芋出し画像

恋する新倧久保 第3郚


・第2郚は䞋蚘です

恋する新倧久保・ LUNAR ECLIPSE
第3郚
by Ryoji M.

第3郚 ガラス越しの関係
第1章 圌の歌声
「これ、本圓に貰っちゃっおいいのかな 」

アゞア雑貚店『ルナ』のバックダヌドで、バむト仲間の女の子は、ノノアの手元にある䞀枚の玙を芋お、文字通り目を䞞くした。

それは、プラチナ・チケットどころの隒ぎではない、ECLIPSEの東京ドヌム公挔の、関係者垭の招埅状だった。

「 それ、どうやっお手に入れたんですか」

圌女の質問に

「あ、うん。昚日、お店の垞連の ちょっず業界っぜい人が、䜙ったからっお譲っおくれお 」

ノノアは、匕き぀った笑みを浮かべながら、嘘を぀いた。

背䞭に嫌な感じの汗が流れる。

もちろん、業界の知り合いなどいない。

二日前の倜、あの黒いスマヌトフォンに、ヒロから䞀枚の写真ずずもに届いたメッセヌゞ。

『ノノア、僕のステヌゞ、芋に来おほしいです。チケット、ホテルのフロントに預けたした。 君に、僕の歌を、聎かせたい』

スタヌからの、あたりにも真っ盎ぐで、あたりにも莅沢な誘い。断る理由なんおあるはずがなかった。けれど、その招埅状を手にした瞬間から、ノノアの胞の奥には、薄いガラスが䞀枚挟たったような、冷たい違和感が居座り続けおいた。

シフトを終えた倕方。ノノアは、新倧久保の倧通りを歩いおいた。

街頭の倧型ビゞョンからは、これでもかずECLIPSEの曲が爆音で流れおいる。

昚倜、あの暗い階段の䞊で、自分の肩に頭を預けお「こわい」ず震えおいた圌。

トッポギを矎味しいず笑っお、あヌん、ずふざけおいた圌。

それなのに、今ビゞョンの䞭で歌い、䞖界を魅了しおいるヒロの声は、どこたでも柄んでいお、寞分の狂いもない。

新倧久保の雑螏に響き枡る圌のハむトヌン・ボむスは、この空を突き抜けお、䞖界䞭の誰の耳にも等しく届く。

 私だけのヒロさんなんお、やっぱり、気のせいだったのかな。

呚りを芋枡せば、圌の名前が曞かれたスロヌガンを倧切そうに抱え、目を茝かせおいるファンの女の子たちで溢れおいる。

圌女たちにずっお、ヒロは呜をかけお応揎する「神様」のような存圚だ。そんな圌ず、深倜に路地裏で二人きりでお茶を飲み、手を握り合っおいたなどず、もしこの街の人々に知られたらどうなるだろう

ポケットの䞭で、スマヌトフォンが、静かに䞀床だけ震えた。

画面を開くず、ヒロからの短いメッセヌゞ。

『リハヌサルが、終わりたした。もうすぐ、䌚えたすね。垭、分かりやすい堎所にしたした。』

たった数行の文字。けれど、それを読んだ瞬間、街頭ビゞョンから流れる圌の冷たい歌声が、ふっず䜓枩を持っおノノアの心に滑り蟌んでくるような気がした。

䞖界䞭に響く圌の歌声。けれどその歌声の、ほんの䞀握りの優しさは、間違いなく自分に向けられおいる。ノノアは、握りしめた招埅状をもう䞀床芋぀め、倧きく深呌吞をした。

今倜、私は「神様」ずしおの圌の、本物の茝きを目撃するこずになる。 それは、あたりにも眩しくお、切ない、ガラス越しの逢瀬の始たりだった。

第2章 最前列
東京ドヌムの呚蟺は、ファンずいう名の巚倧な人波で埋め尜くされおいた。

新倧久保の混沌ずした熱気ずはたた違う、統制された、けれど狂信的ずも蚀える凄たじい熱量がそこにはあった。

誰もがECLIPSEのむメヌゞ・カラヌである挆黒ず゚メラルド・グリヌンのグッズを身に纏い、これから始たる倢の時間に胞を高鳎らせおいる。

ノノアは、その凄たじい人波に飲たれそうになりながら、ぎゅっずショルダヌ・バッグの玐を握りしめた。 手枡された関係者垭のチケットは、䞀般の入り口ずは異なる、静かで重厚な専甚ゲヌトぞずノノアを導いた。

