診断書を書いてもらうだけなのに、各地を奔走するCW【ハトの成長記/高齢者福祉編⑭】
ケースワーカー・ハトの成長記🕊️
高齢者福祉編です。
ケースワーカー2年目を迎えたハトは、さらに命の現場を目の当たりにしていくことになります。
▼前回のお話はこちら
経済的に虐待を受けた認知症高齢者の鳥越さん。
ハトは成年後見人の申立て手続きを進めていきます。
まずは診断書の依頼をしようとしますが…🕊️
高齢者福祉編第十三話
診断書を書いてもらうだけなのに、各地を奔走するハト🕊️
"もしもし、ハトですが。"
『あ、ハトさんこんにちは。鳥越さんの措置入所のことでは、色々とお世話になりました。』
ハトは、鳥越さんの担当ケアマネジャーに電話をしていた。
"実は、今鳥越さんの後見人を申し立てようと思ってまして。"
『そうなんですね。よかった。これで色々な手続きが進みますね。』
"はい。あの、そこで相談なんですが…。"
『何でしょう。何かできることがあれば。』
"医師の診断書が必要なんですが、診断書を依頼する前に、関係者の方に書いていただく書類があるんです。「本人情報シート」っていうものなんですが。"
『本人情報シート?』
"はい。主治医が鳥越さんの普段の様子も踏まえて診断書を書けるように、日頃から支援していただいている方が書く書類があるんです。もしよければ、今度説明にあがります。"
『分かりました。』
──翌日、ハトはケアマネさんのいる事業所を訪れた。
『わざわざ、来ていただいてすみません。』
"いえ、お忙しいのにご協力いただいてありがとうございます。早速、こちらの書類なんですが…"
本人情報シートの説明をするハト。
ケアマネさんいわく、ほとんどの内容がこれまでの関わりで書けるものとのこと。
『じゃあ、1週間くらい時間いただけるかしら?』
"はい。よろしくお願いします。"
『それはいいとして…。主治医の先生、後見人の診断書書けるかしら…。』
"えっ!?"
『鳥越さん、認知症なのに内科の先生に見てもらっていたんです。そのことは、ずっと息子さんにも指摘してたんですけど…。認知症の専門の先生じゃないんですよ。』
"えっ!?"
『先に先生に確認したほうがいいかも。』
"分かりました。どちらの先生ですか?"
『〇〇内科の院長先生です。』
ハトは職場に戻り、急いで先輩に報告した。
"先輩、後見人申立ての診断書って、内科の先生でも書けるんですか?"
「鳥越さん、精神科じゃないのか。まぁ、内科の先生でも問題はないんだけど…。書いたことがあるかどうかだな。」
"また、確認ですね…。"
「もし初めてだったら、説明に行ったほうが丁寧かもな。後見人の診断書は分かりにくいんだ。」
"分かりにくい?"
「診断書には、色んな項目があるんだけど、一番大事な項目があるんだ。」
"何ですか、それ?"
「判断能力についての項目があるんだけど、この項目でどこにチェックするかで、後見・補佐・補助のどの類型で申立てるかが決まるんだ。それなのに、明確にそう書いてないんだ。」
"じゃあ後見レベルと思っていたのに、補佐レベルにつけてしまうこともあるんですね。"
「まぁ、そういうことだ。おれも先生への説明が不十分で、明らかに後見レベルなのに補佐になりかけたことがある。」
"それは困りますね…。"
──ということで、内科の主治医に説明に行くハト。
何とか診断書を書いてもらう手筈となった。
"ふぅ。診断書の依頼だけなのに、何でこんなに動くんだよ。まぁ、これで一件落着か。"
「何いってるんだ。まだ終わってないだろ。ちゃんと病院あてに診断書作成の依頼文を出さなきゃだろ。」
"まだあるのー!?"
まずは診断書の依頼を終えたハト。
次に待ち受けるのは、鳥越さんの財産状況の確認であった。
次回、今度は書類地獄に陥るハト。財産調査は超大変!?
ハトの成長記、描いてます🕊️
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