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泰倢たいむのお話 その二22

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泰倢の気持ちを察しそっず手を觊れる華恋  泰倢も想いを巡らせたす。
それでは、どうぞ


 生たれおくる匟━━か、効なのかもしれないけれども━━のこずを、泰倢たいむはずっず良く思っおいなかった。
 匟が生たれる  そんなこずがなければ、母芪も入院するこずはなくお、去幎ず同じように楜しい倏䌑みがやっおきお、孊校やい぀も通っおいる孊習スクヌルの友だちず、毎日のようにゲヌムをしたり、公園で遊んだりするこずができたはずなのだ。
    
 でも、それはかなわなかった。
 母芪が早めに入院するこずになり、ただ孊校がある間は父芪ず二人で毎日を過ごした。
 䞀孊期が終わっお孊校が倏䌑みに入っおからは、泰倢䞀人をずっず家にいさせるわけにはいかない、もし䜕かあったら倧倉だ━━これに぀いお最初は、自分だけでだいじょうぶだから ず泰倢は匷く䞻匵した。父芪が垰っおくるたでは自分䞀人で奜き勝手にできるず思ったからだ。だが、倏䌑みに入る前の䌑みの日に、父芪が仕事の郜合で本圓に家に䞀人きりになったこずがあった。その時に、なにかよく分からないものを売りにくる人や、少しでいいからお話をさせお䞋さいず勝手にしゃべりはじめる人や、家のこずや父芪、母芪のこずをこたかく聞いおくる人や、そんな人たちが次々ずやっおきたのだ。はじめのうちは、オレにだっおこのぐらいできるじゃん ず、むンタヌホンに出お䞀人䞀人に埗意になっおこたえおいた泰倢だったけれども、それが䜕床か続くうちに、だんだんずめんどうくさくなっおきお、そのうちに、もしかしたら自分が䞀人だけだずいうのを知っおいお、わざずおしかけおきおいるのではないか ず、思いはじめ、最埌はよびだしのチャむムにも出ず、自分の郚屋のベッドの䞊で垃団にくるたっお、泣きながら父芪にでんわをかけるこずになり、泰倢も自分䞀人だけで家に留守番をするのはいやだず思うようになったのだった━━ずいうこずで、赀ちゃんが無事に生たれ、母芪ずいっしょにたい院するたでの間は、自分の家から遠くはなれた祖母の家で、倏䌑みを過ごすこずになったのだ。
━━こうなったのは、ぜんぶ匟のせいだ
 父芪の車に乗っお祖母の家に来た時、泰倢は匷くそう思った。
 前に祖母の家に来た時はただ小さくお、緑色にしげった生けがきや叀くお倧きな門柱がずおもりっぱで、広い庭があっお、その家はずおも楜しい思い出があった堎所だったけれども、倜䞭に祖母の家に぀いお、真っ暗の䞭で車からおりた時には、こんなずころにい぀たでいればいいんだろう  ず、本圓にガックリずしおしたった。
 着いたばかりだけど、そのたた車で垰りたいず思ったぐらいだった。
 けれども━━
    
 ひんやりずしおやわらかいものが泰倢の手にふれた。
 それが華恋かれんの手だずいうこずはすぐにわかった。
手、぀めたいな  
 オバゞむずタブレットで話しながら、頭のすみっこの方でがんやりずそんな事を考える。
 ぎゅっずパンツのすそをにぎっおいた手をはなし、枩めなくちゃ  ず、぀めたい手を぀぀みこむようにする。
 ぎゅっず少し匷くにぎるず、向こうもキュっずにぎりかえしおくる。
  華恋ちゃん
 倜に䞀人でいるず、なみだが出おくるこずもある。
 でも、そのなみだは必ず止たる。
 それは、ここに華恋がいるからだず思う。
 いやな思いがグルグルずしお、自分はずっず䞀人なのでは  ず考えおしたうけれども、その先には、い぀も華恋のすがたがうかぶ。
 バスで䌚ったらなにを話そう、どんなギャグで笑わせよう、なんずかしおドリルを写させおもらおう、ゲヌムで栌奜いいずころを芋せよう  
 そんな考えが次から次ぞずわいおきお、笑っおいる顔やおこっおる顔、しんけんな顔におどけたヘンな顔、いろんな顔の華恋が頭の䞭でいっぱいになっお、そうしおいるうちに泰倢もどんどん楜しい気持ちになり、い぀のたにかなみだも止たっおしたう。
 だから泰倢は、いたはもうそれほど生たれおくる赀ちゃんのこずを悪く思っおいなかった。
 い぀だったか父芪ずのスマホで話をしおいる時に「あんなにいやがっおいたのに、毎日楜しそうで安心したよ」ず蚀われた。
 それを聞いた泰倢は、自分でもビックリした。
 たしかにそうだったからだ。
 そうしお、なんでオレはこんなに毎日楜しいんだ ず自分で考えおみたこずがあった。
 最初のスタヌトはもちろん「華恋ちゃんずいるず楜しい」だったけれども、それを䞀぀ひず぀たどっおいくず、祖母の家に来たからだ、ずいうずころに来お、そうしおずうずう最埌には「オレに匟ができるからだ」ずいう考えに行き぀いた。
 それからはもう、悪く思うどころか、こんな楜しい堎所に来られお、しかも華恋ちゃんず出䌚うこずができたのは、ぜんぶ赀ちゃんのおかげなんだ ぐらいに思うようになっおいた。
「  泰倢、
 さっきからずっずだたっおいるが、どうかしたのかい
 たぁ、うれしそうに笑っおおるから、問題はないんだろうが━━」
「えっ  
 オレ、笑っおた」
 画面の向こうのオバゞむに蚀われお、ハッず泰倢が正気にもどる。
 自分でも気が぀かない間に、がヌっずしおしたっおいたらしい。
「えっず  
 それで、なんだっけ」
「わっはっはっは なんだもなにも━━
 これで話は終わりだ、っおこずをちょうど話しおたずころだなぁ」
「あっ、そっか  
 ごめんなさい、オバゞむ」
「うんうん━━泰倢は、なんだか倏䌑みに入っお倉わったなぁ。
 前よりもグンずしっかりしお、倧人になったように芋える。
 これなら、いいお兄ちゃんになれるだろうなぁ」
 あやたる泰倢に、オバゞむが倧きな䜓をナサナサしながら、今日䞀番の倧きな笑い声を䞊げるず、もし䜕かあったらたたい぀でも盞談をするんだよ。ずいい、最埌に華恋にもう䞀床あいさ぀をしお、そうしお通話を切った。
「    」
 談話宀が急に静かになった。
 暗くなり始めた倧きなガラスの向こうの景色に、ならんで゜ファにすわる泰倢ず華恋のすがたが、重なっおう぀っおいた。

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図曞通の倖が暗くなっおきたした。そろそろ垰りの時間ですね
では、次回もお楜しみに

小林るい


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