出生数
今朝の日経に、出生数が11年ぶりに増加したという記事があった。厚生労働省が28日発表した人口動態統計によると、本年1月から6月までの出生数が前年同期より0.8%(2788人)多い37万2068人で、上半期としては、2015年以来、11年ぶりに増加に転じたそうだ。
なんと言っても新型コロナウイルス感染症で落ち込んだ婚姻数が持ち直したことが大きな要因だとされている。急激だったここのところの出生減がいったん底を打つ可能性が取り沙汰されている。
結婚の増加が出生率の増加に結びつくかどうかとなると、結婚増加が出生増につながる効果が弱まってきているとの指摘もあり、今後は、希望する結婚や出産をためらわせる要因を取り除いていく作業が重要なポイントとなって来る。
今年上半期の婚姻数は、23万8979組で前年の同期間における数字を0.2%(418組)上回っている。婚姻数は出生数の先行指数とされている。日本人の婚姻数は戦後最少だった2023年の47万4741組を最低水準として、その後2024年、2025年と2年連続で増加している。
それに続く形で出生数の速報値も前年同月比増加するかたちの月が出始めていた。婚姻数はコロナ禍前の2019年の59万9007組と比べるとなお10万組以上少ない。現状が本格的な回復期に入ったとは言えず、この数字で以て出生数を回復させる効果には限界がある。
国立社会保障研究所・人口問題研究所(社人研)の2023年の推計では2025年に1200万人いるとした20台〜30台の女性は2050年には2割減の900万人台となってしまう。合計特殊出生率が横ばいと仮定しても、子供の数は減っていかざるを得ない。
現状、子供を持ちたいと考える経済環境を考えることも課題となっている。住宅費は上昇し、インフレが猛威を振るっていても、実質賃金が伸びず、社会保障費も手取りを圧迫する。
現況下の経済環境は、第二子以降を悩む水準だけで無く、第一子を持つことも難しくしているかもしれない。一方、女性の労働環境についても問題が山積みとなってはいないか。
最近は女性の社会進出が驚くほど進んできてはいるものの、出産・子育てで女性のキャリアが継続できないと言うのが、まず常識的に男社会に堂々と横行しているのが現状だ。
この労働環境を少しでも変えていかない限り、いくら経済環境が改善しても、子どもの数を増やして第二子・第三子まで育てようとすることが現実的ではなくなってしまう。
女性のキャリア重視の政策を推進すれば、日本の労働人口減少の問題にも一筋の光を当てることが可能となるかもしれない。
日本の出生率減少への対策で一番効果が期待出来る政策がこれではないかと思っている。女性の能力を最大限に引き出す方策が、日本が直面しているいくつかの課題を解決する一番近道ではないだろうか。
