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散文詩 雨が映している

憧れていた。

群青の瞳。
しなやかな指先。
鎖骨の窪み。

空が降る。
雨が通り抜けていった。

焦がれは心を焼いた。
黒い目。
不揃いの爪。
痩せぎすで浮いた肋骨。

うなだれたまま。
雨に打たれている。

足元に溜まる水。
映らないほど暗い。
それでもあなたの姿を探す。

あの日のあなたはどこに。
コーヒーカップをつまんで。
遠くの誰かに向けた顔。

憧れていた。
それは過去へ、雨水が流していく。
何も映らない。
月ですらも、見えない。

数刻待てば、明星が昇ってくる。
そこに私はいないだろう。
憧れだけが映される。
わずかに残った土くれ。
固まっている足跡。
流されなかった、条理の外れ。


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