変わらなければ、残れない。映画を見て、昔の上司を思い出した
最近、Netflixで映画やアニメを見ることが増えた。
ただ笑って終わるだけではない。
人の生き方や考え方を知り、自分ならどうするかを考える。そういう意味でも、作品を見ることは勉強になる。
『ヤクザと家族』を見て、特に考えたのが時代の変化だった。
昔は通用していた生き方や仕事のやり方が、時代が変わることで通用しなくなる。
その変化についていけなかった人たちが、苦しんでいく。
映画の中だけの話ではない。
現実の社会にも、同じような人がいた。
強烈だった、最初の上司
最初に勤めた会社を辞めたあと、俺は競合会社へ転職した。
きっかけを作ってくれたのが、以前の会社で上司だった黒田さんだ。
※名前は仮名です。
黒田さんは先に競合会社へ移り、俺を誘ってくれた。
営業力があり、人を引きつける力もあった。面倒見もよく、根っこの部分では優しい人だった。
一方で、超がつくほど自己中心的だった。
自分の思いどおりにならなければ、周りのせいにする。近くにいた俺は、かなり振り回された。
それでも、なぜか憎めない。
イメージでいうと、やしきたかじんさんや横山やすしさんのような人だった。
個性が強く、むちゃくちゃな部分もある。でも、人を引きつける魅力があった。
俺にとって、最初の上司が黒田さんだったことは強烈だった。
数字を上げれば、それでよかった時代
黒田さんは、営業は仕事を取ってなんぼ、数字を上げてなんぼという考え方だった。
家でサボっていても1億円を売る営業と、毎日必死に働いて1,000万円しか売れない営業なら、1億円を売る人間が上。
結果がすべてだった。
俺も営業として、その考え方から学んだことは多い。
今でも、営業は仕事を取らなければ始まらないと思っている。
ただ、時代は変わっていた。
15年ほど前から、コンプライアンスや働き方に対する意識が強くなった。
どれだけ数字を上げても、勤務態度や人への接し方に問題があれば許されない。
パワハラも、昔なら見過ごされていたことが通用しなくなった。
芸人も同じだと思う。
昔は、私生活がむちゃくちゃでも、面白ければ許された。
今は、実力だけではなく、普段の振る舞いや人間性まで見られる。
みんなが“いい子”になったようで、少し寂しくも感じる。
黒田さんのような強烈な人が、活躍できる場所があってもいいと思う。
何でも許されていいわけではない。
ただ、多少不真面目でも個性的でも、根っこの部分で人に優しい人なら、その力を生かせる場所があってもいい。
それはケースバイケースだと思う。
すごい人だった。でも、時代についていけなかった
黒田さんは、自分の仕事のやり方を変えられなかった。
思いどおりにいかなくなると、周りのせいにするようになり、酒に溺れていった。
結局、転職して5年ほどで会社を辞めることになった。
その約2年後、48歳で亡くなった。
今の俺と同じ年齢だ。
すごい人だった。
営業力もあった。
人を引きつける魅力もあった。
人に優しいところもあった。
でも、弱い部分もあった。
「ああなったら、人生が終わるんだな」
当時の俺は、黒田さんを見ながらそう思っていた。
そして、本当に人生が終わってしまった。
だから俺は、黒田さんのいい部分は学び、悪い部分は反面教師にした。
俺も個性的な人間だと思う。
酒もまあまあ飲む。
それでも、自分を壊すほどの無茶はしない。
黒田さんとの出会いは、今振り返っても、いい出会いだったと思っている。
変えるのは、個性ではなく仕事のやり方
時代についていくというのは、個性を捨てて、みんなと同じ“いい子”になることではない。
自分の考え方を見直し、仕事のやり方を変えることだと思う。
俺の場合、今はAIを使っている。
以前は自分で時間をかけていたPC作業を、AIに任せられるようになった。
その間に別のことを調べたり、ほかの仕事を進めたり、家のことをしたりできる。
同じ時間で、やれることが増えた。
以前は、パソコンを使える人と使えない人の間に差がついた。
これからは、AIを使える人と使わない人の間にも差がつくと思う。
ただ、何でもAIに任せればいいわけではない。
最終的な判断をするのは俺だ。
人との関係も、AIには作れない。
任せることと、自分でやることは、しっかり分ける必要がある。
安い仕事を無理に受けない。
人との関係を大切にする。
自分で判断する。
そういう商売の軸や、人への接し方まで変えるつもりはない。
変えるのは、仕事のやり方だ。
どれだけ能力や魅力があっても、昔のやり方だけにこだわっていれば、いつか時代から取り残される。
変えてはいけないものは残す。
変えるべきものは変える。
時代の変化についていくとは、そういうことだと思う。
