首都直下地震対策の見直しで注目される感震ブレーカー
政府は一昨日、首都直下地震の発生に備えた「緊急対策推進基本計画」の改訂を閣議決定しました。
報道では、死者数や建物被害を大幅に減らす目標が掲げられていますが、その中で住宅に関わる対策として注目したいものがあります。
それが「感震ブレーカー」です。
耐震性能や備蓄については知っていても、感震ブレーカーという言葉は初めて聞いたという方も多いかもしれません。
しかし、地震後の火災から家や地域を守るために、とても重要な設備だと思っています。
地震のあとに起きる火災
地震による被害というと、建物の倒壊を思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん倒壊を防ぐことは大切です。
一方で、大きな地震のあとには火災も発生します。
その中には「通電火災」と呼ばれるものがあります。
例えば、地震で電気ストーブが倒れたり、家具の下敷きになったコードが傷ついたりすることがあります。
その後、停電が復旧して再び電気が流れたときに、発熱や火花によって火災が発生することがあります。
阪神・淡路大震災や東日本大震災でも、このような火災が問題になりました。
感震ブレーカーとは何か
感震ブレーカーは、大きな揺れを感知すると自動的に電気を遮断する装置です。
震度5強程度以上の揺れを感知すると、ブレーカーを自動で切り、家全体への電気供給を止めます。
つまり、
地震が起きる
↓
大きな揺れを感知する
↓
自動で電気を止める
↓
停電が復旧しても電気が流れない
↓
通電火災を防ぐ
という仕組みです。
難しい設備ではありません。
「地震のあとに家が燃えないようにする設備」
と考えるとわかりやすいと思います。
新築なら付いているのでしょうか
実は、新築住宅だからといって必ず設置されているわけではありません。
ただし近年は、防災意識の高まりもあり、感震ブレーカーを採用する住宅が少しずつ増えています。
種類としては、
・分電盤に組み込まれているタイプ
・既存の分電盤に後付けするタイプ
・おもりの落下を利用する簡易タイプ
などがあります。
費用も数千円程度のものから、数万円程度のものまでさまざまです。
住宅を新築する場合はもちろん、既存住宅でも比較的導入しやすい設備といえます。
ご自宅に付いているか確認してみましょう
感震ブレーカーは、設置されていても普段はほとんど意識することがありません。
そのため、「付いているかどうかわからない」という方も少なくありません。
まずは分電盤を確認してみましょう。
分電盤は、玄関や洗面所、廊下などの壁面に設置されていることが多い設備です。
扉を開けると、ブレーカーが並んでいます。
その中に、
「感震」
「感震ブレーカー」
「感震機能付」
「感震リレー」
などの表示があれば、感震ブレーカーが組み込まれている可能性があります。
また、分電盤の内側に説明ラベルが貼られている場合もあります。
分電盤の型番をスマートフォンで検索すると、感震機能の有無がわかることもあります。
なぜ自動で止めることが大切なのか
「避難するときに自分でブレーカーを切ればよいのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
確かに、落ち着いて行動できればその方法でも効果があります。
ただ、実際の地震ではそう簡単ではありません。
強い揺れの中で避難を優先しなければならないこともありますし、留守中に地震が発生することもあります。
そのため、人の操作に頼らず、自動で電気を止める仕組みには大きな意味があります。
これからの家づくりで考えたいこと
これまでの地震対策は、「建物が倒れないこと」が中心でした。
もちろん、それは今でも最も大切なことです。
しかし近年は、
・倒壊しないこと
・火災にならないこと
・地震後も暮らしを続けられること
まで含めて考えるようになってきています。
耐震等級2や3が命を守る対策だとすれば、感震ブレーカーは地震後の火災から家と地域を守る対策です。
家づくりでは目立たない設備かもしれません。
それでも、大きな地震が起きたときに家族や住まいを守る力になってくれると思っています。
首都直下地震への備えが見直される今だからこそ、一度ご自宅の分電盤を確認してみてはいかがでしょうか。
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