があるからね。やめときましょう。






そして日常生活へ

試しに、妻との会話で「セーフな話」を実践してみました。

俺「今日さ、仕事でミスしてる人がいてさ」
妻「誰?」
俺「いや……とある会社の、僕が話したことある人」
(特定性をぼかす)

妻「で、何があったの?」
俺「頼んでたことやってこなかったんだよ!もう腹立ってさ!」
(自分の体験に留める)

妻「それはその人が悪いね」
俺「うーん……まあ、俺はムカついたかな……」
(評価を控える)

妻「まぁ、その人嫌やね」
俺「えっと……期限を守らない人には気をつけようね……」
(一般化)

妻「……結局、何の話?」

――法的リスクを気にしすぎると、日常会話までこうなるらしい。
考えものですね。






今更だけどギリギリを狙うって何!?

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