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harusand
"サボテンの花"
"青春の影"に続き、財津和夫の曲をまたやってみたくなる。
その前に
財津和夫のような男女のあれこれが全くない、サボテンにまつわる昔話に付き合っていただきたい。
新しい話は特にないのでご勘弁を。
学生時代の夏休み、ヨーロッパ自転車旅行の締めくくりに、シチリア島を一周しようとしている途中の出来事。
島の南側を走っているとき、用意していた飲みものを午前中で飲み干してしまい、飲みものが買える店を探していた。
町からは離れていて、店が少ない。
たまに店があっても、日曜日なのでどこも閉まっている。
シエスタの国はその辺はしっかりしている。
荒涼とした大地の田舎道をひたすら進む。
ヤバい。
地中海性気候の乾燥した空気と照りつける太陽にさらされ続け、喉はカラカラ。
閉まっている店を見かけるたびに打ちひしがれる。
飢えより喉の渇きが辛いとはこのことか。
あっ!
道端に雑草のごとく生えている雑サボテンを横目で見ていたら、サボテンの実は食べられると何かの本で読んだ記憶がよみがえる。
すぐさま自転車を止め、トゲが刺さらないようにビニール袋を手袋の代わりにして、雑サボテンの実をむしり取る。
実を広げて中身をすする。
甘い!
ぬるい!
喉が潤う。
夢中で5つほど貪り食う。
ふぅ、助かった。
と思ったのも束の間、ビニール袋を貫通して、無数のトゲが指に刺さっている。
トゲを抜くのに相当な時間を費やす。
「このあとシチリアに行く」
ナポリのユースホステルで同室になったアメリカ人にそう言うと、右のコメカミに人差し指をチョンとあて、すぐさま左のコメカミもチョンとしてから、ヒューと口を鳴らす。
マフィア発祥の地、シチリアに行けば、弾丸がお前の頭を貫通すると言いたかったみたい。