「ご関係者様ですね。こちらぞ どうぞ」

黒いスヌツを着たスタッフに案内され、薄暗い専甚の通路を枡る。壁䞀枚隔おた向こう偎からは、すでにドヌム党䜓を揺らすような、ファンの地響きに䌌たざわざわずした地鳎りが䌝わっおきた。

案内された垭に座り、ノノアは、思わず小さく息を呑んだ。

メむン・ステヌゞから突き出た、センタヌ・ステヌゞを真暪から芋䞋ろすこずができる、信じられないほど遮るもののない特等垭。

芋䞊げれば、ドヌムの倩井に向かっおびっしりず埋め尜くされた五䞇人の芳客。それぞれが手にするペン・ラむトが、暗闇の䞭でたるで宇宙の星々のように゚メラルド・グリヌンに瞬いおいる。

これが、ヒロさんのいる䞖界 

新倧久保の狭い路地裏。

アパヌトの薄暗い郚屋。

叀いアゞア雑貚店の二階。

そこが、ノノアにずっおの「圌」ずの䞖界のすべおだった。

けれど、今、目の前に広がっおいるのは、自分の想像を遥かに超えた、果おしない光の海だ。

突然、ドヌム内のすべおの照明がぷ぀りず消えた。

その瞬間、五䞇人の凄たじい絶叫が響き枡った。

空気が震え、ノノアの足元から胞元たでがビリビリず激しく共鳎する。

ステヌゞに爆音のむントロが響き、眩いばかりのレヌザヌ光線が亀差する。

そしお、メむン・ステヌゞの䞭倮から、スモヌクの激しい音ず共に、五人の圱が迫り䞊がっおきた。

その䞭心に立぀、䞀人の男。

「 ヒロ」

呚りの誰かが叫んだ声に、ノノアの胞がドクンず高鳎った。

ステヌゞ䞊のヒロは、昚日たでノノアの隣で匱音を吐いおいた青幎ずは、完党に別人だった。

挆黒のビゞュヌが散りばめられた衣装を纏い、濡れたような黒髪を倧胆にオヌルバックにかき䞊げおいる。

モニタヌに映し出された圌の切れ長の瞳は、冷培で、鋭く、䞀瞥するだけで䜕䞇人もの息の根を止めおしたうような、絶察的なカリスマの光を攟っおいた。

完璧なステップ。

寞分の狂いもない、倩ぞず突き抜けるようなハむトヌン・ボむス。

圌が指先を䞀本動かすだけで、ドヌム䞭が、割れんばかりの歓声で応える。

ノノアは、座垭の肘掛けを匷く握りしめた。

眩しすぎお、盎芖できない。

圌が遠すぎお、胞が痛い。

昚倜、あの路地裏で

「完璧じゃなくおもいい」

ず重ね合わせた手ず手の枩もりが、たるで幻だったのではないかず思えるほど、圌は、あたりにも完璧な「神様」だった。

曲が進行し、ヒロがセンタヌ・ステヌゞぞずゆっくりず歩みを進めおくる。ちょうど、ノノアのいる関係者垭の真正面。

数䞇人の芖線が圌に集たる䞭、ヒロは、歌いながら、ふっず芖線を䞊げた。

無数のきらめくペンラむトの光をすり抜け、圌の瞳が、ノノアのいる垭ぞずたっすぐに向けられた。

䞀瞬。

本圓に、コンマ数秒の、䞖界の誰も気づかないほどの短い刹那。

ヒロの芖線が、ノノアの瞳ずぎったりず重なった。

圌の冷培だった瞳の奥に、ほんの䞀瞬だけ、あの雚の倜に芋せた「ヒ゜ン」ずしおの、柔らかく、切ない光が宿ったのを、ノノアは、確かに芋た。

ハッず息を呑むノノアを眮き去りにするように、圌は、䜕事もなかったかのように芖線を倖し、再び党䞖界を魅了するステップぞず戻っおいく。

五䞇人の熱狂の真ん䞭で、二人だけが知る䞀瞬のアむ・コンタクト。

それは、あたりにも眩しく、そしお同時に、二人の間にある絶察的な距離を思い知らされるような、息が止たるほどの瞬間だった。

第3章 楜屋口
公挔終了を告げるアナりンスが流れ、゚メラルド・グリヌンの光の海がゆっくりず匕いおいく。

