リハビリテーションでは本人より、家族との関わりが困難な事例が多い?
リハビリテーションでは本人より、家族との関わりが困難な事例が多い?
結論から言うと、**「本人へのアプローチと同じ、あるいはそれ以上に家族との関わり(家族支援)に難しさを感じる事例は非常に多い」**というのが、リハビリテーション現場のリアルな実態です。
リハビリ職にとって、目の前の患者さんや利用者さんの身体・認知機能に向き合うことは専門領域ですが、そこを取り巻く「家族」という環境は、時に一筋縄ではいかない複雑な背景を持っているからです。
家族との関わりが困難になりやすい主な要因をいくつか整理してみます。
1. 本人と家族の「希望・ゴール」のズレ
リハビリの方向性を決める上で、最も頻発するジレンマの一つです。
本人の願い: 「這ってでも自分でトイレに行きたい」「多少リスクがあっても自宅に帰りたい」
家族の願い: 「転倒して再骨折されるのが怖いから、車椅子でいてほしい」「介護負担が限界なので、施設に入所してほしい」
安全や介護負担を最優先にしたい家族と、自立や尊厳を求める本人との間に挟まれ、セラピストがその板挟みになって調整に難航するケースは後を絶ちません。
2. 家族自身の「障害受容」の遅れ・拒絶
病気や障害を受け入れる(障害受容)プロセスは、本人だけでなく家族にも起こります。しかし、双方が同じペースで受容できるわけではありません。
高すぎる期待: 急性期・回復期などで、「リハビリを頑張れば、元通りの身体に完璧に戻るはず」と信じ込んでいる場合、予後予測(今後の見通し)を受け入れてもらえず、セラピストへの不信感に繋がることがあります。
過介護(やりすぎ)と役割の奪取: 家族が良かれと思ってすべての動作を先回りして手伝ってしまい、リハビリで獲得した能力(できるADL)が自宅での活動(しているADL)に繋がらず、本人の廃用が進んでしまうケースも多いです。
3. キーパーソンの不在や、家庭内の関係性の課題
もともと家族が抱えていた人間関係や社会的な問題が、リハビリの現場で表面化することがあります。
「多問題家族」や介護力の不足: 老老介護、認認介護、家族自身の精神疾患や就労問題など、リハビリを支える地盤(介護力)がそもそも希薄なケース。
疎遠な親族の突然の介入: 普段は介護に全く関わっていない別居の親族が、退院間際になって「こんな状態では引き取れない」「もっとリハビリをさせろ」と口を出し、方針が白紙に戻るような事例です。
過去の確執: 長年の夫婦不仲や親子関係の冷え込みから、家族が介護への協力を拒否したり、ネグレクトに近い状態になってしまうこともあります。
4. 医療・介護従事者とのコミュニケーションエラー
時には、医療者側の「こうあるべき」という専門家目線の押し付けが、家族を追い詰めてしまうこともあります。
「家での介助方法はこうしてください」「リハビリのためにこれを毎日させてください」という正しい指導が、すでに限界を迎えている家族にとっては「これ以上どう頑張ればいいのか」という精神的な負担になり、結果として関係性が閉ざされてしまう(シャッターを降ろされる)原因になることもあります。
患者さん本人や家族の病識のズレは、なかなかIC
(informed consent)でも埋まらない。
または、夫婦二人暮らしで片方が認知症で片方は身体障害。子どもは他県に住んでいる。
子どもは希望のみ述べる。
よほど社会資源を知り尽くしたMSWでないと、なかなか退院支援が大変である。
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