【要約・感想】『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』加藤俊徳|40代・50代からでも脳は伸びる大人の勉強法
「最近、人の名前がすぐ出てこない」「新しいことを覚えるのがしんどい」——40代を過ぎたころから、私はそんな“もの覚えの悪さ”を年のせいにしていました。
でも、加藤俊徳さんの『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』(Kindle版もあり)を読んで、その思い込みがきれいにひっくり返りました。結論から言うと、**大人の脳はまだまだ「伸び盛り」**なんです。

この本を書いたのはどんな人?
1万人以上を診てきた脳内科医
著者の加藤俊徳さんは、1961年生まれの脳内科医・医学博士。加藤プラチナクリニック院長で、株式会社「脳の学校」代表、昭和大学の客員教授でもあります。
すごいのは経歴だけではありません。1991年に、いまや世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測「fNIRS(エフニルス)法」を発見した“生みの親”なのです。1995年から2001年にかけては、アメリカのミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究にも取り組んできました。
脳を「光」で測る技術を世界に先駆けて生み出し、さらにその技術で認知症の最前線まで見てきた——そんな人が語る「脳の使い方」なので、言葉の一つひとつに重みがあります。
だから説得力がまるで違う
加藤さんは、独自の「加藤式MRI脳画像診断法」を使い、小児から超高齢者まで1万人以上の脳を実際に診てきました。
机上の理論ではなく、1万人分の脳画像から導き出した話。
だからこそ「気合いで頑張れ」的な精神論がなく、脳のしくみに沿った具体策として腑に落ちてきます。
大人の脳は衰えていない、むしろ「今が旬」
もの覚えの悪さは老化のせいじゃない
本書のいちばんの衝撃はここでした。記憶力の低下やもの覚えの悪さは、加齢による“脳の老化”が主因ではない、という主張です。
むしろ大人の脳は、学生時代よりも情報を整理し、意味づけできる「いい状態」になっている。30代も40代も50代も、60代以降でさえ、脳は伸び盛りだというのです。
本書には「年代別 脳の取り扱い説明書」まで用意されていて、自分の年齢に合わせた読み方ができるのも親切だと感じました。「もう遅い」と思っていた年齢が、実は学び直しのベストタイミングだったと知るだけで、気持ちがふっと軽くなります。
大人には大人の勉強法がある
学生時代のような丸暗記は、大人の脳には向いていません。経験と結びつけて理解する大人には、大人に合った学び方があります。本書は序章「大人には大人のすごい勉強法がある」から始まり、記憶力アップ法、やる気の出し方、脳番地別の勉強法、習慣術まで、章を追うごとに実践レベルで具体化されていきます。
たとえば「興味の持てないことをどう覚えるか」「やる気が出ない日にどう机に向かうか」といった、大人がリアルに困る場面への処方箋が並んでいるのが印象的でした。

つまり「若いころのように覚えられない」のは当たり前で、やり方を大人仕様に切り替えればいいだけ、というわけです。
明日から使える「すごい脳の使い方」
脳を8つの「脳番地」で考える
加藤さんは脳を、思考・感情・伝達・理解・記憶・聴覚・視覚・運動の**8つの「脳番地」**に分けて考えます。
ポイントは、記憶だけに頼らないこと。たとえば覚えたいことを声に出して読むと、視覚・聴覚・運動の脳番地が同時に働き、記憶に残りやすくなります。黙って眺めるだけの暗記より、口や手を動かしたほうが脳全体が刺激されるというわけです。
長時間の勉強でも、少し体を動かすと「運動脳」のフィードバックが働いて脳全体の活性が上がる、という話も納得でした。眠くなったら散歩する、書きながら覚える——そんな当たり前の工夫に、ちゃんと脳科学の裏づけがあると知ると、続ける気になります。
時間周期を味方につける
もう一つ実践しやすいのが、復習のタイミングを「時間周期」で設計する方法です。

72時間、1週間、3ヶ月、1年——このリズムで学び直すと、長期記憶に定着しやすいとされます。詰め込んで一晩で忘れるのではなく、忘れかけたころにもう一度触れる。そのタイミングを最初から決めておくのがコツです。
私も資格の勉強でこの周期を意識してみたら、驚くほど忘れにくくなりました。「3日後にもう一度」「週末に見返す」とスマホのリマインダーを仕込むだけ。手間はほとんどかからないのに、定着率がまるで違ってきます。
読んでみて感じた注意点
正直に書くと、「脳番地」は加藤さんが独自に体系化した概念で、学界標準の脳の区分とまったく同じではありません。効果にも個人差があります。
なので本書は「読めば天才になれる魔法の本」ではなく、再現しやすい習慣のカタログとして受け取るのが正解だと感じました。全部を一度に真似しようとせず、自分に合いそうな方法を一つずつ試すのがおすすめです。それでも、日々の勉強や仕事にすぐ取り入れられるヒントが驚くほどたくさん詰まっています。
まとめ
記憶力の低下は「老化」ではなく「使い方」の問題。大人の脳は今が旬
著者は1万人以上を診てきた脳内科医で、内容に確かな裏づけがある
8つの脳番地を連携させ、声に出す・時間周期で復習することが鍵
学生時代のやり方を捨て、大人仕様の学び方に切り替えよう
「魔法」ではなく「習慣」として、できるものから試すのが吉
「もう年だから」と学びをあきらめかけている人こそ、読む価値があります。まずは1章分だけでも、通勤中のスマホで読んでみてください。半年後、あなたの脳は今より確実に“伸びしろ”を取り戻しているはずです。
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