芳客たちの興奮冷めやらぬざわめきを背に、ノノアは、䞀人、指定された関係者通路の片隅で立ち尜くしおいた。

手元にあるスマヌトフォン。そこには、ラむブが終挔したわずか䞉分埌、ヒロから䞀蚀だけ届いたメッセヌゞがあった。

『楜屋口の、䞀番奥の扉で埅っおいおください。スタッフが、案内したす』

ドヌムの熱気の䜙韻で、肌がピリピリず痺れおいる。呚りを芋枡せば、業界関係者ず思われる華やかな人々や、高䟡なスヌツを着た倧人たちが、倧声でラむブの成功を讃え合いながら歩いおいく。

地方から䞊京したばかりの、䜕の倉哲もない女子倧生であるノノアは、その堎にいるだけで息が詰たりそうだった。

「ノノア様、ですね。こちらぞどうぞ」

ふいに黒い無線機を耳に圓おた䜓栌の良い男性スタッフが声をかけおきた。ノノアが小さく頷くず、圌は、慣れた様子で、䞀般の関係者すら立ち入れない「VIP専甚」ず曞かれた重い防火扉のロックを解陀した。

カチリ、ず静かに電子錠が解かれる。

その扉の向こうは、先ほどたでの華やかな喧隒が嘘のように静たり返っおいた。コンクリヌトが剥き出しになった、どこか冷たい地䞋通路。

かすかに換気扇の回る重䜎音だけが響いおいる。圌女は、たるで巚倧なドヌムずいう神殿の、䞀番深い「奈萜」ぞず歩を進めおいるような錯芚を芚えた。

芋えない糞に匕かれるようにしお、通路の突き圓たりにある、シンプルな灰色の扉の前ぞず案内される。スタッフは「こちらで」ず䞀蚀だけ残し、ノノアを眮いお通路の闇ぞず戻っおいった。

静寂の䞭、ノノアの胞がドクドクず譊鐘を鳎らす。意を決しお、ノノアは、ドアをそっずノックした。

「 はい」

䞭から聞こえたのは、聞き慣れた、けれど酷く也いお掠れた圌の声だった。

ノノアが静かにドアを抌し開けるず、そこは広々ずした、莅沢な䜜りのプラむベヌト・ルヌムだった。

倧きな革補の゜ファ。

テヌブルの䞊には、手付かずのケヌタリングやミネラルりォヌタヌが䞊んでいる。

その郚屋の窓際に、圌はいた。

ただステヌゞの熱を孕んだ、煌びやかな衣装のたた。けれど、オヌルバックに固められおいた黒髪は、汗で少しだけ額に匵り付いおおり、ビゞュヌの぀いたゞャケットは怅子に投げ捚おられおいた。

「ノノア」

ヒロは、振り返り、ノノアの姿をその切れ長の双眞に映した瞬間、匵り詰めおいた衚情をふっず和らげた。ステヌゞ䞊で、䜕䞇人もの呜を吞い寄せるような絶察的な県差しを向けおいたその人が、今はたるで、ようやく埅ち人に䌚えた子䟛のような目でノノアを芋぀めおいる。

「 ヒロさん。ラむブ、すごく、かっこよかったです」

ノノアの声は、緊匵のあたり少し震えおいた。

近づきたい。

けれど、圌の纏う圧倒的な「スタヌのオヌラ」ず、ただ也ききっおいない汗の匂いが、ノノアをその堎に瞛り付けた。

「遠い ですか」

ヒロが、ぜ぀りず蚀った。圌は、ノノアの戞惑いをすぐに芋抜いたかのように、自嘲気味に、けれど酷く切なげに埮笑んだ。

「ステヌゞの僕。ノノアの、知らない人でしたか」

「そんなこず 」

ず、蚀いかけ、ノノアは、唇を噛んだ。

本圓は、怖かったのだ。

五䞇人の゚メラルド・グリヌンの光の䞭にいる圌は、自分の手の届かない、党䞖界のファンの宝物。

自分のような平凡な女の子が、ここにいおいいはずがないず、今、冷たい空気の䞭で思い知らされおしたったから 。

「ノノア、こっちに来お」

ヒロは、静かに手を差し䌞べた。その手は、ステヌゞの䞊で䜕䞇人ものファンに向けお䌞ばされおいた、あの矎しい手。けれど、今その手が求めおいるのは、䞖界の誰でもない、目の前にいるノノアだけだった。

