①祝スペイン優勝
はじめに ― ワールドカップから学ぶ、世界で勝つ組織のつくり方
FIFAワールドカップ2026が幕を閉じました。
スペイン代表のフェラン・トーレスが、延長戦で、得点し、2010年の南アフリカ大会以来、16年ぶりに優勝しました。
約1か月間、アメリカ・カナダ・メキシコで開催された世界最大のスポーツイベント。
筆者は日本時間の早朝から数多くの試合をリアルタイムで観戦し、日本代表の戦いはもちろん、各国の戦術や選手起用、監督の采配、そしてスペイン対アルゼンチンによる決勝戦まで、一試合一試合を興味深く見届けました。大会は48か国が参加する新フォーマットとなり、これまで以上に多様なサッカー文化や組織力の違いが浮き彫りになった大会でもありました。
このシリーズでは、試合結果を振り返るだけではありません。
筆者が特に注目したのは、優勝を争ったスペイン代表が持つ「組織力」です。
近年のスペイン代表は、一人のスーパースターに依存するチームではありません。ラ・リーガのクラブ、そして長年培われてきたカンテラ(育成組織)の思想を背景に、誰が出場しても同じ哲学でプレーできるチームを築いています。
監督が代わっても、選手が入れ替わっても、大きくスタイルがぶれない。この「再現性の高い組織づくり」こそ、企業経営にも通じる重要なヒントだと感じました。
一方で、決勝の相手となったアルゼンチンには、世界王者として培ってきた勝負強さ、リーダーシップ、逆境を乗り越える精神力がありました。決勝は単なる欧州対南米ではなく、「組織力」と「勝者の文化」がぶつかり合う、まさに世界最高峰のマネジメント対決だったと言えるでしょう。
筆者は仕事柄、スタートアップ企業やVC・CVC、大企業の新規事業部門の皆様と日々接する機会があります。また、CESをはじめとする海外展示会やイノベーションイベントにも継続的に参加し、世界の企業やスタートアップの変化を見てきました。
だからこそ、このワールドカップを見ながら、サッカーの戦術よりも、「組織をどう設計するのか」「人材をどう育成するのか」「世界基準とは何か」という視点で数多くの気づきを得ました。
本シリーズでは、スペイン代表を中心に、
・なぜ継続的に世界トップレベルの選手を輩出できるのか
・カンテラという育成システムから企業は何を学べるのか
・監督のマネジメントは企業経営とどう重なるのか
・多様な人材を束ねるリーダーシップとは何か
・日本企業がグローバル市場で勝つために必要な組織文化とは何か
といったテーマを、サッカーに詳しくない方にも分かりやすく、スタートアップや新規事業、VC・CVC、イノベーション推進の視点から掘り下げていきます。
サッカーは90分で終わります。しかし、その裏側には10年、20年という長い育成、人材投資、組織改革、文化醸成があります。
企業も同じです。
短期的な売上や一つの大型案件だけでは、世界では勝ち続けることはできません。継続的に価値を生み出す仕組み、人が育つ文化、挑戦を支えるマネジメントがあって初めて、持続的な成長が実現します。
2026年も後半戦に入りました。
2027年へ向けて、新たな事業、新たな市場、新たな挑戦が始まります。
このシリーズが、ワールドカップという世界最高峰の舞台から、皆様のビジネスに取り入れられるヒントや、自社の組織づくりを見つめ直すきっかけとなり、「明日から一つ試してみよう」と思えるような気づきをお届けできれば幸いです。
スポーツを語るのではなく、世界で勝ち続ける組織を語る。
そんな視点で、元気をもらったワールドカップをご一緒に振り返っていきましょう!
