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オープンLLM勢力図2026。中国勢の攻勢、OpenAIの参入、Metaの離脱

2026年のオープンLLMは中国勢が主役です。OpenAIが初参入し、Metaのフラッグシップがクローズドに転じた激動の1年を、1枚の地図に整理します。

「オープンモデルはどれを選べばいいか」という質問の答えは、この2年で完全に入れ替わりました。誰が何を出し、誰が何を出さなくなったか。モデル名の羅列ではなく、プレイヤーの動きで勢力図を描きます。

2026年の勢力図を一枚で


表1: 陣営 / プレイヤー / 代表モデル / ライセンス / ローカル実用度


要点はこうです。ローカルで現実的に動かせる主力はQwen3.5・gpt-oss・Gemma 4の3系統になり、いずれもApache 2.0。2年前の「まずLlama」という常識は残っていません。

主役交代: 中国勢のMoE攻勢

現在の主役はAlibabaのQwenです。Qwen3.5は2026年2〜3月に0.8Bから397B MoEまでを段階公開し、サイズ展開・日本語品質・Apache 2.0ライセンスの三拍子で「迷ったらQwen」の地位を固めました。日本語派生モデルのベースも、Llamaから Qwenへの移行が進んでいます。

DeepSeekは2026年4月にV4系をMITライセンスで公開しました。100万トークンのコンテキストを備えた1.6兆パラメータのMoEで、フロンティアモデルとの差を数ポイント台まで詰めています。ただし本体はローカル向きではなく、手元で動かす実体は小型版・蒸留版です。Kimi(Moonshot)・GLM(Zhipu)・MiniMaxも同様に、巨大MoEをオープンに出しつつ実利用はAPI経由が中心という構図です。

中国勢の共通戦略は「最先端を寛容ライセンスで公開し、エコシステムを取る」こと。オープンモデルの技術水準を引き上げているのは、現時点では間違いなくこの陣営です。

OpenAIの初参入: gpt-oss

2025年8月、OpenAIがGPT-2以来となるオープンウェイトモデルgpt-oss(20B/120B、Apache 2.0)を公開しました。「クローズドの代名詞」だった企業の参入は、オープンモデルが本流になったことの何よりの証明です。

日本では、東工大系チームによる日本語強化版(gpt-oss Swallow)が登場し、16GBメモリで動く20Bクラスの実用選択肢として広がっています。

Metaの離脱とGoogleの方針転換

対照的な動きが2つあります。

Metaは2025年4月のLlama 4が期待に届かず、最上位モデル(Behemoth)の公開は見送られたと報じられました。2026年に発表された新しいフラッグシップ(Muse Spark)は重み非公開のプロプライエタリモデルです。Llama系のオープン公開が終了したわけではありませんが、オープンモデルの最前線をMetaが引っ張る時代は終わった、というのが実務側の受け止めです。オープンLLM運動の火付け役だったLlamaは、ELYZAや旧Swallowなど日本語派生モデルの土台という形で遺産を残しました。

Googleは逆方向に動きました。Gemma 3まで独自ライセンスだったものを、2026年4月のGemma 4でApache 2.0に切り替えています。モデルの性能・ライセンス・サイズ展開が揃い、GemmaはローカルLLMの定番の一角になりました。

同じ1年で「オープンの旗手がクローズドへ、クローズドの巨人がオープンへ」。陣営は固定ではなく、常に動くものだと分かる好例です。

欧州と日本

欧州ではMistralがMistral Large 3(2025年12月)をApache 2.0で公開し、フラッグシップ級を寛容ライセンスで出す路線に回帰しました。EUのデータ主権(ソブリンAI)文脈で、欧州企業の選択肢として存在感があります。

日本は学術系のSwallow・LLM-jpが日本語特化の基礎を支え、商用系では法人向け国産モデルが独自の市場を作っています。国産モデルの比較は『国産オンプレLLM比較2026。tsuzumi・PLaMo・cotomi・Takaneをどう選ぶか』で詳しく扱っています。政府のソブリンAI開発(デジタル庁の「源内」など)も動き出しており、日本語圏の選択肢は増える方向です。

実務者への含意: 何を選び、何に備えるか

勢力図から導ける実務の原則は3つです。

  1. 特定モデルに固定しない設計にする: 接続はOpenAI互換APIで統一し、RAGや業務フローはモデル交換可能に作る。今年の最適解が来年の最適解である保証はない

  2. ライセンスは都度確認する: 同じシリーズでも世代で条件が変わる(Gemmaが好例)。稟議前の確認手順は『[2026年7月更新] オープンLLMライセンス早見表。「オープンソース=無制限」ではない』にまとめています

  3. 3〜6ヶ月の世代交代を運用に織り込む: オープンモデルは更新が速い。モデル入れ替えの手順と担当を最初から決めておく

まとめ

  • 2026年のローカル主力はQwen3.5・gpt-oss・Gemma 4の3系統。いずれもApache 2.0

  • 中国勢(Qwen・DeepSeek等)が技術水準を牽引。最先端を寛容ライセンスで出す戦略

  • OpenAIが初のオープンウェイトで参入、Metaのフラッグシップはクローズドへ、GoogleはApache 2.0へ。陣営は1年で入れ替わる

  • 実務はモデル交換可能な設計・ライセンスの都度確認・世代交代前提の運用で備える

主な参考資料: Alibaba Qwen3.5リリース(CodeZine)DeepSeek-V4 Preview公開(パレイド)Google Gemma 4発表(GIGAZINE)Meta Muse Spark解説(AI革命)Introducing Mistral 3(Mistral AI)

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