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【初心者向け】ポンプの役割と種類、仕組みを解説!

1.記事概要


この記事では産業で必ずと言ってよい程、設備に組み込まれている”ポンプ”について解説していきたいと思います!

この記事を読んでいただくことで、下記について理解が深まると思いますので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

・ポンプの大まかな理解
 →ポンプの種類を理解できるようになる。

2.ポンプとは?

ポンプとは一体どんな設備なのか、基本的な部分から解説を始めたいと思います。一旦難しい用語で説明しますと以下の通りとなります。

<ポンプの概念>
・機械的なエネルギーを流体の圧力・運動エネルギーに変換させる機械
<ポンプの目的>
・流体にエネルギーを与えて、目的地まで届ける。

難しいですよね。。。機械的?運動エネルギー?いまいち抽象的で分かりにくいと思います。具体的に説明していきたいと思います。

そもそも我々が普段扱う流体にはどんな性質があるのでしょうか。
一番身近な例として、水(液体)を取り上げてみましょう。
液体には次のような性質があり、何となく実社会でも感じるところはあるかと思います。

<液体の性質>
①高いところから低いところに流れる。
②圧力の高いところから、圧力の低いところに流れる。

①については、流しそうめんを思い浮かべると分かりやすいと思います。高さのある上流側から水が下流に向かって、そうめんと一緒に流れてきますよね。高いところから低いところに向かって水が流れることは自然現象になります。
②については、最近よくニュースで耳にする水道管の漏水を思い浮かべると分かりやすいと思います。
水道管内部は、0.2〜0.4MPaなどの高圧になっています。
水道管の外側は大気圧(厳密には土圧が掛かっていますが)となっていて、配管内部に対して低圧になります。そのため、配管に穴( ピンホール)が開くと、高圧側から低圧側へ水が噴き出します。

しかし、私たちが水を“高いところへ押し上げたい”とか、“圧力の高い場所へ送り込みたい”という場合は、自然の流れとは逆方向になります。この逆方向の流れを作るために必要なのがポンプです。

ポンプの使用イメージ

3.ポンプの型式について

ポンプと言っても色々な種類がありますが、ポンプの作動原理でポンプ型式を分類すると以下の二つになります。

★ターボ型


羽根車(インペラ)をポンプ内(ケーシング)で回転させて、流体にエネルギーを与えるタイプです。
傘についた水滴を落とすために、傘を回転させたことは誰もが経験あるかと思いますが、その原理と同じです。

ターボ型ポンプのイメージ図

★容積型


往復運動もしくは回転運動によって、容積を変化させて、流体にエネルギーを与えるタイプです。
容積型ポンプのメカニズムに近いものとして、人間の心臓が挙げられます。人間の心臓は、心室の容積を周期的に変化させて血液を送り出すため、「容積型ポンプ(特にダイヤフラムポンプ)」と同じ原理で動作していると言えます。


容積型ポンプのイメージ図
(右図はダイヤフラムポンプの模式図
オレンジ:吸込み時
緑:吐き出し時のダイヤフラム)

4.ターボ型と容積型の比較

★ターボ型


・大容量のポンプも小容量のポンプも適用できる。
→ターボ型の中にも何種類か形がありますので、結果として大容量~小容量までカバーが可能です。

・吐出圧により流量変化が発生する。
→羽根車が流体に速度を与えることで流れを作るため、流量はポンプ単体ではなく、配管系の抵抗(吐出圧)によって決まることになります。そのため、吐出圧が高くなるほど流量は減少することになります。吐出圧が小さくなれば、流量は増加することになります。

・適切な処置をすれば、固体を含む液体(スラリー液)に対しても適用可能
→その固体の種類,粒度,濃度等をポンプ設計時にメーカーに開示する必要があります。

・原則、自吸性能がない。
→羽根車は液体が満たされていないと揚程を発生できません(空気を加速できない)。ターボ型は、羽根車が流体に速度(運動エネルギー)を与え、それが圧力に変換される仕組みです。しかし、ケーシング内に空気が存在しますと、羽根車は空気をほとんど加速させることが出来ないので、揚程も発生させることが出来ません。揚程が発生しないと、吸込み側の負圧も作れないので自吸が出来なくなります。

★容積型

・大容量には不向き
→ピストンやプランジャー、ダイヤフラムを用いて、「容積変化」を作り出すのが容積型ポンプですが、この方式の場合は1ストロークで押し出せる量が小さいこと、機構が複雑で大型化しにくいこと、高速回転が難しいこと(摩耗・騒音・振動の問題)という制約が付きまとうため、大容量化には不向きと言われています。

