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力を抜いていいと言われても分からなかった。

少し力を抜いてみる。

いつ、どこで?
それができる時があったんだろう?


思い出したのは勤めていた頃の
朝だった。

アラームで目が覚める
「あー、起きたくない。」
「あと5分……。」

身体が重い‥まだ起きたくない。
でも
「時間がない」
「間に合わない」から、なんとか起きる。

眠たいまま着替えて顔を洗って。
洗濯機を回して‥そのままお弁当を作る。

身体も手も、まるでロボットみたいに動いていた。
毎日、同じことの繰り返しで身体が勝手に覚えていた。

でも、頭と心はロボットみたいには
いかなかった。

「昨日のお弁当にはこれを入れたから
別のおかずにしよう」
「洗濯が終わったから干さないと」
「これもやらないと」
次から次へと、やることが浮かんでくる。

それから慌てながら、おにぎりをかじる。
まだ片付けもある。
化粧して支度もしないといけないのに‥

一呼吸する暇もない。
座っている暇もない。
時間がない‥
もちろん、スマホを見る時間なんてない
朝だった。
だから「少し力を抜いてみよう」と言われても

どこで?
いつ?
どうやって?
力を抜けばいいのか、分からなかった。

ただ、毎日の生活を
普通にしていただけだった。

でもあの頃の私は
きっと
家族の生活を止めないこと。
自分の生活も、ちゃんと続けること。

今日もいつも通りちゃんとやらなきゃ
と動き続けることで、崩さないようにしていたんだと思う。
「頑張ってる」とすら思ってなかった。

だから
「疲れた。」
「もう少し休みたい。」
そんなことを言うこともなかった。
言っている暇もなかった。

そんなこと言ってられないから。
って、自分で飲み込んでいた。

そして一番言えなかったのは

「毎日ちゃんとやってるけど、本当はちょっとしんどい」だった。

「ちゃんとできているから大丈夫」と
思っていたからこそ、言えない。

そして大丈夫。そう思っていた。

でも本当は
「私もちょっと休みたい」だった。

もし今、あの時の私に伝えるなら
疲れた」って言っていいし
私だって休みたい」と思ってもいい。

力を抜く場所が
分からなかっただけかもしれないから。

そして
力を抜くって
何もしないことじゃない。

私、呼吸してるな。
そして少し座ってみる。
一瞬でもいいから立ち止まってみる。

「もう少し頑張って。」
じゃなくて
「ちょっと休んでもいいよ」

「少し力を抜いてね」と言ってあげたい。


読んでくださり、ありがとうございます。

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