「歌っおいるずきも、ずっず、君を芋おいたした。僕を、遠くにいかせないで 」

ヒロの切実な声が、冷たいコンクリヌトの郚屋に静かに響き枡った。

第4章 䞖界の裏偎で
コンクリヌトに囲たれた静かなVIPルヌム。

差し出された圌の倧きな手を、ノノアは、ただ芋぀めおいた。

圌の指先は、ステヌゞの熱量を吞い蟌んだたた、埮かに震えおいる。

぀い数分前たで、東京ドヌムの䞭心であれほどの光を攟っおいた圌の「手」が、今は自分䞀人に向けお䌞ばされおいる。その事実に、ノノアの身䜓は内偎から熱くなっおいくような、匷烈な目眩を芚えた。

「 ヒロさん」

ノノアは、吞い寄せられるように、ゆっくりず䞀歩を螏み出した。そしお、その差し出された手に、おずおずず自分の指先を重ねた。

その瞬間、ヒロは、息を呑み、力匷くノノアの手を握りしめた。そのたた腕を優しく匕かれ、ノノアの身䜓は、圌の座る゜ファのすぐ隣ぞず匕き寄せられた。

「遠くない、です」

ヒロは、握りしめたノノアの手を自分の胞元、ただステヌゞの興奮でドクドクず早く、激しく脈打぀錓動の真䞊に圓おた。

「ここに、いたす。いた、目の前にいるのが、本圓の僕です」

圌の切れ長の瞳が、至近距離でノノアを芋぀める。メむクが斜された圌の顔は非珟実的な矎しさを保っおいたけれど、その奥にある県差しは、あの雚の倜、新倧久保の路地裏で出䌚った「ヒ゜ン」そのものだった。

「ラむブ、本圓に凄かったです。私 あんなにたくさんのペンラむトを芋たの、初めおで。ヒロさんが歌うたびに、ドヌム党䜓が揺れお 本圓に、神様みたいでした」

ノノアは、胞に圓おられた圌の手の熱さを感じながら、ぜず心の内を吐露した。

「だから、少し怖かったんです。ヒロさんは、䞖界䞭のファンのもので 。私はただの、新倧久保の雑貚店でバむトしおる、どこにでもいる女の子だから。ここに私がいるこず自䜓、間違っおいるんじゃないかっお」

「 君は、間違っおない」

ヒロは、遮るように匷く蚀った。

そしお、もう片方の手で、ノノアの頬にそっず觊れた。圌の指先が、ノノアの柔らかい肌に觊れる。その指先から䌝わる圌の熱に、ノノアの喉の奥がキュッず熱くなった。

「五䞇人の声、すごく倧きい。でも、僕の心、からっぜでした。ノノアがここに座っおいるから、僕、最埌たで歌えたした。五䞇人の愛よりも、ノノアが僕を芋おくれおいる、その䞀぀の事実が、僕を動かしたす 」

圌は、ふっず芖線を萜ずし、ノノアの耳元に觊れた黒髪を、指先で優しく払った。

「きらきらしおいる䞖界、ぜんぶ嘘です。僕が本圓に欲しいのは この枩かい手だけです」

豪華な調床品が䞊ぶVIPルヌムの片隅で、二人は、寄り添うように座っおいた。呚りには、圌を称えるための豪華な花束や、手付かずのシャンパンが眮かれおいる。けれど、今の圌にずっお、そのどれもが意味を成さない。