・吐出圧によらず、流量を一定にすることができる。
→吐出圧が上がっても、ピストンは同じストローク量を押し出しますし、
ダイヤフラムの場合も同じ容積を変化させることが出来ますので、流量は一定となります。
ただし、吐出圧が上がると、軸動力(必要トルク)は増えますので、過負荷でモーターが止まる可能性がある点には注意が必要です。

・小流量で一定の流量を求めるのに対して強い。
→前述の通り、容積型は「定量供給」が得意なポンプです。
薬液注入ポンプ(定量ポンプ)や計量ポンプ、高圧洗浄機のプランジャーポンプ、ボイラ薬注ポンプ等に使用されています。

・スラリー液には適用不可能
容積型は内部に、ピストン、バルブ、ダイアフラムなどの「摺動部・可動部」が多い構造をしています。スラリー(固形物を含む液)を扱うと摩耗やバルブ閉塞、シール破損、ストローク不良が発生しやすく、構造的に不向きとなります。

・自吸性能がある
容積型ポンプは、ピストンやダイヤフラムの後退によって内部容積が増加し、その結果として負圧が発生します。この負圧が吸込側に伝わることで液面を引き上げるため、ケーシング内が空気で満たされていても自吸が可能でとなります。ターボ型ポンプのように流体を加速して揚程を作る方式ではないため、空気の密度に依存せず自吸性能を発揮することができます。

(補足:負圧が生じる原理)
空気は水と違い、圧力が変わると体積が大きく変化する「圧縮性流体」となります。圧縮性流体の基本式は理想気体の状態方程式で表すことができます。

理想気体の状態方程式:PV=nRT
ここで、容積型ポンプの自吸時は、ピストンがゆっくり後退し、空気の温度変化はほぼゼロであると仮定すると、 等温変化と見なすことができます。

よって、温度 T がほぼ一定(等温変化)とみなせる状況では、

PV=一定となり、

容積が増える → 圧力が下がる
容積が減る → 圧力が上がる

以上が負圧が生じる原理となります。


5.ターボ型の種類と特徴

★ターボ型の種類と特徴

ターボ型については、ケーシング内で回転させる羽根車から吐出される流体の流れと羽根車を回転させる主軸の関係で種類を分類することが出来ます。

遠心ポンプについては、主軸の長手方向に流体がケーシング内に入ってきますが、ケーシング内で回転している羽根車に衝突した後は、流体は羽根車の面に広がるような流れとなります。この時、流体の流れは主軸に対して垂直に広がることになります。
一方で、軸流ポンプについては羽根車に衝突した後の流体の流れは、主軸と同軸となります。(流体は軸方向に吸い込まれ、そのまま主軸と同じ方向に押し出されます。)
斜流ポンプについては、遠心と軸流の中間の流れ方向を持つポンプになります。


ターボ型の種類


遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプの特徴についても下表にてまとめています。

遠心ポンプ、斜流ポンプ、軸流ポンプの特徴

6.容積型の種類

容積型のポンプについてもどのように容積を変化させているかでポンプを分類することが出来ます。

★ダイヤフラムポンプ

”ダイヤフラム”という言葉に馴染みがある人は少ないかと思います。言い換えますと、薄い膜(ゴムや樹脂等)を前後に動かして液体を押し出す仕組みのことです。このダイヤフラムを用いて、「容積変化」を作り出すのがダイヤフラムポンプとなります。

ダイヤフラムを動かす方法として、以下の3つがあります。
・クランク+リンク機構でダイヤフラムを直接押す/引く機械式
・ダイヤフラムの裏側に「油室」を設けて、ピストンがその油を押す/引くこと(油圧)でダイヤフラムが変形する油圧式
・ダイヤフラムの裏側に空気を交互に送り込んで、その空気圧で膜を動かす空気式

下図に載せているのは、機械式でダイヤフラムを動かすイメージを示しております。

イメージ図:ダイヤフラムポンプ(機械式)

★ギアポンプ

ギアポンプも容積型ポンプの一種となります。ギアポンプは2つの歯車が下図の通り、噛み合った状態で回転しています。
歯車が回ると、噛み合っていた歯がほどけて、歯と歯の間に「新しい空間」が生まれます。
歯がほどけてできた空間は、直前まで存在していなかった空間であり、空間が出来たことで、容積が急に増えることになります。
その瞬間、内部の圧力が下がり(負圧になる)、吸込み側の液体が引き込まれます。
この原理も、PV=一定の原理で説明が出来ます。
PVは一定となりますので、容積が急に増える(Vが大きくなる)ことで、圧力Pは小さく(負圧)なります。

ギアポンプの仕組み


7.最後

今回は、ポンプの基本原理と型式の違いについて解説しました。
ポンプは構造や作動原理によって性能が大きく異なるため、まずはこの分類を理解することが重要です。
次回は、ポンプ選定に欠かせない「ヘッド計算(揚程計算)」について解説します!

長文を最後までお読みいただきありがとうございました。


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