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「クラスみんなでのれるんちゃう⁈」——"実物"で10000がドカンと伝わる!〈日常的算数②〉


はい、帰ってまいりました、シリーズ 「日常的算数」
教科書の中じゃなくて、"生活のど真ん中"にころがってる算数を、子どもとどう楽しむか。

第2回のテーマは……10000までの数
そして今日の主役は、この人(モノ)です。

「10000(いちまん)のシート」

新聞紙をつなぎ合わせて作った、でっかいでっかい紙のシート。
これがね、授業のあと、教室で"伝説"になるんです。


まずは、ある日の帰りの会から

いきなりですが、いつかの2年1組、帰りの会。

「今日のキラリさんを発表してください」
「はい、中田さん」
「今日、休み時間に、いちまんのシートであそんでいたら、たき野さんが、やぶれたところをテープで直してくれました。」
(パチパチパチ👏)

……かわいくない?これ。
算数の教具が、破れたら直したくなるほど愛される存在になってるんですよ。
なんで子どもたちはここまで「いちまんのシート」に愛着をもったのか。
そのヒミツ、授業をのぞいて明かしていきますよ〜。

積み上げの美学——「10こ集まると、両替!」

この授業、いきなり10000が出てくるわけじゃありません。
1 → 10 → 100 → 1000 → 10000 と、階段をのぼるように積み上げていきます。
しかも全部、手にとれる"実物"で。
ここが今日のキモです。

登場人物を紹介しましょう。

  • 1のタイル:2cm角の厚紙。数を表すのに毎回使ってきた、見慣れたやつ。

  • 10のタイル:1のタイルを縦に10こ並べた長さ、2cm×20cm。たし算ひき算でさんざん使った、当たり前の相棒。

  • 100の板:10を横に10本ならべた20cm×20cmの正方形。これも、いつものやつ。

ポイントは、「10こ集まったら、次の位のやつと"両替"」 というルール。
1が10こで10と両替、10が10こで100と両替。
このリズムを、子どもたちはもう体で知ってるんですね。
だから話が早い。

いよいよ問答スタート!

さあ、教室の空気を感じてください。
先生(私)と子どもたちの、テンポのいいやりとり、いってみましょう。

私「これは1よね?」(1のタイルを見せる)
子「1」
私「1が10こで?」
子「10!」
私「10が10こで?」
子「100!」

ここまでは準備運動。全員、余裕の表情です。
そして——ここからが本番!

私「100が10こで?」(ニヤニヤ)
子「あー!長いやつちゃう?」
 「前見たアレ!」
 「長い巻き物みたいなやつくるで!」

キタキタキタ😏
子どもたち、前に1000を学習した時の記憶を引っぱり出してきたんです。
目がキラキラしてます。

私「100が10こで?」(手に、巻いた紙をもつ)
子「1000!!!」
私(巻き物を勢いよく広げる)
子「キャー!」「ながー!」「キター!」

この巻き物、100の紙を縦に10枚ならべた 20cm×2m の長〜い紙。
以前1000を学習したときに見せたやつを、ちゃーんと覚えてるんですね。
記憶と目の前の実物が、バチッとつながる瞬間。
たまりません🤭

そして、ラスボス「10000」登場

さあ、いよいよクライマックス。

私「じゃあ、1000が10こ集まると、どんな数になる?」
子(キラキラ)(いすからおしりが浮いてる)
 「えー!もっとでっかい!」
 「いちまん!」
 「これぐらい!」(手を広げる)

もう、体が前のめり。
予想が止まりません。
ここで焦らず、みんなで数えて確かめるのが大事。

私(折りたたんだ新聞をもつ)
子「でたー!」(息が荒い)
私「みんなで数えよう!」
私・子「1000が1こで1000、1000が2こで2000、……1000が9こで9000、1000が10こで、10000!
私(新聞をバサッと広げる)「10000!

その大きさ、2m×2m。黒板の横3分の2、縦は床まで届くサイズ。
教室に、こだまが響きます。

子「ぎゃー!!!」(数人立ち上がってる)
「うわー!!」「でかー!!!」「やばー!!!!」
子「クラスみんなでのれるんちゃう⁈
子「のってみよ!」
私「いいよ!休み時間にやってみて」
子「イェーイ!」

もう、大興奮🤣
「10000ってこれくらい大きい数なんだ」が、理屈じゃなくて体でわかった瞬間です。

私「よし!じゃあ10000がどんな数なのか調べるでー!」
子「おー!」

ここから先の「10000という数のしくみを調べる」学習に、最高の助走がついたわけですね。

授業のあと——「シート」は日常になった

さて、授業が終わってからが、また面白い。

「10000のシート」は、コの字型に並んだ机の真ん中にドーンと広げられ、
子どもたちはその上で、飛んだり、寝転んだり、ピクニックごっこをしたり。
破れたら直し、休み時間が終わったら、みんなでていねいにたたんでおく。

そして——ブームが過ぎても、雨の日なんかにふと思い出されて、また引っぱり出される。
そんな、教室の"日常"になっていったんです。

冒頭の帰りの会で「テープで直してくれました」が出てきたの、これで納得でしょう?
学びが、楽しい思い出とセットで、子どもの中にしっかり残ったんですね。

で、なんで"実物"がそんなに効くの?

今日いちばん伝えたいのが、ここ。
実物の力です。

  • 実物は、受け手を選ばない。得意な子も、そうじゃない子も、五感に直接ドンと届く。

  • 触ることで、学びが"経験"として残る。 「見た」「聞いた」より、「さわった」「のった」は忘れない。

  • 教師にとってもわかりやすい。 子どもの「ぎゃー!」を見れば、どう伝わったか一発でわかる。

デジタルの数字を「10000」と書くのは一瞬。
でも、その"10000"がどれだけデカいのかは、紙で2m×2mを広げてみせて身体に伝える。
ここを丁寧にやると、子どもの「わかった!」がドバッと増えるんです。

正直、夜なべして新聞をつなぎ合わせるのは、けっこうな手間ですよ。
でもね——あの「ぎゃー!!!」の興奮を浴びられたら、もう満腹。
お肌つるつる😊
教具工作、やめられません。

おわりに

生活の中の"数の大きさ"って、教える側にはあたりまえすぎて、つい「10000は千の10倍ね」で済ませがち。
でも、そこを実物でドカンと見せて、さわらせて、のらせてあげると、
数がただの記号じゃなく、"体で知ってるもの"に変わる。
これ、10000以外にもぜんぶ効く話なんですよね。

というわけで、子どもたちの「わかる」「できる」「楽しい」を、これでもかと引き出していきましょう!

ちなみに——
小数を教えるとき、同じパターンのちっちゃいバージョンもやりました。
その話は、またいつか^_^

次回の「日常的算数」も、お楽しみに〜。
それでは、また!😊

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