ノノアは、圌の肩にそっず自分の頭を預けた。

かすかに銙るシトラスず、圌の熱い䜓枩。

二人の間に存圚しおいた芋えない壁は、この瞬間だけ、倜露のように溶けお消えおいく。

䞖界で䞀番きらびやかな堎所の、その䞀番暗い裏偎で、二人は確かに、二人だけの呌吞を分け合っおいた。

第5章 心地良い痛み
「じゃあ、たた 新倧久保で」

それが、冷たいコンクリヌトの楜屋裏で亀わした、圌ずの最埌の蚀葉だった。

深倜のドヌムから䞀人でタクシヌに乗り、新倧久保ぞず戻っおきたノノアは、アパヌトぞの路地裏をゆっくりず歩いおいた。

い぀の間にか日付は倉わり、倧通りの喧隒もすっかり息を朜めおいる。

アスファルトの䞊を冷たく照らす、叀びた街灯。

昌間はあれほどノノアの胞をざわ぀かせたECLIPSEのビゞュアル・ポスタヌも、暗闇の䞭で静かに眠っおいるように芋えた。

ノノアは、コヌトのポケットの䞭で、自分のスマヌトフォンをそっず握りしめた。指先から䌝わる機械の無機質な冷たさが、぀い䞀時間前たで觊れおいた圌の肌の熱、あのドクドクず力匷く脈打っおいた心臓の錓動を、たるで遠い異䞖界の出来事のように思わせる。

五䞇人の歓声を济びる、きらびやかな「ヒロ」。

楜屋の片隅で、自分の手を握りしめお「僕を遠くにいかせないで」ず瞳を揺らしおいた、寂しがり屋の「ヒ゜ン」。

やっぱり、違う䞖界の人なんだな 

ノノアは、倜空を芋䞊げた。雲の隙間から、ぜ぀んず頌りなく茝く星が䞀぀だけ芋えた。

あんなに近くで圌の手の枩もりを感じ、確かに同じ時間を共有したはずなのに、䞀歩こうしお自分の日垞に戻っおしたえば、圌は、たた、遥か圌方の宇宙で茝く恒星に戻っおしたう。

その絶察的な栌差に、胞の奥がキリキリず、小さく悲鳎を䞊げる。

けれど、䞍思議ず、その痛みは嫌なものではなかった。 むしろ、冷え切ったノノアの心に、自分が「生きおいる」こずを匷く実感させるような、埮かな熱を垯びた心地良い痛みだった。

䞖界䞭の誰䞀人ずしお觊れるこずのできない、あの完璧なスタヌの「玠顔」を、私だけが知っおいる。圌のあの掠れた優しい声も、トッポギをハフハフず食べた無邪気な笑顔も、党郚この胞の奥に、誰にも暎かれない宝物ずしお眠っおいる。

寂しい。けれど すごく、幞せ

アパヌトの叀びたドアを開け、郚屋の電気を぀ける。

盞倉わらず狭くお、味気のない郚屋。

けれど、ベッドの脇に眮かれたあの「黒いスマヌトフォン」を芋た瞬間、ノノアの唇から自然ず小さな笑みがこがれた。

画面はただ静かに沈黙しおいる。

けれど、ノノアには分かっおいた。この䞖界のどこかで、あのきらびやかな䞖界の䞭心で、圌もたた、自分ず同じようにこの静寂の倜空を芋䞊げ、自分を想っおいるのだず。

手が届かないこずの、心地よい痛み。

それは、ノノアの平凡だった毎日に、消えない色圩を鮮やかに焌き付けおくれた圌からの莈り物だった。

新倧久保の静かな倜が、二人を隔おるガラスを優しく包み蟌むようにしお、曎けおいった。

To be continued.

※良いねをいただけた䜜品のみ連茉を続けたす 莫倧な時間をかけお䜜った䜜品です。良いねをいただけるずありがたいです。
よろしくお願い申し䞊げたす🙇‍♂。

©2026 Ryoji M. All rights reserved.
本䜜品のキャラクタヌ、文章、画像の無断転茉・無断䜿甚は固くお断りいたしたす。

・タグ䞀芧
#恋愛小説 #恋愛小説が奜き #恋愛
#むラスト #むラストレヌタヌ
#物語 #ラむトノベル #ラノベ
#新倧久保 #東京
#ハングル #kpop



いいなず思ったら応揎しよう

この蚘事が参加しおいる募集