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丁寧じゃない着物暮らし / 夏のお悩み編

 麻の着物が大好きだ。風が吹くと 背中に風が入って来て その涼しさが心地よいのだ。気を付けていても 洗うと縮んでくるので、同じものばかり着るのを控え、従って ちょっと枚数が増えた。
 働いていた頃の生活を前提にすると、私の様な者が着物を着るのは 週1~2回程度。7~8月だったら 4着を2回ずつ着れば充分なのだよ、本来なら。着る体は 1つしかないからね。箪笥の肥やしにするのが嫌なら、ひたすら着るしかない。
 ここの所、体調がいっぱいいっぱいで 外出の機会が減ったのと、猛暑の夏にフル装備の着物で出かける気力を失いがちなことで、麻の着物達の出番は極端に減っている。いわんや夏の絹物をや、ここ暫く着た記憶が無い。

◎丁寧な暮らしは 性に合わない

 着物好きの私が 着物での外出を面倒だなどと言うのは どうかと思う。
でも、面倒なんだから仕方ない。これしきの事で 本心にフタをしたって 無意味だもの。具体的に 何が面倒なのか、考えてみた。

① UV対策が面倒 その1
 夏に限ったことではないが、着物を着る時は 首を日焼けしない様に気を遣う。ただでさえ年齢とともに 首の皮膚が衰えてきているから必死だ。汗に強い日焼け止めを 襟足というか首というか、もう殆どソコ 背中やん という辺りまで、しっかりと塗る。更に上から シルクパウダーをはたく事もある。汗に強いだけあって、帰宅後のクレンジングが面倒だ。

➁ UV対策が面倒 その2
 日焼け止めは 肘から下と手の甲にも塗る。
「手が老けるとあかん」と言っていた 亡き母の教え。頑張って塗り過ぎて 皮膚がかぶれる時もあるので、日焼け止めクリームは厳選しなければならない。アームカバーも必須。

➂ 熱中症対策が面倒
 バッグには水筒と保冷剤を入れる。元気だった時は、ハンカチに包んだ保冷剤を 帯にはさんでいたが、最近は 胃腸が弱っているので、取り出して涼むだけで我慢する。水筒が重い。扇子を帯に挿すのを忘れそうになる。

④ 下着を省略する さじ加減が面倒 その1
 麻着物は大抵透ける。なので襦袢(麻)を着る。和装ブラは嫌いで、半袖カップ付インナーの上に襦袢、脇汗による着物の汗染み対策になって 丁度いい。透けない素材なら カップ付インナーの上にうそつき襟。襦袢の替え袖を インナーの肩に縫い付けると楽だとわかったが、縫い付けるのが 手間。半襟を縫い付けるのが手間なのは 言うまでもないが、ファスナー式などはゴワゴワして嫌なので 凄く面倒だが手縫い。

⑤ 下着を省略する さじ加減が面倒 その2
 暑くても寒くても 補正なんぞしないが、夏は 帯まわりの汗対策をしないと、着物か帯に 色移りや染みが残る場合がある。帯の色と素材によっては、結び目辺りを目指して 襦袢の上に ヘチマのパッドをあてる。位置に気を付けないと 透けて目立ってやり直し。ヘチマの小物は かなり使い倒さないと ゴワゴワチクチクしてストレス。

⑥ つれあいのあれこれ
 「おーい、まだー?」
玄関で、白杖片手に むーさんが待ちかねている。で、ワタシが気合い入れてお洒落しているのに、おっさん 着古したポロシャツいっちょにサンダルか??しかも お腹まわりが ぱっつんパッツン・・・・・。
「えー、だって暑いもーん」
「せめて帽子くらい かぶって頂戴」
むーさんは 私の肩でなく 二の腕につかまって歩く。みやつ口から手を入れて、ダイレクトに腕に触るの セクハラみたいだから やめて欲しい。

⑦ いつもの交差点が 超絶面倒
 日除けのストールを 衣文を覆う様に羽織り(これだけで既に物凄く暑い) バッグをさげ 日傘をさし、腹パツむーさんに 二の腕を掴まれながら(更に暑い)歩く。交差点を渡れば駅だ。
 近年 この交差点界隈には高層ビルが増え、途轍もない勢いで風が吹く。涼しいとか言ってる場合ではない。傘は裏返り 時々壊れる、着物だけでなく襦袢の裾も はだけて レギンス又はステテコが丸見え、褄を引っ張っておさえようにも、日傘とバッグで両手が塞がっている。こんなタイミングで 向かいから 暴走自転車が来る!あたふたする内に、羽織っていたストールが 強風で片方飛んでるって!勿論、整えた髪はボサボサだ。

⑧ ようやく駅だ人混みだ
 建物のガラス戸に、髪ボッサボサの自分が映る。慌てて髪をなでつけ、日傘を閉じてバッグに入れ・・たいけど 水筒が邪魔して入らない。バッグにぶら下げた傘ポーチのファスナーを開ける途中で ストールが肩からずり落ちる。改札はすぐそこだよ、外国人観光客のキャリーケースが迫って来る・・・・・・・!
 もうやだ これから電車に乗り目的地まで行き、更に帰宅した後まで、いくつの関門があるんだ?!早くもストレスで みぞおちが ギューーーーーー(以下続く)

◎着物特有のストレス

 なんと、夏のお出かけストレス、「往路」しかも 最寄り駅に到達する 段階だけで こんなに出てきたよ。
 ここの部分を仮に 洋服を着た場合と比較したら、どうなるか?
着物本体を着るまでの「下ごしらえ」の段階と、強風下での「裾はだけ」、着物着用による 余分な面倒くささの元は そこだ。
 洋服でも マリリン・モンローのスカートみたいになることは よくある。強風の様な自然現象は 如何ともし難い という事にして、だったら「下ごしらえ問題」を克服して 洋服を着た時と同程度のストレスに抑えることが出来れば、この先おばあちゃんになっても 私は着物を着続けられ、和装って良いよと胸を張って言えることになる。

 ということはだ、今年は 今まで以上に 「夏着物の下着と日焼け対策を 簡単に済ませる問題」に取り組んで行くしかない。私の可愛い着物たちを 「ひと山10円」にしない為にも。



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