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映画『生きる』が教えてくれた、本当の幸せとは

皆さんは、黒澤明監督の映画『生きる』をご覧になったことはありますか。

私は銀行員時代、人間力向上研修の教材としてこの映画を観ました。

何十年も前のモノクロ作品ですが、私の中では鮮やかな色彩をもって、今も心に残り続けている一本です。

映画『生きる』のあらすじ

主人公は、市役所で長年働いてきた一人の課長。

毎日決められた仕事を淡々とこなし、前例どおりに仕事を進める。

いわゆる「縦割り行政」の中で、何十年も同じような毎日を送っていました。

ところがある日、自分が胃がんであり、余命半年であることを知ります。

突然、人生の終わりを宣告された主人公は、

「今まで自分は何のために生きてきたのだろう」

と考え始めます。

最初は飲み歩き、遊び、贅沢をしてみます。

しかし、心はまったく満たされません。

そんな時、市役所を辞め、おもちゃ作りの仕事を始めた若い女性と再会します。

彼女は、

「子どもたちが喜んでくれることが嬉しいんです。」

と、心から楽しそうに話します。

その姿を見た主人公は初めて気付きます。

「誰かの役に立つことこそ、人を本当に幸せにする。」

そして残された人生を、公園を一つ造ることに捧げるのです。

なぜ銀行が教材に選んだのか

私は当時、

「なぜ銀行の研修で、この映画を観るのだろう」

と思っていました。

今振り返ると、その理由がよく分かります。

銀行が本当に伝えたかったのは、

「目先の利益だけを追うな。」

ということだったのでしょう。

お客様の役に立つことを真剣に考える。

困っている人を助ける。

信頼を積み重ねる。

その結果として、銀行にも利益が返ってくる。

仕事とは、本来そういうものなのだと教えたかったのだと思います。

人は「役に立つこと」で幸せを感じる

私は銀行員として多くのお客様と接してきました。

そして震災も経験し、脳梗塞にもなりました。

その中で感じるようになったことがあります。

人は、

「誰かより優れている」

ことで幸せになるのではありません。

「少しだけ誰かの役に立てた」

そう思えた時に、心の奥から満たされるのです。

だから特別な才能は必要ありません。

世界を変える必要もありません。

ほんの少し、自分が得意なことで誰かを助ける。

その積み重ねが、自分自身の存在価値になっていくのだと思います。

実は、「役に立っている」と思えるだけでもいい

ここで、私が一番伝えたいことがあります。

それは、

本当に役に立っているかどうかよりも、自分が「誰かの役に立とう」と思えることが大切なのではないか。

ということです。

人は存在しているだけで価値があります。

子どもにとって親は、そこにいてくれるだけで安心できる存在です。

親にとって子どもは、生きていてくれるだけで幸せです。

配偶者も、友人も、

「いてくれるだけで心強い。」

そんな存在があります。

だから、

何か特別なことをしなければ価値がないわけではありません。

そのままのあなたにも、すでに誰かを支えている価値があります。

もし、それでも自分の存在価値が分からなくなった時は、

・家族に「ありがとう」と伝えてみる

・誰かの話を最後まで聞いてみる

・困っている人に一言声を掛けてみる

・笑顔で挨拶してみる

そんな小さな行動で十分です。

誰かを少しだけ笑顔にすること。

その積み重ねが、自分自身の人生も豊かにしてくれるのだと思います。

最後に

映画『生きる』の主人公は、

人生の最後になって初めて、

「誰かの役に立つことが、自分にとって一番の幸せだった。」

と気付きました。

私は、この映画を思い出すたびに考えます。

人生の終わりに、

「もっとお金を稼げばよかった。」

と思う人は少ないかもしれません。

でも、

「誰かの笑顔のために生きられてよかった。」

そう思えたら、それはきっと幸せな人生なのではないでしょうか。

私は、震災や病気を経験してから、「人生は長さではなく、誰かの心に何を残せたか」なのだと思うようになりました。

今日、誰か一人の笑顔につながることができたなら。

それだけで、その日はきっと「生きた一日」なのだと思います。

私もそんなふうに、残りの人生を歩んでいきたいと思っています。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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